この道を歩いて行こう。
人は何のために生きるのだろう。
自分のため?大切なもののため?それとも意味もなく?
大切なものがなかったら何のために生きていく?
生きる意味がなかったら、死んでも別にいいんじゃないの?自分の体なんだし。
なのに・・・死ねないんだろ。
「空はいつ見ても綺麗・・・」
人間と違って。
あたしも空に生まれたかった。
ーガサッ
「・・・誰?」
「え、あ・・・俺、生徒会の後藤理玖・・・です。」
・・・・上履き緑だ。先輩じゃん。
「1年の、澤田千裕です・・・」
「え、1年?」
「はい。」
「・・・俺、敬語使っちゃったよ。」
「可愛い・・・」
「え?」
しまった。心の声がつい・・・
「よく言われません?可愛いって。」
「・・・言われる。」
「ですよね。」
「あのさ!」
「はい?」
「突然なんだけど、生徒会入らない!?」
「は?」
「なんか、俺と、君似てるんだよねっ」
・・・・・・・こんな明るい人と?
「どこがですか。」
「なんか同じ人種っぽい。」
「先輩とあたしは全然違いますよ?」
「うん。最初はやっぱりそう思うよね。」
「え?」
「俺もね、去年までよくここで空見てたんだ。」
「空・・・」
「生きる意味を失くしてて、そんな時に莉恵香先輩、あ、今の生徒会長ね。会長が俺に気づいてくれて生徒会に導いてくれたんだ。」
「・・・・」
「俺ね、生徒会に入って変われたんだ。生徒会は生きる道を見つけれる場所なんだよ。」
「嘘・・・」
「え?」
「そんな場所ないよ。あたしはずっとそんな場所を探してた!でも、見つからなかった。」
「だから、探すために生徒会おいでよ。」
「それで見つからなかったら?」
「見つかるまで探すよ。」
・・・信じてみる?でも、また裏切られたら?ほんとに同じ人種なの?あたしもこんな性格に変われる?でも・・・・
「理玖先輩・・・」
「ん?」
「あたし、先輩のこと信じてみます。」
「ほんとに!?」
「・・・はい。」
「じゃあ、生徒会室行こっ」
ーガラッ
「あ、りっくんどこ行ってたの?」
「平野先生のとこ行ってました。」
「あーっ、理玖いるし。お前なあ後輩ナンパしてんじゃねーよ。」
「ちげぇしっっ」
・・・ナンパ。
「この子、新しく生徒会に入る1年生!」
「ほんとに!?」
「やーっ可愛い!!」
この道を歩いて行こう。