能力ジャンキー

初めて執筆するんで寛容な目で見てください。お願いします

Fの能力

オレは日本人の父とエジプト人の母を持つちょっと変わった高校生だ。

名前は後藤・F・範明 今年で2年生になる。

身長183cm、体格はやせ気味だがイケメンだ。

オレが通っている高校は私立グンマー学園。オレは金をあまり持っていなかったからこの高校に特待で入ることにした。

頭の方は自称天才といったところか。まあちょっと頭のいい高校に特待で入れるくらいだと思ってくれていい。

こんなオレだが、他の人間にはない「能力」を持っている。能力の名は「アブソリュートストーンコントローラー」。石を操ることが出来る。

地味に思うかもしれないがなかなかいい能力だと自分では思っている。

そしてオレは今、一人の女に決闘を申し込まれているところだ。まあ返事も待たずにいきなり攻撃をしかけてきたが。

そいつの名前は周防天音。なかなかに美人なんでオレの嫁にしたいところだが、そいつも能力者だ。簡単にはいかない、

その能力は火を操る類のものらしい。というか火を操る能力者だろうな。鉄をも溶かすと言っているあたりなかなかに恐ろしい。

もし一度でもくらえばただじゃすまないことは明らかだな。

ちなみにこいつと戦うのは2度目。1度目はけちょんけちょんに倒してしまったのを恨んでいるのだろう。まあ、もう一度倒して落としてしまおうか。

天音「いっけええ!ファイヤーファイヤーブラスター!!」

2本の炎の玉がこちらに向かって飛んでくる。だがオレは石の壁を作り出しそれを防いだ。

オレは対象が石ならどんなものでも操ることが出来る。道端の石ころを集合させて壁を作ったといったところだ。

効かないと分かっているのに攻撃をしてくる。愚かな女だ。

F「無駄無駄。さっさと諦めてオレの彼女にでもなりなよ」

天音「今に見てなさい!ほえずらかかせてあげるわ」

F「はいはい」

天音は先ほどより大きな炎を作りあげ、こういった。

天音「分かってないようだから教えてあげる。私の能力は炎を作り出す能力じゃないの。

本当は自分の周りの空気の温度を調整することが出来る能力よ。超高温にした空気に特殊なカーボンを投げ入れることに

よって炎を作り出し、空気の性質を利用してあなたに炎を飛ばしていたのよ」

F「へ~え」

天音「さあ、くらいなさい、熱風よ!!」

熱風が直撃する。すると、Fの体が崩れ落ちた。

天音「な、なに!?」

F「気づかなかったのか?ちみが今まで見ていたものは石でできた俺の変わり身。

まあ小型マイクを設置して俺の声をそっちから飛ばしてたんじゃあ気づくはずもないがな」

天音はバッと後ろを振り返りFの姿を確認した。だが、熱風を作るのにはある程度時間がかかる。

天音「くっ、卑怯な・・・」

F「おとなしく負けを認めるんだな。でないと・・・」

そういってオレは石で作り上げた無数のピーを空中に浮かべた。

F「こいつを発射しちまうぜ~?」

天音「ひぃっ、負けました・・・」

そうしてオレは天音を落とした。なかなかかわいいやつだし結構気に入っている。

Fの明日

天「あなたの彼女になってあげるんだから浮気しないでよねっ」

F「はっ!?」

天「だって結婚するんだから当然でしょ。それに、他の女の子にちょっかいかけたら殺すから」

(まさかおれが気圧されるとは)

F「ハハハ・・・うん」

(こいつのプロフィールにヤンデレと追加しておこう)

こうして俺と天音は付き合うことになったんだが周りを見渡してみるとあちこちがひどく損傷しておりひどい有様でさらには、サイレンの音まで聞こえてきた。超能力と呼ばれるものはかつて神聖化され人々にとって善の象徴であったが、現代では疎まれていてもし捕まってしまったら、東の孤島にある能力者専用収容所・・・バベルの塔へと連れて行かれてしまう。そこでは、捕えられた能力者たちが過酷な労働を強いられ死ぬまで強制労働しなければならない。バベルの塔では何が行われていて、どうなっているかを知るものは誰もいない。

F「やばっ!!天音逃げるぞ」

そういって手を握ると天音は悦とした表情を浮かべていた

天「手を握ってくれた。もう離さない。だれにも渡さないフフフ」

聞かなかったことにした

少し離れた公園まで来るとようやく一息つけた

F「ふー。天音家まで送ってくよ。家はどこらへんにある?」

天「え、なに言ってるの?今日から一緒に暮らすんじゃない。あなたの家よ」


F「えっ」

オレは驚愕の表情を浮かべて情けない声が出た

天「ほら、早く案内しなさい」

F「ちょっと待て。なぜ一緒に暮らすことになっている?」

天「さっきも言ったけど結婚するんだから当然でしょ」

(こいつ口調に似あわずメルヘン処女か)

F「しょうがねーなー。荷物はどうするんだ」

天「今日はもう遅いし、明日とりにいくわ」

(明日は注目されること間違いなしだな。こいつ美人だし)

こうして俺の一日が終わると思いきや・・・

F「なんでいっしょにねてるんだっ。襲うぞっ」

天「夫婦なんだから当然よ。でも、初めてだから優しくしてね」

F「うっ///」

(その表情は反則だ。いつもの強気な態度とは裏腹に弱弱しい態度にうるんだ瞳。正直ぐっと来る)

天「恥ずかしいから早くして。お願い」

F「またあとでな」

(俺って意外とチキンなのか。まあ今日から付き合うわけだし当然だよな。明日も学校だし早く寝よ・・・良い匂いがして眠れん)

こうして俺は明日の学校に遅刻しそうになりながら眠い目をこすって天音と一緒に登校した

FのF

オレと天音は一緒に登校していた。

天音がチラチラこちらを見てくるが気にしないことにした。

学校までの道のりも半分くらいまできたころ、

???「お~いF~!」

F「ん?」

???「お前何やってんだよ!」

F「ん?なんだ剛士か。」

剛士「なんだとはなんだ。なんだじゃねーよ。お前その子は!?」

F「ん、あ~これはだな、」

天音「私はFの彼女で~す☆周防天音っていいます。よろしくね!」

剛士「え?え?彼女?まじ!?」

F「まあな」

剛士「うわ、羨まし~。あ、自分、小林剛士っていいます。天音さんよろしくですテヘヘ。」

天音「うん、よろしくね~」

~教室~

剛士「おいF!お前どういうことだよ!」

F「ん?なにが?」

剛士「なにがじゃねーよなにがじゃ。何彼女作ってんだよ。お前彼女作らないっていってたじゃねーか!俺たちの誓いを忘れたのかよ!?」

F「あ~悪い。なりゆきでな。実際彼女欲しかったところだし。」

剛士「うわなんだよそれ。くっそーお羨ましいぜえ~。」

ガララ、と教室のドアが開く。

先生「みんな、はやくしなさ~い。時間よ。」

剛士「お、美和子ちゃんじゃないか。今日もかわいいな~。」

美和子先生「ほらそこ、先生に向かってちゃんづけしない!」

剛士「は~い。(デレ)」

そうして体育館へ向かった。今日は始業式なのだ。

Fのクラス

F「あー、始業式かったるいなあ」

剛「そうだな。校長の話は長いし、立ってるのはめんどくさいしでいいことないなあ」

天「それよりクラスどうなるかな?Fと同じくらすがいいな」

ここグンマー学園では始業式の後で生徒たちのクラスが決まる。クラスより先に先生がどのクラスになるのかがわかるのだ。しかし、一つ特別なクラスが存在する。普通のクラスである1~12のクラスと特待生のクラスであるSクラスである。俺と剛士はそこのクラスに所属しているのでクラス替えは何の面白味もないのだ。

F「天音よ。オレはSクラスだぞ。こいつも」

天「えっ」

そのとき天音の体が固まった。

F「知らなかったのか。俺に挑んできたくせに(笑)」

天「先生に抗議してくる」

剛「それは無理だよ。天音さん」

天「大丈夫だよ。フフフ。私の愛は誰にも止められないから。フフフ」

その言葉に周りの意見が一致した。

周り「「「こえー。そしてリア充爆発しろっ」」」

F「ハハハ・・・」

剛「Fキャラ変わってないか」

F「まあな」

司会「続きまして、生徒会長の話です」

校長の長い話が終わって生徒会長が登場した

男子「「「会長ー踏んでくださいー」」」

女子「「「おねーさまーこっち向いてー」」」

男子「「「おれと結婚してください」」」

女子「「「愛してますー」」」

男子「「「俺たちも愛していますー」」」

(おいおい最初の奴はなんだよ。そういうのはふつう最後に登場するもんだろ)

この学園の生徒会長は男女問わずの熱狂的なファンを持ち、先生からの信頼も厚い超高校生級の生徒会長なのだ。また黒髪の女生徒が言うにはリア王らしい。その名前は杉崎千尋であり、おれの父の妹の夫の兄の娘である。

(びみょーな距離のけつえんのひとだよな。でも昔から面倒見てもらってたしなあ。最近は直接しゃべってないけど、彼女の話だけでもしとこっかな)

剛「相変わらずお前のねーちゃんすごいな。付き合ってくれないかな」

F「お前じゃ無理だろ」

剛「くっ、彼女が出来たからって調子乗りやがって」

こうして始業式は終わった。教室に戻るとなぜか天音がいた。

F「なんでおまえがここにいる」

天「ちょっと校長先生を脅、にお願いしたら変えてくれたんだ」

F・剛「・・・」

俺と剛士が固まっていると担任である大森美和子がやってきた

美「ほら、席についてHRはじめるわよー」

俺の高校生活はあれそうだなあと他人事のように思いながら時間が過ぎて行った

Fの幼馴染

言い忘れていたが俺には幼馴染がいる。そいつの名前は田中彩子。

幼稚園からずっと同じ学校に通っていて仲がいい。

可愛いいのもあってオレは結構気に入っている。

オレ、天音、剛士の三人で学校から帰っていると、彩子に出くわした。

彩子「あ~っ、のり君だ、おはよ~!」

F「ん。おはよ彩子。」

天音「ちょっと、誰あの子?」

F「ああ、幼馴染の彩子だ。いいやつだよ、仲よくしてやってくれ。」

天音「へーえ。」

彩子「のり君、誰その子?」

F「ん?あーえーっと・・・」

天音「彼女の天音ですっ!(抱きっ)」

彩子「え!?彼女!?のり君彼女いたの!?」

F「ああ・・・つい先日からな・・・」

天音「私たち、結婚もするんですよっ!」

彩子「結婚!?え!?そんな・・・。もう、のり君のバカ~!」

そういうと彩子は走ってどこかにいってしまった。よく分からんがまた会って話せばいいだろう。家隣だし。

天音は自宅に荷物を取りに行ったので、その間は剛士と2人だ。

これでようやく落ち着いて話ができる。

オレ達はオレの家でいつも通りに集まって話をした。

話の内容は、オレ達の能力についてだ。

言っていなかったが剛士も能力者だ。

私立グンマー学園は能力者を特待生扱いとして招きSクラスに入れている。

つまりSクラスの人間は全員能力者・・・そのおかげか天音もSクラスに入れたのだろう。

この事実はオレ達Sクラスの生徒、そして校長、そしてそれより上の人間しか知らないことだ。

それをばれないようにするために、オレ達Sクラスの人間は基本的に能力を使わない。

能力者は世間に疎まれているからだな。まあ穏便に過ごすに越したことはない。

オレと剛士は今日もいつもと同じような会話をした。

Fの系譜

F「そろそろ本題に入ろうか」

剛「ああ」

天「うん」

F「まず能力の確認からな俺は、石剛士は電気、天音は温度だな。そして千尋は水だ」

千尋の名前を出した途端すごい形相でにらまれ、ドスの利いた声で質問された

天「千尋って誰?」

F「生徒会長だよ。関係はオレの姉みたいなもんだよ」

(こえー。あんまり女子の話題は控えた方がいいな)

天「へー。じゃああいさつした方がいいね」

F「そうだな。後で行こうか」

剛「話それてるぞー」

F「ああ、ごめん。次に能力者の立場だ」

天「それは知ってるよ。ある事件をきっかけに世界中から狙われて、嫌われているんでしょ。事件の詳細は知らないけど」

剛「そうだよー。だがそれだけじゃない」

F「実は世界は二分している。一般人側と能力者側にな。能力者は数は少ないが強力だし、それに賛同者もいる。うちの校長と理事長がそうだ」

剛「そう。そして、ある事件を起こしたのは実は能力者側ではなく一般人側なんだよねー。一部の奴らが人工的に能力者を生み出そうとして暴走。そして、一部の地域が壊滅、今も人が住める状況ではない。それを能力者のせいにしたのが事件が起きた国の当時の指導者であるカイル・エルベルトだ」

天「えっ。あの聖人と呼ばれて当時破綻しかけていた財政を立て直したカイル・エルベルトなの?」

F「そうだ。そして事件後能力者の一斉摘発が行われた。それに怒った能力者側はある者は姿を隠し、またある者は能力を隠した。そこで能力者によるグループが出来上がった。その名をネメシスという」

剛「そこで尋ねるぞ」

F「周防天音よ。俺たちとともに世界に反逆する意思はあるか?」

天「えっ。Fたちはそこにはいってるの?」

F「ああ。オレの一族は世界を欺いて代々ネメシスのリーダーを務めてきた。俺も将来その役割を果たすことになるだろう。

剛「俺たちはFのほさをしてきたんだぜ」

F「改めて問う。お前にその意思はあるか。周防天音よ」

天「そこに入れば、Fと結婚できるの?」

F「まあ、入らなければ絶対にできないだろうな」

天「じゃあ入る」

剛「それが理由かよ。羨ましいぞこんチクショー」

F「じゃあ話もひと段落ついたところで、千尋の家に行くか」

剛「ああ」

天「うん」

Fの姉

ピーンポーン。

ピーンポーン。

???「はーい」

F「Fですけど、千尋さんいますかー?」

???「いないわよー、まだ帰ってきてないみたい。」

F「分かりました。ありがとうございます。」

千尋はいないみたいだ。

天音「今の人、誰?」

F「ん?ああ。千尋の母だよ。」

天音「ふーん」

剛士「それにしてもおっかしいなー、千尋さん、もう家についてる頃だと思ったのに。」

F「まあこういうこともたまにはあるだろう。」

天音「前にもあったの?」

F「ああ。そん時は確か学校の生徒会の仕事がなんたらかんたら。」

天音「ふーん」

まあ千尋は生徒会長だし、なんかの仕事を貰っていても不思議はない。

千尋を待つ間、近場の公園にいることにした。

・・・

・・・

F「千尋はオレ達がここで待っているということぐらい知っているはず。遅いな・・・もうすぐ2時間だぞ」

近くのスーパーで買った(剛士に買いに行かせた)アイスを食べたりして待っていたが、どうにも遅い。

F「電話するか?」

剛士「いや、千尋さんは携帯を学校に持っていってないはず。校則違反だとかいって。」

F「だよな~」

もうしばらく待って来なかったら学校までみにいくということになった。

F「ん?」

公園の外でドカンとか悲鳴のような音がした。

F「もしかして千尋か?」

案の定千尋のようだった。千尋は数人の男に襲われていたようだが、逆に返り討ちにしていたようだ。

???「ひぃ~っ!助けてくれ~!」

千尋を襲うのを諦めたのか、こっちに向かって逃げてくる男が一人。

能力者でない人なら味方してくれると思ったのだろうが、あいにくこちらは能力者。

そのような泣き言、聞く耳は持ってないということだ。

千尋「やれやれ・・・」

そういって千尋は鞄からペットボトルを取り出し、キャップを開けるとその中の水を逃げる男に向かって勢いよく打ち出した。

逃げる男「ぐわあっ」

男の背中に直撃し、男はそのままぐったりして動かなくなった。どうやら気絶したようだ。

剛士「ヒューッ!さすが千尋さんっす!ほれぼれしちゃうなーアハハハ。」

F「なにやってんだ。遅いじゃないか千尋。」

千尋はオレの近くまで来ると、いきなり脛を蹴ってきた。

F「いてっ!いきなりなにすんだお前っ!」

千尋「私のことはお姉ちゃんと呼びなさいといつも言っているでしょう!!」

Fの苦難

天「F大丈夫。あんた私のFになにやってんのよ」

そのとき千尋の眉がピクッと動いた

千「私のFですって」

その声色には多分の怒気が含まれていた

天「そうよ。私たちは夫婦なんだから当然でしょ。ね、F」

千「夫婦ってどういうことなのF。お姉ちゃんにちゃんと説明しなさい」

俺と剛士は千尋の怒気に当てられブルブルと震えていた

(やべー。あのねーちゃん見るの久しぶりだ。オレ生きて帰れるかな)

そんなことを思いながら何も話せずにいると唐突に剛士が話し始めた。そのことに感謝しようと思ってたら・・・

剛「経緯はわからないんですけど、天音さんとFは昨日から結婚を前提にしたお付き合いをしているらしいですよ」

(おいー。何いきなり地雷踏んでんだよ。火に油注いで楽しいのか)

そんなことを思って剛士を見ると、天音の手にナイフが握られていて剛士の背中に押し付けられていた

(剛士ごめん。お前も大変なんだな)

千「へー。そーなんだー。Fは今日はうちに泊まりでじっくりたっぷりねっとり話を聞く必要があるわね。今夜は眠れないと思いなさい」

天「あら。だめですよ生徒会長さん。今夜もFの家で一緒に寝る予定なんですから」

(もを強調するなもを)

千「今日もですって、あなた昨日もFと一緒に寝ていたの」

(やばい。ねーちゃんの怒りが増してる。どこかで話を切って逃げなければ)

天「ええそうよ。Fは優しくしてくれたわ」

千「なんですって」

天「だからFは私のもので異論も反論も認めません」

(オレ何もしてないのにどうしてこんなことになるんだろ。剛士は立ったまま気絶しているし逃げよう)

そんなことを思いFは剛士に心の中で謝罪しながらこっそりと逃げ出した

千「F、こいつの言っていることは本当なの」

振り向いたがそこにFはおらずそこにいるのは剛士のみで二人は怒りのオーラをまといながら公園を出て行った

そのころFは

F「彩子今日泊めてくれ。頼む」

土下座して幼馴染に頼みごとをしていたのだが、その幼馴染も怒っていたが口を膨らませる程度でとても愛らしかった

彩「いいけど。のり君の彼女についてちゃんと教えてね」

F「わかった。ありがとうな、彩子」

そう言ってほほ笑むと彩子は顔を赤くして「どういたしまして」と言って足早に部屋の中に入っていってしまった

(顔赤かったんだけどどうしたんだ。まあいいか)

F「おじゃまします」

そう言って家の中に入り平穏な夜を過ごした。明日とてつもないことが起こるとは知らずに

Fの思い

その日の夜、オレは部屋で彩子の隣で寝て天音のことを話した。

彩子はもう怒ってはいないようだった。

彩子「のり君、ほんとうにあの人と結婚するの?」

F「天音のことか?う~ん、別にする気はない。あ、このこと天音に言うなよ、何されるか分かったもんじゃない。」

彩子「あはは、面白~い。言っちゃおっかな~?」

F「お、おい、冗談とかじゃないんだ、本当に言わないでくれ。」

彩子「わ、分かってるよ~、言わないってば。」

F「な、ならいいんだ、ほっ」

彩子「あ、でもね、ひとつだけ教えて欲しいことがあるの。」

F「なんだ?」

彩子「私とあの子…どっちの方が好き。」

F「彩子だ」

彩子「え?」

F「彩子の方が好きだと言ったんだ。」

彩子「本当?」

F「恥ずかしいこと何度も言わせるなよ。本当に決まってるだろう。」

彩子「全然恥ずかしがってないじゃん…でも、ありがとう。」

F「なにがだ?」

彩子「私のこと好きでいてくれて。」

F「オレが好きで彩子を好いているんだ。感謝されるような覚えはないな。」

オレは幼稚園の頃から彩子と一緒だ。

両親が共働きのオレはよくというか毎日のように彩子の家に泊めてもらっていた。

彩子と過ごした時間が最も長い。彩子はオレのことをなんでも分かってくれた。

彩子とオレは親友だ。男と女でなんか変かもしれないが、オレと彩子は親友なんだ。

そしてオレは彩子のことが何より好きだ。

世界で一番好きと言ってもいい。

だが、カイル・エルベルトが起こした事件で、能力者は疎まれるようになって以来、オレは、オレ達一族は能力者としては世間で生きていけなくなった。

だから、オレは彩子とは結ばれない。能力者だとバレてもいけない。

オレはそのうちネメシスのリーダーになる。そうなったら彩子の近くにいられなくなる。

そう、オレの相手は彩子では駄目なんだ…。

そんなことを考えながら眠りに落ちた。

そして、次の日の朝になった。

Fの弁当

朝彩子と登校すると校門の前には般若が二人立っていた。他の生徒たちは避けるように校内に入って行ってる。

(やべー。完全に忘れてた。彩子を巻き込むわけにはいかないな)

F「彩子ここで分かれよう。またあとでな」

彩「うん。わかった。またあとでね、のり君」

そういってほほ笑むと彩子は校舎の中に小走りで走って行った。

千・天「「Fなんで昨日は逃げたの。教えなさい。それと、なんで彩子(あの女子)と登校してきたのか教えてもらうから」」

昨日とは打って変わって息のそろったせりふだった

千「昨日みたいに逃げたらどうなるかわかってるわよね」

天「あなたは私の夫なんだから隠し事をしたらねぇ」

そう言いながらだんだんと二人は距離を詰めてくる

(こえー。逃げたら何されるんですか俺は。それに天音の隠し事をしたらのあとのせりふめっちゃきになるんだけど聞いちゃいけないような気がする)

F「えーと・・・昨日は彩子の家に泊まっ」

彩子の家に止まったって言おうとした瞬間Fの意識は途切れた



気づくとベッドの上だった

F「知らない天井だ」

某有名なせりふを保健室と知っているのにつぶやくとドアから彩子が入ってきた

彩「のり君大丈夫?」

F「ああ、大丈夫だ。それよりも今何時」

彩「今は、お昼休みだよ。はい、お弁当。朝作ったやつだから食べて」

F「ありがとう、彩子」

そうして彩子とラブコメを繰り広げていると廊下からどたどたと騒がしい音が聞こえてきた。足音が止まったかと思うと、バンと勢いよく扉が開きオレがこうなった元凶の二人がドシドシとはいってきた。どうやら彩子との至福の時は終わりを告げたらしい

千・天「「F大丈夫?」

ふいにお前らのせいだろと言いそうになってしまった

F「ああ、だいじょうぶだ」

彩「じゃあ、私は教室に帰るね。お大事にね、のり君」

F「ありがとう、彩子。後で、弁当箱渡しに行くわ」

彩「わかった。じゃあね」

そういって彩子は保健室から出ていくとまた二人は般若となっていた。オレはまたかと思い。必死に言い訳を考えて二人に弁明をした。

そうしてそのあと特に目立った出来事もなく放課後を迎え、彩子のところに向かおうとしたら肩をつかまれた。

天「どこに行くの、F」

そういわれ振り向くと目のハイライトが消えた天音が立っていた

F「えっと、弁当箱を返し」

天「じゃあ、私も行くわ」

そういいオレの腕を強い力で抱きしめてきた

(胸が当たってるんだが力が強すぎてそれどころじゃないな)

そのころ剛士は昨日置いてきぼりにされて、警察に補導されていた

能力ジャンキー

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  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-05-10

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Copyrighted
  1. Fの能力
  2. Fの明日
  3. FのF
  4. Fのクラス
  5. Fの幼馴染
  6. Fの系譜
  7. Fの姉
  8. Fの苦難
  9. Fの思い
  10. Fの弁当