人間と悪魔5話
みなさんが楽しんでくれることを願います。
最初の依頼が終わり、一息つく前にまだやることがあった。
始末した悪魔をもう一人の能力を持つ者『桂木雄二』のところに持っていくことが仕事なのだ。
しかし坂内は一人では行きたくない様子を示していた。
「あの?東さん。さっきすごい怖い目にあったので一緒に来てもらえませんか?」
「一人で行け。」
東は冷たく坂内の頼みを断った。その態度で坂内はまた目をうるうるさせこう言った。
「な、なんでそんな冷たいんですか?!一緒に来てくださいよ~!」
断ると今にも泣きそうな顔をしていたので東は仕方なく、こう返事をした。
「・・・分かった。分かったからもう泣くな。」
坂内はそれがうれしいらしく一気に涙がぶわっとこぼれた。
「うぅ?あ、有難うございます・・・」
「なんで、一緒に行ってやると言ったのに泣く?」
「だって?!」
「もういい、行くぞ。」
そう言って、東と坂内は桂木のところに向かうのだった。しばらく歩くと本当に人が住んでいるのか?というほどボロく
金属のところはすべてさび付いていた。
「すいませんー!!いますか?桂木さん!」
すると、とびらギィと開くと中から男がでてきた。高い身長、そして目は青く輝いていた。
「おぉ!舞ちゃん!よく来たね!・・・・・ん?なんだだれかと思ったら東か・・。」
「久しぶりだな、桂木。早速だが仕事を頼みたい。」
「ここのところ仕事がないと思ったら、ようやくきやがったか。じゃあこの悪魔をこの世界からいなくさせればいいんだな?」
桂木雄二の能力、存在自体を消すこと。最初から生まれてこない状態にするのだ。
そうすれば人はこの犯人「悪魔」がいることなんてだれも思わなくなる。
「あぁ、そうだ。」
「了解、では。」
悪魔の下に魔方陣ができて悪魔はどんどんと地面に飲まれていく。そして完全にその姿は消えた。
「ふう!終わったぞ。」
「ご苦労だったな、金は今月までに払う。」
「そうか・・、でも一度も払ってもらった覚えがないが・・・。」
「では、また来る。」
そう言って東はひとりで帰っていった。
「まったく、あっ舞ちゃん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
「はい!なんでしょうか?」
「舞ちゃん、東をどう思う?」
「えぇ!?」
坂内は急に赤くなり口をぱくぱくさせた。
「あっ!そういうことじゃなくて普段の行動みたいな?」
坂内はあわててその返事を返した。
「えっ!あぁ!そうですね!東さんはとても頼りがいがあって、そんでもって優しいです!」
「・・・・そうか。」
「はい!あっ!私そろそろいきますね?」
「うん?あぁ、じゃあ気をつけてね!」
「はい!東さ??ん、待ってくださ?い!」
そういって桂木の家をあとにした。
「・・・・頼りがいあって優しいか・・・。本当はあいつは弱いだけなんだ・・。」
桂木はひとり、その言葉をボソっといった。
「あの??東さん。」
「なんだ?もう仕事は終わりだ、帰っていいぞ?」
「あの・・・・それなんですけど・・。」
坂内はもじもじと恥かしそうに言った。
「今晩、泊めてくれませんか?」
人間と悪魔5話
特にはありません。