ラヴ・キューブ~同姓にならなくても~第1話
同性愛描写が混じっているので苦手な人は注意してください。
主人公の笹浪裕那の好きな人は見た目はいいけど…?
変わった四角関係ですっ 同性愛描写が混じっているので苦手な人は見ないでください。
私は笹浪裕那。
男っぽい名前だけど七坂高校女子サッカー部の部員!
実は私には好きな人がいるんです。
「おはよ。」
今話しかけてきた、美術部の芹沢優。
毎朝話しかけてくるからうれしいけど
でも彼には好きな人がいる。
「裕那、おはよう」
金沢崎斗、野球部で私の友人の男子。
そう、優は男子が好きなのである。
因みに崎斗にも好きな人がいる。
「裕那さ~~ん!おはよう!!」
今の声の主である南麻美。
崎斗は彼女がいいそうなんだけど…。
麻美は私が好き。
つまるところ四角関係だ。
困るのは…
「優、裕那の隣に立たないでよ。」
「女子が好きな人はどうかと思うよ。」
「男子が好きな優が言わないでよ。」
この二人の仲は最悪。
どっちもどっちな気がするけど、毎朝これだ。
私は優と付き合いたいのに…。
学校について崎斗と別れて教室に入った。
いつものように優と麻美の口喧嘩がBGMだ。
同級生で同じ部活の金子里美に少し呆れられてる。
「裕那、この二人の喧嘩がクラスの音楽になる程だからなんとかしてくれる?」
「う~ん、まあ無理でしょ。」
「今日は気の済むまでか~じゃあ諦めろってことか。」
二人の口喧嘩は先生が来るまで続いた。
普段だったら止めるところ。
だけど、今日は放課後にちょっとした計画があるので優と仲悪くしたくない。
その計画は…私だけの秘密。今日は楽しみだ。
昼休みになった頃、私は優にちょっと話すことにした。
「優、今日5時頃まで残ってくれる?」
「場所は?それがわからないと残らないよ。」
「第一美術室でいい?」
「わかったよ。時間には来てよ。」
とりあえずこれで準備はできた。
後は待つだけ。
とはいえ部活がある。
今日は短めというよりちょっと会議するくらいだそうだ。
これなら余裕かも。
放課後、私は女子サッカー部に向かった。
とはいえ内容は紙配って終わり。
単に運動会の役割分担だけ。
配る時期が早いけど毎年この時期だそうだ。
結局4時ごろに終わったので1時間近く余った。
金子が話しかけてきた。
「裕那~一緒に帰ろ~!」
「ごめん今日ちょっと用事があるの。」
「えぇ~普段はいっしょなのに…」
「ちょっとした事でね。」
「もしかして噂の彼?」
私は小さく微笑んだ。
私は第一美術室に向かった。
時間は約束の5時だ。
部屋には優が一人いるだけ。
「優!」
「こんな時間になんでわざわざ呼んだの?」
「ちょっと目つぶっててね!」
優が素直に目をつぶったので、私はゆっくり近づいた。
そして彼の唇にそっとキスをした。
彼は咄嗟に目を開けて後ずさりした。
私は微笑んで言った。
「一緒に帰っていい?」
優は頬を赤くして立ち止まっていた。
少し待って、落ち着いたのか口を開いた。
「いいけど…裕那、何のつもり?」
「そのままの意味だよ。」
「…帰るか。」
「うん。」
とりあえず今日の一番お楽しみは成功した。
その帰りの日。
「二人で帰るのは初めてだね。」
「普段僕は一人なんだけど。」
「じゃあ尚更ましでしょ?」
本当のことを言うと、早くちゃんと付き合いたい。
でも、そんなこといっても彼は崎斗が好き。
だから私が落とすことにした。
私を好きになってくれるのはいつなんだろう。
でもネガティブにならずに前向きに考えるようにしてる。
だって私が優のこと好きだというのは変わらないから。
「どうしたの、裕那。」
「なんでもないよ。」
その後私は寮に戻り、他にやれることを考えた。
とはいえすぐに思いつかないので、リナリアの花に水をあげた。
リナリアの花が枯れる前には何とかしたい。
まあ何でかわかる人は少ないけどね。
その翌日。
いつものように登校する。
優は昨日のは気にしてなさそうだ。
私はいつもより優に近付く。
でもそれを麻美が邪魔する。
「裕那は私に付いていてください!」
優と私の間に割って入る形となったので、
「僕の隣に立たないで。」
「それはあたしのセリフ!」
明らかに悪いのは麻美なのに意地で返している。
このままだと進まないので、崎斗に頼むことにした。
「崎斗、麻美を引き剥がしてくれる?」
「わかった。というかこれは長そうだし。」
崎斗は麻美はを引っ張った。
それを優は羨ましそうに見てた。
「なんで僕じゃなくて麻美のことを…」
私はちょっと突っつくとこっちを見た。
「何?」
私は少し笑った。優にはわからなかったようだ。
教室に入ると、金子が話しかけてきた。
「昨日はどうだった?」
「う~ん成功したけど…気が付いてくれないかな。」
「そりゃあ、男が好きな男子だからね。」
それはわかっているんだけどね。
「その様子だともしかして告白してないでしょ?」
「え…。」
私は硬直してしまった。
どうやら金子は私がまだ優に告白してないのに気づいてるようだ。
「…だって言いたくても恥ずかしいし。」
「そんなこと言っても誰かに取られたくないでしょ?」
もちろん優と付き合いたい。
でも想いを伝えるのは得意ではない。
だからと言って何もしないのは進まない。
その為、できるだけの行動で好意を示す。
今日は…何しようかな?
それを考えるだけで楽しい。
今日はどっちも部活があったので大胆な行動は難しい。
まあ特にやることは思いつかないけどね。
でも嬉しい事に両方の部活が終わる時間が同じになった。
私は優に会いに行った。
「優!一緒に帰ろう!」
「裕那か、昨日に続き会うのは何かの偶然とは思えないな。」
「多分うちの部長が…と思ったけど、あの人は演劇部に調整してるね。」
女子サッカー部の部長は演劇部の部員と付き合っているらしい。
でも誰も一緒に歩いてるのは見たこと無いそうだ。
「崎斗はまだ部活か?」
「そうみたいだね。」
その後も私と優は他愛ない話をしながら寮に戻った。
その日の夜、私の部屋に金子がやって来た。
「結局言えずじまいだったの!?」
「あはは…としか言いようがないね。」
「折角こっそり調整もらったのに。」
金子の言うとおり、今日のは部長が調整してた。
でもこの通りで告白には至ってない。
いつ告白するかはまだ決めてない。
でもできるなら早めに告白したい。
崎斗も私を応援しているのに、うまく行動に移せてない。
なにすればいいんだろう…。
でも、そんなにうまくいかない方が楽しそうな気がするけどね。
ラヴ・キューブ~同姓にならなくても~第1話
一応続けますが異常に遅いですので気をつけてください。