あの日の魔法

 登場人物紹介(今出てる主な人物)
主人公(女)
 名前 メグ・メルボン 
 魔能(ウォーターメモリー)
 水の動きを操る。水に触れた記憶を読む。

裏ギルド〈コンカァ〉
最強タッグ
 名前 リミト・グリタァ(男)
 魔能 (ジュエルラッキー)
 宝石に宿る力を使う。また、宝石を生み出す能力。

 名前 ケルビン・ケロイド(男)
 魔能 (シャドウメイク)
 影の造形。幼いときに火傷を負った右目で、影を操っている。右目を見た人間を、完全に操ることができる。

正規ギルド〈スクラップアンドビルド〉
スリークォーター
 名前 アライク・キーロック
 魔能 (クラッシュミュージック)
 破壊音の操り。目の前にあるものを、音で破壊する。空間のゆがみを生み出すこともできる。
 モードチェンジをして楽器を変えると、能力も変化する。音を使い直接相手の頭と通信を取ることができる。
 
 名前 レネック・ロイヤ
 魔能 (ブラックマジック)
 闇影の操りや暗闇の光を操る。相手の影を操り乗っ取ることも可能。闇光の魔法は、闇に落ち行 く者が使ってしまう傾向があってそのほとんどが自分の魔力に飲み込まれることがあるが、レネ ックは、それに負けない芯の強さがある。

生まれ育った町を背に、私が向かっているのはジュエリーシフという町

 ジュエリーシフはこの国で一番有名な町。
 私は小さいころから憧れていたんだ、その町で働くことを。
 
 この世界の人間は大きく2つに分けられる。
 普通の人間と魔法というすごい力を持ったもの。
 私はなぜか、魔法が使えた。両親は使えない魔法の力を、私は使えた。
 血が繋がってないんじゃないか。そういう噂もあって幼い私は、落ち込んでいた。
 でも、おじぃちゃんは
 「魔法は、心だ、血なんぞ関係ない。お前は笑っていなさい、明日はくるから。」
 そういって、私を励ましてくれた。そのおじぃちゃんは、魔法が使えぬ魔導士だった。
 14歳になり魔法学校に通うようになって知った、魔法を使える人が集まって仕事をする‘ギルド‘というものがある事を。
 そして、ジュエリーシフにはたくさんのギルドがあること。
 私は、少しでも人の役に立ちたいと思うようになった。
 魔法学校卒業後、18歳になった私は家を出た。
 ジュエリーシフに着いて、一ヶ月仕事を探した。
 学校に通っていたとはいえ、実践もない魔導士を雇ってくれるギルドは少なかった。
 やっと見つけても、条件や面接で落ちた。
 そろそろ仕事をしないと、持ってきた現金と貯金はなくなっている。
 家を離れたこの町には、頼れる知り合いもいなかった。
 そんな中、泊まっているホテルに裏ギルドという連盟非公認の集団が来てしまいホテルと町は大騒ぎだった。
 ホテルの従業人、宿泊客を人質にとって立てこもってしまっている。
 私も人質の一人になってしまった。
 裏ギルド。連盟非公認、所属人数不明、暗殺依頼、薬物調達、なんだってやってしまう。
 このホテルに泊まっていた魔道士は、私しかいないようだ。 
 魔導ホテルなのだが、魔法を使える従業員も戦闘魔法ではなく、調理魔法などの魔能しかなかった。
 戦闘魔法は使えるが、実際戦ったことはない。
 裏ギルド相手に下手に動いたら、混乱を招いてしまうかもしれない・・・・・。
 そう、おとなしく助けを待とうと思っていたときだった。
 「ここのホテル、旅行者に人気だから。きっと儲けが多くなるぞ。」
 「なに言ってんだ、目的は金じゃねーだろ!」
 んっ?お金が目的じゃないなら、なにが・・・・・
 「こんな、事件起こせば。きっと連盟のお偉いさんも動くだろう。」
 「あぁー、そういうことか。お偉いさんの気を俺ら三番隊、二番隊が引いてるうちに」
「連盟本部を潰すって計画ー。リミトさんとケルビンさんのタックなら、負けなしだしな」
 えっ!?ってことは、この裏ギルドって、コンカァ?
 今言ってた、リミトさんとケルビンさん。
 それって悪名で有名。宝石の詐欺師リミト・グリタァと独眼の影ケルビン・ケロイドなの・・・・?。
  もし、そうだとして連盟が攻撃されたら・・・。
 この町のギルドは連盟の補助で呼び出されるはず、だとしたら町はコンカァに好き勝手にされる。
 それを防ぐためには、ホテルを襲いに来たコンカァのこいつらをどうにかする必要がある。
 一人だけならなんとかなるかもしれないけど、裏ギルドの番隊相手じゃどうにもならない・・・・・。
 そう、策を練っていたところに。
 「すいません。正規ギルドスクラップアンドビルドのものです。」
 「えっ?」
 私は、びっくりした。振り返ると、見たことのある顔。
 「静かに。今はちょっと状況的にやばいので、名前だけとりあえず。僕は、アライクです。」
 「はっはい。私は、メグ・メルボンといいます。」
 アライク、アライク・・・・!
 スクラップアンドビルドのスリークォーターの一人?!
 冷静に考えた瞬間からドキドキが止まらなかった。
 だって、ちょー強いギルドで最年少にもかかわらず、スリークォーターに入っちゃってる人だよ!
 魔能雑誌でたまに特集してる写真集とかでも売上上位だし。
 彼氏にしたいランキングで3位だった。
 そんな人が、目の前に・・・・・。
 「これから、考えないとね。いろいろ・・・・メルボンさん?」
 「はっはい!」
 「とりあえず、いま参加してる仲間に落ち合わないと。ちょっとまってね。」
 「でも、連絡取れませんよね?」
 「大丈夫だよ。・・・・・・・・破壊音楽 機能変換 ベースモード」
 「え?」
 一瞬で魔法陣が彼を蔽った。
 「これで連絡取れるから。」
 彼は、楽器を手にしてそういった。
 「ベースメール」
 そういって、静かに目を閉じ弦をはじいた。
 すると・・・・・。
 「こんなとこにいたのね。」
 「あぁ。」
 「その子は?」
 「メグ・メルボンっていうらしい。ここに宿泊してた子だよ。」
 声だけかすかに聞こえた。
 「レネック、今どこだ?俺は二階中央ホール前の影にいる。」
 「気づかれてないでしょうね。」
 「大丈夫だ。それよりどうする?」
 「今は動けないわ、みんな侵入できてないもの。」
 「下手に動いても駄目ってわけか・・・・。」
 なに・・・これ?私は驚きで何もできぬまま座っていた。
 「その子はどうするの?」
 「メルボンさんは魔能もちだよ。」
 「なんで、そのこと・・・。」
 「わかるよ、だって魔力の匂いたっどったら君のだったから」
 「アライクが気づくってことは、結構強いってことかしら。」
 「い、いえ・・・。」
 「どんな魔能使うのかしら。」
 「水です。」
 「水かぁ」
 「あ、あの。私も協力できることありませんか?」
 「今のところはないかな。」
 「そうね、一般市民を巻き込むのは魔導士として駄目かな。」
 「私も、ひとの役に立ちたいんです。」
 「そーね。何かあったらお願いするわ。」
 「は、はい。」
 そのあと、しばらくは裏ギルドの様子を伺っていた。

あの日の魔法

なんか、いろいろわからない言葉があると思うのでここで紹介します。

魔能⇒魔法の能力の性質のこと
お金⇒この世界での通貨はギルダー(ギル)
裏ギルド⇒ギルド申請をしていない、解散命令を無視して活動を続けている。受けてはいけない依頼もやっている。
連盟⇒ギルドや魔道士を取り仕切る団体。ギルドの設立者(マスター)や評議員などが集結している。
スリークォーター⇒スクラップアンドビルドというギルド内最強魔道士3人で構成されているグループのこと。
グループ⇒仕事依頼などで、1人だとできないものなどを同じギルド内で何人かと組んで受けること。

あの日の魔法

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-05-06

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