意識の旅行

空から見てみたら

意識の旅行
増井さだお

何時も自由に何処にでも行きたいと思っている。そんな毎日でした。
何時もの様に車椅子で買い物に出かけ、自分の食べるだけの物を買って来て、週刊誌を見、テレビをつけ、パソコンでユーチューブを見たり、時々ヘルパーさんが来て掃除をしてくれる。
毎日代わり映えのない日が続いている。
2月なので寒いのだが日当たりが良いので、ついうとうとと寝てしまった。
何時ものように車椅子で公園のそばをと通りかかった。
ここの公園に入るにはぐるっと回り、反対側の入り口に行かないと入れないんだ。
この石段が無ければここから入れるのに。
公園の中の木が地面に付きそうな、そんな木の横にある丸太のベンチを見て、丸太に座っている自分を創造していたら、色んな物が見えてきて、子供がすぐ横で走り回っている。
地面に付きそうな木の奥では高校生と思われる男女が、勉強ではない、いちゃついている。
なにか自分が本当にここに居るような感覚にとらわれた、少し、ジーと回りを見て近くのビルの屋上を見ていて、あそこから回りを見たらどんなに見えるか、と思いながら意識を屋上に集中させた。
これた、屋上に居る、自分が居る。やはり高い所は苦手、2,3歩後ろにさがった。
どの位高いのか、おそるおそる下を覗き込むと、車がのろのろ走っていく、何年ぶりに見るだろう、病院に居る時車椅子で屋上に来たけど、こんなに隅まで行けないから、今見ている景色は新鮮だ。
横のビル、前のビル、その向こうのビル、窓に見える人は皆忙しそうに働いている。
そんな窓の一つに少し歳をとった人が真ん中で、その人を囲むように人が居る。
女性が花束を真ん中の少し歳をとった人に渡している。
花束を貰い頭をさげている、回りの人が拍手をしているのが見える。
定年退職だな、まだまだ仕事できそうに見えるが、明日から何かする事があればいいけど、自分に何かやりたい事があれば退職はこんなに良い事はない。
毎日、とことんやりたい事が出来る。
その反対はみじめだ、毎日暇で困ってしまう。
俺も何か出来ないかな。
そんな時このビルの女子社員4人が出てきた、隠れる所もないし何となく見ていると、俺にきずき、変な人が居る、でも挨拶をと思ったのか変な挨拶をして来た。
首を前に出し少し頭をさげるだけ、そりゃーそうだろう、知らない奴が屋上に居れば疑うでしょう。
でも真ん中の左にいた子、俺の好みだ。
話をしたいなと思って話のきっかけを考えているうちに帰っていった。
今の4人やっぱり警備員に言うかな、屋上に知らない人が居ますと。
何処かに行かないと、少し遠くに海が見えて堤防の先に灯台が見える、そこに行けないか自分の意識、気持ちを灯台の横のスペースに集中させる。
釣りをしている人結構居るわ、前の方に気のよさそうな人が居るから何か釣れているか聞くことにする。
少し歩くと足元でパチと音がした、何か踏んだ竿だすぐ分かった。
回りに誰もいない、竿を置いている人は何処かに行っている様だ。にーげよ。
俺は早足で釣り人が多くいる所までとにかく行く。
見ていると、俺が竿を踏んだ所を何人かが通り、俺が踏んだのが、何人かの人が通る事で分からなくなったので安心した。
家族で釣りに来ている、小学校6年生位の子供がアジを釣りはしゃいでいる。
よほど嬉しいのか夢中で釣っている。
一度に3匹~4匹も釣れている、サビキ釣りで針が10本位付いていて、いちばん下に籠が付いている、そこに、餌の網えびを入れて釣るのだ。
俺も釣りが好きで良く行き、針全部にアジがかかって来た時もある、そんな時は時間を忘れている。
アジを餌に釣っている人が居る、生きたアジだ。
その釣り方は何が釣れるか分からないのが面白い、釣れたら大物しかない。
俺もこの釣り方で釣った事が有る、その時にはアオリイカ、はた、鯛、ヤガラ、オコゼなど、他にも釣れた。
船を出して沖で釣れば、青物など凄い大物が釣れて来る。
今ここで釣りをしている人は、誰かと喧嘩している人は居ないだろう、そんな人は釣りをする気分になれないから、そう思いながら回りを見た。
船もいろんな船が通って行く。
少し大きな船を見てあれに乗ろうと意識を、あの船、あの船と集中させた。
舟に来たは良いが足元が悪く、くず鉄ばかり、これはくず鉄を運ぶ船らしい。
岸からは見えず、こんな船と分かっていたら来なかったのに。
すぐ他の船をさがした、でもふと見るとユンボと思える重機が3台、その横と向こうにレクサスに黒のワンボックス、あれはシーマ他にも、おかしいぞ密輸だ密輸に決まっている、茶色ぽいシートを上に張っている、間違いないヘリコブターから見えない様にしている。
何とか警察に知らせたいが、どうしょう。
携帯電話でこの状況を警察に話すか、でも携帯番号わかるし、そしたら色々聞かれる、困ったな、操舵室に3,4人居るようだ。
見つからない様に鉄くずの中を通り船の後ろまで来た。
ドラム缶が多く有る、蓋に廃油が付いているな、このドラム缶には廃油が入っているのか、思ついたぞ、まだ2時過ぎ日が暮れるのにはまだまだ時間が有るそれに港の中だ、廃油を流せば回りに船が多いし誰かが海上保安庁か警察に通報するだろう。
そう思い隅に有るドラム缶の蓋を5本あける。
倒せると思う5本だ他のはかさなっているので倒れない。
回りには誰もいない、おもいっきり押す。
上手い具合に倒れ廃油が海に流れ出した。
あと4本も、よいしょと、上手くいったぞ廃油が流れて水面が虹色に光だした、綺麗に見える時もあるがやっぱり不気味でどす黒い色だ、やりすぎたか、10メートル幅の帯が出来てきた。そして、この船を、止められないか機関室に入った。
船のエンジンを見るのは初めてなのでまったく解らない、船のエンジンてこんなに大きいのかと感心し見ていた、あっとうされ止める方法が分からない。
燃料を止めればエンジンは止まるだろう。
だが、機関士がそれにきずき再び燃料を送ればすぐエンジンはかかるだろう。なら燃料を止め電気を切れば時間が稼げる。
機関室には一人、椅子に腰掛け新聞を見ている。
機関室の中は広く歩き回っても見つかる事はない。
この配管が燃料を送る管だ、燃料そして矢印と燃料が流れる方向が書いてある。
バルブを止めると間もなくエンジンが止まり電気も消えた。
しまった真っ暗で電気の線を切れない、手探りしていたら電気がついた。
バッテリーだろう、新聞を見ていた機関士があわただしく回りを見ている。
配電盤を見つけ早く電気を切らないと。
配電盤は目の前にあり、線を切った。
あたりは真っ暗になり人の声が聞こえている、外国人で言葉がさっぱりわからない。
たぶんなぜ止まったのかと騒いでいるのだろう。
外にでてきたら、操舵室から船員が何人も出てきた。
これで、油を流しているこの船を見て、誰かが警察か、海上保安庁、港の管理会社に知らせてくれる。
釣りをしていた灯台がまだ見えるので戻る事にする。
意識を灯台に集中集中集中、アジ釣れなくなったのか家族連れが竿をかたずけて居る所だ。
あの船ここからも油が見え、スクリュウで廃油が広がりすぎ、やり過ぎた。
お父さんあれ油でしょう、油流して走ってるよ、と子供が言い出した。
隣の釣り人が子供の父親より先にきずき、あれはひどい公害だと言っている。
子供の父親も本当だと言い出した。
やがて回りの人もきずき色々言い出し、警察に言ったらと俺が言ってやったが、なかなか110番する人は居なかった。
家族連れの父親に110番した方が良い、と言ったら父親も本当だ警察、海上保安庁どっちだ警察は110番、海上保安庁はえーとなんだっけ。
何でもええわ110番や、と言って携帯電話を取り出した。
そんな時サイレンの音が聞こえて来て、近づいて来るのが分かったが、遠い所で止まったようだ。
誰かが110番していたようだ。
その後パトカーが近くまで来た。
パトカーから出て来た警察官に、あの船廃油を垂れ流していますよ、それにこの前を通る時にユンボや高級車が何台も乗ってましたよ、あの船密輸船と違いますかと言ってやった。
見えたんですかと聞いてきたので、甲板の上にシートを張ろうとしている時に見えました。
シートで上から見えない様にしているから、おかしいでしょう、何か隠そうとしている様に見えました。
そう言いながらここからは絶対見えないなと思っていた、でも嘘を言ってでも捕まえなければ。
船の船籍を聞いてきたが、たぶん中国船ではといっただけで分からないと言っておいた。
エンジンが止まっても船はもう遠くに離れ小さくしか見えなかった、暫くしてへりが飛んできた。
近くを旋回したのち船が行った方向に飛んでいった。 
船が見えなくなり何か終わった様に思えたが、海の色を見て真っ黒で虹色にキラキラしている。
不気味な色だ、やり過ぎた、まずかったな。
そんなつもりではなかったんだけど、俺の方が犯罪者か。
消防車がサイレンを鳴らしながら何台も来た、あまりにも多くの消防車が来たので釣り人も、港全体が騒然とした感じだ。
多くの消防車は油の処理にきたのだろう。
来た所に戻る事にする、帰るときは簡単だった、戻ろうと少し思うだけですぐ戻れた。
もう夕方自分はやぱり車椅子、あちこちに行っている時は普通に歩いていたのに自分に戻れば車椅子がなければ何処にも行けない。
何だか疲れた、身体が疲れている、身体に戻った直後には身体の疲れと心、意識の疲れはまったく違う事が解った。
これからは外に居るときは意識の旅行は止める。
自分に戻ったと思っていた事が、まだ意識の旅行の中だった。
うとうとしている自分に帰ったのはそれからだった。
テレビをぼんやり見ているとNHKで尖閣諸島のニュースが流れている。
なぜあのように中国は出てくるのか。
見方は簡単文句を言って取れる物ならとろうと、それだけだ、成熟していない国はそこを通らないと成熟した国になれないのだ、身体は大きいがまだまだ子供の考えかたで、じっくり物事を悟る様に教えないと、暴れて手が付けられなくなる。
身勝手なお父さんのアメリカを後ろに居てもらい、優しく、強く、徳しかない、何でも欲しい時期だから。
所で本当に日本の領土。
日中国交正常化の時に、田中角栄首相から中国の周恩来氏に、尖閣はと切り出したと聞いたけど。
尖閣に領土問題はないと言って来た政府だが、元田中角栄首相が、中国より先に尖閣を口にしたのか、その前から中国は何かの形で言っていた様だ。
何を言っていたか、マスコミ、政府、共に黙っている。
今の政府は何かに付け信頼できない、〔官僚が〕官僚の発展途上かな。
中国の海洋船と日本の海上保安庁の船が並んで走っているのか、見に行くか、でも行けるかな、もっと意識の集中が早くでき、自由に素早く移動が出来ないと無理かな。
それではまず、前に行った所で、ビルの屋上だ。
イメージだけで来られた。
どうやらイメージが出来れば移動が出来るようだ。
なかなかイメージがわかないのでとりあえず目で見た所に行く事にする。
東京までまずは行くか、田舎者だな。
ビルとか山とか、おもに海岸寄りを行き10回以上繰り返している内に、自分が、行きたい所に移動するのではなく、飛んでいるようだ。
行きたい所までも早くも遅くも自由に飛べる、瞬間移動も出来る、山や海や町を見ながら飛んで行く、普段見る事のない景色が眼下に広がっている。
鳥はこの景色を何時も見ているのか。
富士山が近づき伊豆半島が見える。
綺麗だ少し立ち止まって見ていると湖が見える。
地図を思い出し、あれはたしか芦ノ湖か、ちょっと近づいて見るか。
湖畔の公園に来た、周りには観光客より地元の人が多く見られ、のんびりした空間が広がっている。
俺もその一人としてその辺を歩く事にした、天気も穏やかで気持ちの良い日だ。
湖畔を歩いていると、湖の方から助けてと子供の声がきこえてきた。
声のする方を見ると犬が溺れている。
犬が溺れている、目を疑った、だが犬だ、溺れている様子だ。
子供達は必死で助けてと叫んでいる、俺は見ていて犬が泳ぎだすだろうとあまり気にせずいた。
しかし何時までたっても犬が溺れているのだ、このままほっておけばあの犬はほんとに溺れると思い水の中に入っていった。
助けてと子供たちが俺に叫んでいる。
岸から10メートルくらいの所で溺れている、歩いて近くまで行き、後2メートル泳いで犬が溺れている所まで来たが、この犬噛まないだろうなと思い前足を持ち上げたら、安心したのかおとなしくなったので、噛まない、とわかり、犬の胴体に手を回して持ち上げた。
犬はおとなしくしているので子供達に渡そうと、子供達に近づいた時、3人の子供が船から身体を乗り出し、手をいっぱいに伸ばして来た。
危ないと叫んだが、遅く、船はひっくり返り3人共に湖に投げ出された。
一人は自力で船に泳ぎつきしがみついた。
二人は泳げない、ばたばたしている。
犬を船に放り投げ、小学6年生くらいの女の子を助けてから、もう一人の中学生くらいに見える男の子を助けに行く、男の子の正面から行ってしまい、だめだと思ったがすでに抱き付かれていた。
振り払おうとしたが力が強く、しかも必死なので離せない、もがいている内に力が尽きてきた、水を飲み、俺ももうだめかと思ったら子供が俺を離し、俺を踏み台にして何とか水の上に顔を出そうともがき出した。
俺も夢中で地面を蹴り水面に出た、水を吐き出し大きく荒く息をして、暫くあたりを見て自分を取り戻すのに時間がかかった。
子供の方を見ると姿が見えない沈んでいる、いたと思える所に波がたっている、あそこだ、俺は潜ってそこに行く、子供はもう動いていない、ふっわと浮いている、胴体を持ち上げて水面に出すが、ぐったりしている。
後ろから、こっちと大きな声が聞こえ振り向くと船が近くに居て、男女が居た。
子供をその二人に渡しほっとするが、子供の意識が無いのが心配だ。
船につかまり二人を見ていると、女性の方が心臓マッサジを始めマウスツウマウスを始めた。
男性が俺に彼女は看護師ですと言ってきた、それを聞き少し安心した。
溺れてすぐだから何とか助かればいいが、ここは二人に任せて岸まで来た。
岸についた頃に男の子が息を吹き返した様で、船の上の男性がこちらに向かい、大きく手で丸を作った、俺も嬉しく大きく丸で答えた。
まずは東京に行こうと思い飛んできたが気が変わった。日本を見て見たくなたので上に飛ぶ事にした。
どのくらいの高さか分からないが日本列島全体が見えるところまで来た。
テレビで見るよりもっと大きく近く見える。
ここまで来ると尖閣諸島に行く事はどうでもよくなり、中国に行く事にする。
北京上海などに行き、少し上空に上がり、中国全土を見たが、都会の上空は薄い雲がかかった様に見え、あれがスモッグか。
そして世界を見たくなりチベット、ヒマラヤをこえる。
その時自分の高さが8千~9千メートルの高さで飛んでいるのが分かった。
イタリヤ、地中海、ヨーロッパの国々が見えてきた、と言っても国の境は分からない。
南に行くか北に行くか迷ったが北に飛ぶ、綺麗な町が続く、ロシアの上空を飛び北極そしてカナダ、アメリカ、ブラジル、オーストラリャ、一気にアフリカにまで行き、アフリカを北に上がりもう一度ヨーロッパを見ながら、モンゴル北朝鮮、日本に帰ってきた。
やはり日本は良いほっとする。
地球をぐるっと一回りすると地球が小さく感じる、そして、上空から人を見ていると人間って小さいな、人の心まで小さく思えた。
そんな中で色んな争いが起きている。
小さい限られた地球で人間が多すぎる、地球を回って人が居なかったのは南極と海の上くらい、でも船は多かった。
やがて地球は人間を養えなくなるぞ、人間だらけの地球だ。
そして尖閣諸島の上に居た。
沖縄からはずいぶん離れたな、頭の中で地図を見てあれが石垣島で台湾に、一番近い島が与那国島か。
尖閣諸島は日本の石垣島の距離と、中国との距離を見ると日本の方が近くに見え、尖閣から中国までの距離は倍ある。しかし小さい島だ。そんな事思っていると飛行機が飛んできている。
プロペラ機だ中国の飛行機だ。周りをよく見ると色々の航空機が飛んでいる。
5隻の船がひとかたまりになって進んでいる。
あれか、近づいて見ると国旗がみえ日本の船が2隻、中国船が3隻、日本の船が電光掲示板で出てけと言ってるし、中国の船はお前こそ出てけと電光掲示板で言っている、なるほど、でも上から見ていると何処が国境領海かまるで分からない。
島から何キロ、GPSなどで分かっているのかな。
そして日本の巡視船に乗り込んだ、船には、はかたと書いてある。
こちらから中国船を見ると、近い、中国船の乗組員がはっきり見える。
巡視船はかたは全員が船の中に居る、やはり緊張しているようだ。
中国側は平気で船の外を歩き回っているし、双眼鏡でこちらを見ている、中にはカメラで写真を撮ってる船員さえ居るくらいだ。
日本側と中国側との認識がまったく違う。
何かこちらからすれば少しは緊張するか、何が出来るか、銃で撃つわけにも行かないし、鏡で照らすくらいなら大事にはならないだろう。
船の中に入っていく、誰もいない、皆戦闘配置と言った所か、洗面所の鏡をはずし、外に出る。
船の外を歩くのは何でもない、見つからないように窓さえ気を付ければいい。
操舵室の上に行く、そこで腹ばいになり鏡を中国船にむけた。
はっきり太陽が反射している、双眼鏡でこちらを見ている船員に当てた、船員が双眼鏡をはずし下を向きうずくまるのが見えた。
双眼鏡で太陽を見たのと同じだろう、目を傷めたか周りに居る船員にも鏡で照らした。
予想外の鏡に照らされて驚いたのか、あわただしく動き始めた、鏡の反射を何か新しい兵器でも使ってきたと勘違いしたのか、すると、この船でヒュー、ヒュー、ヒュー、ヒューと、警報音が鳴り出した。
乗り組み員がさっきと違う動きになった、何か構えている様だそして船は大きく旋回しジグザグに走り出した、攻撃してくるようだ。
中国船に光と煙が見えた、その時に水面に水柱があがった。
機関砲か船には当たっておらず水面ばかり水柱が上がった。
威嚇射撃のように見えた、しかし、後ろの巡視船しきしまは、そうは思わなかった。
この船、はかたが攻撃を受けていると見えた様で、威嚇とおもわれる攻撃をしてきた中国船に向けて機関砲を撃ちだした。
命中している。
すぐに後ろの中国船2隻からしきしまに向かって機関砲が撃たれた。
この船、はかたも中国船に向け機関砲を撃ち、相手からも撃ち返してきた。
中国側から肩に掛けるタイプのミサイルを撃ってきた、巡視船はジグザグに逃げその間も撃ち続けている、何発かは当たり煙が出始めた、この船もミサイルが何発か命中している。
逃げるしかなくジグザグに舵をきりその場から離れた。
けが人も何人か出ている、しきしまも被害は出ているだろう、巡視船が沈まないのが何よりだ。
そしてその様子は海上自衛隊も、無線通信ですべて把握していた。
巡視船しきしま、巡視船はかた、2隻が撃沈されると判断した海上自衛隊本部は、自衛隊指揮司令室に連絡、防衛大臣そして総理大臣えと伝わった。
もちろんアメリカ軍にもちくいち連絡が取れていた。
海上自衛隊からしきしま、はかたに逃げろと言ってきた、しかし、それはもう無理で、すでに中国の巡洋艦から対艦ミサイルが2発発射された。巡視船しきしまを狙ったミサイルだった。
ミサイル2発を受けた巡視船しきしまは、間もなく沈没した。
これはまずいと、思った俺は上空にいた。
巡視船はかたにもミサイルが発射された、2発のミサイルを受け巡視船はかたも沈没した。
海上自衛隊は、中国巡洋艦がミサイルをしきしまに発射したのを確認し、中国巡洋艦に、対艦ミサイル発射の命令をだした。
40キロ離れた所に居た護衛艦いせから対艦ミサイルが発射された。
数十秒後には中国巡洋艦は2発のミサイルを受け撃沈した。
始まってしまった、もう止められない、誰のせいでもない、誤解から始まったようなものだ。
中国軍の戦闘機、艦船が海一杯に、空いっぱいに出てきた、しかし、自衛隊、そして、アメリカ軍が日米安保条約にもとずき参戦してきた、日本アメリカの武器兵器は近代化され、衝突して居る所すべてにおいて、日本アメリカが圧倒的に強く、アメリカの際立った強さわ、戦闘に慣れているそんな風に見える。
日本政府もアメリカ政府も海以外は広げたくなく停戦をしたいのが本音だった。
しかし、中国側は何処の戦線でも負けて、このまま停戦できない、敗者になるからだ中国の有利なのは陸上戦で、海上航空は得意ではない。
中国海軍、空軍ともに苦戦をしいられ、防戦一方になってきた。
あせっていた、そして弾道ミサイルを沖縄に向け発射したのである。
日本のイージス艦がミサイルを探知 した、アメリカのイージス艦もミサイルをレーダーで捕らえている、もちろん偵察衛星もだ。
大気圏に上がっていく弾道ミサイルに、日本のイージス艦が、迎撃ミサイルSM3を撃った。
3発発射したが当たらず、アメリカが大気圏でミサイルの撃墜をこころみたが当たらなかった。
間もなく落ちてくる弾道ミサイルをアメリカのイージス艦が迎撃ミサイルを発射した、1発、2発、3発、4発、5発と、当たるまで撃つと言った感じだ。
3発目で当たり空中爆発した。
しかし、中国側から一度に4発が発射されイージス艦も迎撃ミサイルを撃つが、迎撃したのは2発で2発が沖縄に落ちた。
弾道ミサイルが発射されたときには、日本政府は大混乱していた、アメリカも同じだ。
迎撃ミサイルが当たらなかった時、ミサイルにかかわっていた者すべてがもうだめだと諦めた、が核ではなかったのだ、通常の爆弾だった。
その報告をうけ日本政府、アメリカ政府はほっとした、ミサイルの発射基地を攻撃するしかない日本アメリカ政府が一致した。
中国内陸部にあるミサイル基地の攻撃にステルス爆撃機が沖縄から飛び立った。
アメリカ軍は巡航ミサイルをミサイル基地に向け発射した。
中国も、どこかで停戦を考えていたが、中国本土に爆撃がはじまった、この事が中国側に停戦の機会を逃す事になった。
中国側に少しでも有利な所がないと、停戦できない焦りがあり、ついに核弾頭を使う決意をさせる結果になってしまった。
そして核を積んだミサイルが沖縄に向け発射された。
5分もかからず沖縄の上空で爆発した。
それは水素爆弾で広島、長崎の千倍の威力だった。
沖縄の人はほぼ居なくなっただろう、犬、猫、牛,蛙、生き物、草、木さえ生きる物すべてが死んでしまった。
日本政府は何も出来なくなってしまった。
まさかが起こってしまった、アメリカ政府が核で反撃してくれると政府は思って居たがすぐの反撃はなく、日本は中国のミサイル基地を通常兵器で攻撃するしかなかった、そして2発目が発射された、九州福岡の上空で水爆が爆発し、九州が1発の水爆で壊滅した。
日本もアメリカもただ見ていた訳ではない、イージス艦からもありっだけのミサイルが発射され、迎撃ミサイルパトリオットも有るだけ撃ったが、むなしく1発も当たらなかった。
2発目の核兵器でアメリカ政府が核を使う決意をかためた。
そして常任理事国に伝えロシア、フランス、イギリスと電話で話し、アメリカの核攻撃を認めさせた。
アメリカは中国が無くなった後の事も考えていた。
戦争後アメリカだけが核を使ったと言われないように、他の国も核攻撃に加わってもらいたい、常任理事国の責任だと言い、ロシア、フランス、イギリスを説得した。ロシア、フランスが渋っていたが、九州に2発目が落とされたのがきっかけで、アメリカの要請にここたえる結果となった。
そして常任理事国ロシア、フランス、イギリス、アメリカ4か国の話し合いで核攻撃は3月11日北京時間12時に決まった。
国連常任理事国の声明が中国に伝えられた、3月11日北京時間12時までに停戦をする事、それが成されなければ我々国連常任理事国は中国に攻撃を始める。
中国はめんつが有り、世界を相手に勝てないから停戦しろと言われたくはなかった。
中国は日本に対し我々に屈服し停戦して下さいと、言わそうとしていた。
つまりこの戦争は日本としているのであり、あくまでもアメリカは日本にかたんしているのだから、日本が停戦しますと言えば、アメリカは停戦せざるをえないのだ。
日本が停戦したのにアメリカが戦争を続ける理由がなくなるからだ。
中国は日本に停戦をせざるを得ないように九州に核を落としたのだ。
日本政府もこれ以上の犠牲者を出すわけには行かなかった。
中国首脳があらゆるメデアを使い世界に発信した、我々が望んでいない方向に進みつつある、ここで中国政府は立ち止まり、停戦をアメリカ政府、日本政府に求める、日本はこの提案におおじるべきだ。
つまり、中国側から停戦する事は、面子があり、言えず、日本側から停戦して下さいと言わせたかった。
日本は沈黙した、すぐにはおおじられない、日本政府は中国の停戦におおじるべきか迷っていた。
世界の国が、今3月11日に中国に戦線を布告してくれるからだ、しかし、核攻撃があれば日本は無くなってしまう。
そして3月11日は来ていた、この日は中国にとって運命の日であるが、日本にとっても運命の日になる。
3月11日北京時間12時は世界100カ国位が戦線布告するからだ。
そうなれば中国はまず日本に核攻撃するのは明らかだ。
そして中国は核兵器を持ち、核弾頭を300基は有ると言われている100カ国が戦線を布告して、中国が停戦をしてくれたらいいが、しなかったら人類の終わりだ。
総理は日本だけでなく世界人類まで考えなければならない所まで来ていた。
11日北京時間12時までに決断しなければならない。
日本人も、世界の人々をも救わなければならない。
日本政府は北京時間12時前に受け入れず12時に核攻撃が始まれば、それを知った中国は核で反撃に出る300の弾道弾が世界に飛んで行くだろう。
総理は決断し世界にあらゆるメデアを使い発信した。
全世界にテレビも流れ、そして総理の演説が始まった。
私はこの危機を回避する為にあらゆる事をいたしました、しかし、沖縄そして九州の人々を失い、望まない方向に進み、これ以上の犠牲者を出させないと決意しました。
沖縄、九州の犠牲になられた人々に、この戦争を止める事が出来なかったことを、本当に申し訳ありません、と言って背広の後ろに隠し持っていたピストルを、米神にあて引き金を引いた。
時間はすでに12時に10分前になっていた。
テレビを見ていた世界中の人々が驚き、もちろん中国首脳も驚き指導者が自殺する事は考えられないからだ、日本の総理が自殺をしたことで中国政府が停戦におおじる事にした。
それを世界に向け発信するため中国首脳が縁談に上がり、演説を始めた時に、停電が起きた。
非常用電気にもなかなか変わらず時間だけが過ぎていった。
だれかがサイバー攻撃をして電源を全部落としていたのだ。
北京時間12時になっていた。
アメリカ、ロシア、フランス、イギリスから大陸間弾道弾が中国本土に発射された。
アメリカ50発、ロシア30発、フランス20発、イギリス20発と10分の飛行だ。
この10分を稼ぐために、サイバー攻撃を仕掛けたのだ。
そして中国首脳を混乱させるのに、日本の総理の自殺が結果的に後押しした事になる。
中国軍の各部隊はミサイルが発射されたのにきずいた。
しかし、サイバー攻撃で全部隊は混乱し、軍司令部にも報告が上がらず、もちろん首脳部にも報告されなく反撃の機会をうしない、10分がたってしまった。
そして北京上空で一発目の線光が走った。

意識の旅行

意識の旅行

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-05-13

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted