少女のナイフは小花を切り取る
一応短編のつもりで書いてみました。
ツイッターでフォローしているユーザー様をちょっとモデルにして。
ちょっと下に行ってくるわって彼女はドアを閉めた・・・
本棚と本棚の細い5mm程の隙間に、ノートを見つけてしまった。その表紙には、濃い青の色鉛筆で『短編集その二』と書かれていた。丸みを帯びていて、筆圧が強い字だった。くっきりとくぼみができていた。見覚えがある、まぎれもない、これは彼女の字だ。このちょっと、あれな…押し寄せるようなB型的な字は。それに見つけたのは彼女の部屋なんだ。
彼女は読書家ということになっていた。部屋には背の高い本棚が四つもあり、どの棚、段にも本がたくさん置いてあった。ほとんど聞いたことも見たこともないような作家の本ばっかり集めていた。有名なのが一つもなかった。あと哲学書も飾ってあった。ノートがあったのは、壁際の本棚と、その隣、二番目の本棚の隙間だ。隠しているというわけだ。本棚の隙間の奥に方に、小さくて黒くて薄いものが挟まっているのが見えた。
そこに光を当てなければ、絶対に見つけられなかったであろうが…私は先日、携帯のストラップにLEDの小型ライトを買っていたので、また、その隙間はちょうど私が腰かけている位置から右斜め前にあり(私は何でもない時に右斜め前を見つめる癖がある)、しかもその隙間は他の本棚の隙間よりやや広かったし、あと第六感、あと彼女はその時その場にいなかったし、ピン…! と来たわけだ。アレ ココニナニカアルゾ?って。
私は勝手に彼女の机から50cm定規を借りて、その黒いものを引っ張りだした。たぶんきっと、彼女がそうするのと同じように。比較的小さなノートだった。綴じてる端っこを黒いマスキングテープで加工していた。
短編集か・・・。
開いてみた。題『少女のナイフは→小花を切り裂くぜ』
その題名の下に、小さな小花がセロテープで生け捕りにされていた。米粒みたいな花だ。白い花びら、黄色い花粉、緑色の脆そうな茎が透明なものに押さえつけられて、止まっていうわ!? う、とっさに私はノートを本棚の隙間に差し込んだ。急いで定規を一番近いところ、ベットの隙間に差し込んだ。すでに……ドアの向こう側に、人が立っている気配がしていた。
・・・・・・・カ・・・チャ・・・リ
少女のナイフは小花を切り取る