とあるSMSの禁目次荘Ⅱ【アフターストーリー】

とあるSMSの禁目次荘Ⅱ【アフターストーリー】

あの禁目次荘が完結していないくせにアフターストーリ!

いや、絶対書きますから・・・・

完結出来なかったから・・・・・今回は日記形式でいきますよ、はい。

『禁目次荘アフターストーリー』


1



5月3日。禁目次荘の部屋の中は、一段と寒い。

そうだ、いくら北海道と言えどこの寒さは無いと思う。

流石に雪等は降っていないのだが、なんにせよ気温が低すぎる。例年に比べても分かるのだが・・・・・

「いくらなんでも寒すぎよね、全く・・・・・・・」

御坂美琴はレベル5の超能力者だ。

だが、それだからと言って寒さが防げるわけでもなく、家の布団に包まっているのだ。寒さには勝てないものだと決め付けている御坂である。

・・・・・かの第一位なら何とか出来るとは思うのだが。

「・・・・・・・ま、美琴の好きなようにすればいいさ」

ただ、と人吉善吉は続けて

「・・・・・食べた後に寝るのはいささか体に毒だと思うのだがな」

わかってるわよ、と御坂は少し眠気が削がれたようで、苛々した感じで返す。

しかし返事が無いので「あ、言い過ぎたかしら・・・?」と御坂は少し布団から覗くと・・・・・

「・・・・・・・お、顔出したな?」

ニヤニヤしていた。

人が折角心配してるのに!と御坂は憤慨して再び布団に包まった。

まぁまぁ・・・・・と人吉は慰めつつ、

「俺さ、今GWの課題してたんだけどよ、ちょいと気分転換にカラオケにでも行こうと思うんだが・・・・・・どうよ?」

人吉は少しベタかな?なんて思い、電撃が飛んできそうなので逃げる準備をしていたのだが・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・行くっ」

予想外の返事が飛んできて、少し驚いた。

だが。

「・・・・・・何よ、まさか電撃飛ばすとでもおもったのかしら?」

ズバチィッ!と前髪から高電圧の雷撃の火花が飛び散った。

おいおい冗談じゃないぞ、という目で怯えてみたのだが見透かされていたみたいだ。目が居座っている。

「ひ、姫・・・・・?どのようにすれば・・・・」

ホントに怖い、と一瞬でも思ってしまった自分が情けなく感じる人吉だった。

御坂はそうね、と言うと、

「一階の管理人室に淡希がいるわ。一緒にカラオケ誘ってきなさい。」

さいですか、と心の中で呟きながら一階に下りる人吉だったのだが・・・・

ガシィ、と。

学園都市第一位に似た最下位、八咫通行がニタニタしながらこちらを見ているではないか。

汗ダラダラな人吉が用件を聞くと八咫通行は楽しそうに、答えた

「よォ・・・・・・楽しそうな事してンじゃねェかよ、俺も混ぜやがれェ」

・・・・・・不幸だ。と心の底から思う高校生、人吉善吉であった。


2


カラオケにて。

心底お怒りの御坂が人吉を弄るために連れて行ったメンバーは、というと。

「俺あんま歌えねぇぞ・・・・・どうするかねぇ」

学園都市第二位のレベル5、垣根帝督。

「・・・・・・インちゃんなう歌うかな」

『グレムリン』の魔術師、雷神トール。

「今日こそメニュー全制覇するんだよッ!」

十万三千冊の魔道図書館、禁書目録(インデックス)。

「さて、歌よりもアッチが気になるとこだなァ・・・・」

学園都市最下位、八咫通行(ミルセラレータ)。

「私、もうsister's Noise歌えるわよー!」

学園都市第三位のレベル5にて、今回の計画の首謀者の御坂美琴。

「私、歌いたくないわよ・・・・・」

なんか知らないうちに連れたこられた座標移動のレベル4、結標淡希。

「・・・・・・・・・不幸だよな、上条並みに」

箱庭学園の高校生で淡希の恋人でもある、人吉善吉。

禁目次荘の住人と、とある高校生がカラオケで歌うとき、物語は始まる―――


トップバッターは御坂。

勿論曲は『only my railgun』である。

「お、やっぱこのイントロだよなー!」

垣根が言うと同時に曲が始まった。

―――放て!心に刻んだ夢を 未来さえ置き去りにして
限界など知らない 意味ない!
この能力(チカラ)が光散らす その先に遥かな想いを

歩いてきた この道を 振り返ることしか
出来ないなら…今ここで全てを壊せる

暗闇に堕ちる街並み 人はどこまで立ち向かえるの?
加速するその痛みから 誰かをきっと守れるよ

Looking!
The blitz loop this planet to search way.
Only my RAILGUN can shoot it. 今すぐ
身体中を 光の速さで
駆け巡った 確かな予感

掴め!望むものなら残さず 輝ける自分らしさで
信じてるよ あの日の誓いを
この瞳に光る涙 それさえも強さになるから

立ち止まると 少しだけ 感じる切なさに
戸惑う事 無いなんて嘘はつかないよ

宙(そら)に舞うコインが描く 放物線が決める運命
打ち出した答えが今日も 私の胸を駆け巡る

Sparking!
The shiny lights awake true desire,
Only my RAILGUN can shoot it. 必ず
貫いていく 途惑うことなく
傷ついても 走り続ける

狙え!凛と煌く視線は 狂い無く闇を切り裂く
迷いなんて 吹き飛ばせばいい
この心が叫ぶ限り 誰ひとり邪魔などさせない

儚く舞う 無数の願いは
この両手に積もってゆく
切り裂く闇に 見えてくるのは
重く深く切ない記憶
色褪せてく 現実に揺れる
絶望には 負けたくない
私が今 私であること
胸を張って 全て誇れる!

Looking!
The blitz loop this planet to search way.
Only my RAILGUN can shoot it. 今すぐ
身体中を 光の速さで
駆け巡った 確かな予感

放て!心に刻んだ夢を 未来さえ置き去りにして
限界など知らない 意味ない!
この能力(チカラ)が光散らす その先に遥かな想いを―――

「・・・・・・っと。こんなもんよね」

なんか歌いきった間がある御坂が採点を見ている中、インデックスがガツガツ料理を食べているのは別の話。

そして点数はというと・・・・・

『91点!声の抑揚やビブラート、音程などばっちりです!』

「うっしゃぁ!こんなもんよね!」

気分が乗ってきた御坂であった。

次は俺だなァ、と八咫通行は意気揚々とマイクを持ち・・・

「・・・・・・行くぜェェェェェェッ!!!」

曲は『魔理沙は大変なものを盗んでいきました』である。

わらにんぎょうにィ! わらにんぎょうにィ! わらにんぎょうにィ!
ごっすン ごっすン ごすンくぎィィィィッ!

壱弐参(イー アル サン) 壱弐参(イー アル サン)
one two three one two three
いち にぃ さァン!

壱弐参(イー アル サン) 壱弐参(イー アル サン)
one two three one two three
いち にぃ さァン!

壱弐参(イー アル サン) 壱弐参(イー アル サン)
one two three one two three
いち にぃ さァン!

eins zwei Guten Morgen (アインス ツヴァイ グーテンモーァゲン )
壱弐(イー アル) 壱弐(イー アル)
いちいちいちいち

ひふみ ひふみ ひふみ ひふみ ひひふッ! 
ひふみ ひふみ ひふみ ひふみ ひふふッ!
ひふみ ひふみ ひふみ ひふみ ひひふッ!
ひひひひひひひひひひひひひふみよひふみよッ!

DAWN TO DAWN TO DAWN TO DAWN TO DAWN TO……… DAWN TO 感じないわァ!
DAWN TO DAWN TO DAWN TO DAWN TO DAWN TO……… DAWN TO 痛くないわァ!

CHECK IT GEE CHECK IT GEE CHECK IT GEE………
UGG UGG UGG UGG UGG UGG UGG UGG UGG UGG………

上海 上海 上海 上海
蓬莱 蓬莱 蓬莱 蓬莱
仏蘭西 和蘭陀 西蔵 京都 倫敦 露西亜 奥尓良
(フランス) (オランダ)(チベット)(キョウト)(ロンドン)(ロシア) (オルレアン)

嫌いキライ loving
誰がダレガ can't be alive without you
どうしてなぜかしら why don't I miss you a lot, forever?

知らないわ そンな魔法
想いは伝えたらこわれちゃう
あなたとは違うから
ひとの心まで簡単に盗まないで

近いミライ turning
遠いオモイ can't be alive without you
どうしてなぜかしら why don't I miss you more, forever?

知ってるわ そンな秘密
いつでも胸の中叫ンでる
あなたとは違うから
ひとの心まで簡単に盗まないで

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

ごっすン
ごっすン
ごっすン
ごっすン

っこっこ
っこっこ
っこっこ
っこっこ

っこっこ
っこっこ
っこっこ
っこっこ

GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGG
GGGGGGィィィィィィィィィィィィィィィィィィイっ!!!!

「はァ・・・・・・・はァ・・・・・・・ッ!!」

必死のドヤ顔である。

しかし一同吃驚状態である。

「・・・・・面白い曲だね!私、気に入ったんだよ・・・・・ッ!」

あたふたしながらフォローするインデックスだったが、

『71点。息継ぎを正しく行いましょう。』

・・・・ッ。と、苦虫でも噛んだかのような八咫通行の顔に撃沈状態なシスター、インデックスであった。



出番は変わり、無類のインデックス愛撫友好会会長のトールが選んだ曲はと言うと、

『リンちゃんナウ!』

あー・・・・とインデックス以外が頷いた。

「高得点ねらうか・・・・・いくぜっ!」

インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!

(^ω^≡^ω^) おっおっおっおっ

インちゃんをぎゅーぎゅーしたいな じたじたするのを押さえ込んでぎゅーってしたいな
頭噛まれるのもアリだよ 噛んでいいよ インちゃん

インちゃんと二人で買い物に行くことになって、
なんでもない顔で「デートだねー」って言ってめちゃくちゃに意識させたい。

インちゃんの服はフードつきですが、
朝、こっそり猫耳仕様にすり替えて、いつ気づくかなーと思っていたら、
リンちゃんが出かけたのにぼくが気付かず、
夕方帰ってきたインちゃんが猫耳フードを握りしめて真っ赤な顔で睨んできたため、反省したい。

(^ω^≡^ω^) おっおっおっおっ

インちゃんをちやほやしたい。
ちやほやされ慣れてないインちゃんが挙動不審になるのを見て、
さらにちやほやしたい。ちやほやしたい。

インちゃんがPixivで「禁書目録 R18」で検索をかけるのを全力で阻止したい。

ボーマス会場ではインちゃんにチアコスしてもらいたい。
しかし、強烈な違和感を発するぺったんこな胸に無意識に目がいってしまい、
「も、もう着替えるっ」 と逃げ出そうとするインちゃんを必死にフォローしたい。

(^ω^≡^ω^) おっおっおっおっ

朝起きるといきなり成長していたインちゃんに、
どう接していいかわからずに食事中も言葉少なになり、
ピンクのお茶碗とか使わせてるのが何故か申し訳なくなりたい。
食後、お皿洗うねとか言われても
「あっぼくがやります!」とか敬語になりたい。

インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!

(^ω^≡^ω^) おっおっおっおっ

インちゃんがバイト禁止なのにメイド喫茶でメイドさんしてるのに出くわして、
ぎこちない姿を納めたい。

インちゃんがいつまでたっても敬語なので、
そのたびに「そんな緊張しなくていいよ」 「はっ、はい」 みたいな会話を毎回やりたい。

魔法少女か… って呟いてるインちゃんに
「インちゃんが魔法少女になったらマジックインだね」とか声をかけたくて、
でもきっと苦笑いしか返ってこないから我慢したい。

(^ω^≡^ω^) おっおっおっおっ

疲れて帰ってきたインちゃんがソファで隣に座って、
そのまま肩に寄りかかって寝てしまい、あたたかくなりたい。

インちゃんが目を閉じて唇をこちらに向けるので、
しばし動揺して迷って、それを表に出さないように、でこぴんしたい。

町で出会ったインちゃんはなんとメガネをつけており、
声をかけると 「普段はコンタクトなんだけどね!」 と
言い訳するけど、そのメガネも似合ってんじゃん、
と本心を口にしたところ、俯いて無言になられたい。

(^ω^≡^ω^) おっおっおっおっ

「ずっと前から好きでした」 ってメールをインちゃんから貰い、どきっとしたい。
「嘘つくなw」と送ると 「バレた?でもこんなメール送れるのキミくらいだからさw」
って返ってきてドキドキしたあと
「もちろん嘘!」 と来て、何も信じられなくなりたい。

インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!
インちゃんなう! インちゃんなう!! インちゃんインちゃんインちゃんなう!!!

「ふぅ・・・・・・やってやったぜ・・・・!」

『89点。声に抑揚を付けて歌えば高得点を狙えるかも!』

まぁまぁだな、とトールは満更でもない顔でマイクを置いた。

当のインデックスはあまり歌に興味を示していないようだが。

「・・・・・・・さて次は俺か?」

垣根の選んだ曲は・・・・・

『曇天』

あ、意外とマトモだ・・・・と一同全員が思ったのは別の話。

「あんま、歌う気にはなれねぇがな・・・・・」

鉛の空重く垂れ迂み
真白に澱んだ太陽が碎けて
耳鳴りを尖らせる

ひゅるりひゅるり低いツバメが
8の字なぞってビルの谷を翔る
もうじきに夕立が來る
曇天の道を傘を忘れて
歩く彼女は雨に怯えてる
ので僕も弱蟲ぶら下げて
空を仰ぐ


あちらこちらあんよは上手
珈琲屋に寄って一休み極めたら
掃れない掃らない

曇天の道をぶらりぶらぶら
歩く二人は足輕のごとく
危險好きの誰かのふりをする
小心物共

曇天の道を傘を忘れて
歩く彼女は雨に怯えてる
ので僕も弱蟲ぶら下げて
空を仰ぐ

「ふぅ・・・・・・ま、こんなとこだろ」

文字通り、ポカーンとする一同だった・・・・

そして点数はと言うと、

『98点!文句なしの歌唱力です!』

予想外にハイレベルな点取り合戦に結標&人吉ペアはドギマギしていた。

「(お、お前から歌ってくれよ・・・・頼むって!)」

「(嫌よッ!絶対からかわれるから・・・・・)」

と、ごにょごにょ言ってる二人を尻目に御坂が

「・・・・・もう!ちゃっちゃと決めなさいよね!全く・・・」

勝手に曲を入れてしまった。曲は『winding road』である

「は、はぁ?!美琴、これデュエソンじゃんッ!!」

「えっ・・・・・!?」

二人が驚愕するまもなく、曲が始まった。

―――――曲がりくねった 道の先に
待っている 幾つもの 小さな光
まだ遠くて 見えなくても
一歩ずつ ただそれだけを 信じてゆこう

すべてを愛せなくても ありのままの心で
何かをただ1つだけ
愛し続けてる人 その誇らしげな顔には
何にも負けないほど大きな 優しさが溢れ出している

曲がりくねった 道の先に
待っている 幾つもの 小さな光
まだ遠くて 見えなくても
一歩ずつ ただそれだけを 信じてゆこう

握りしめた手のひらじゃ なんにも掴めやしないと
開いた指の隙間から
いくつか手にしたままの 夢や憧れの種が
僕にだけ気づいて欲しそうに 明日へと芽を出してる

逃げ出して 昨日よりも
ぶつかり合った今日に こぼした涙
立ち止まった自分を連れて
夢見てた あの日の僕に 会いに行こうか


曲がりくねった 道の先に
待っている 幾つもの 小さな光
まだ遠くて 見えなくても
一歩ずつ ただそれだけを
正しさという狭い出口を
くぐれない想いが僕を奮い立たせる

LaLaLa・・・・

振り返れば ただ真っ直ぐに
伸びていた 今日までを辿る足跡
曲がりくねった 道の先に
夢見てた あの日の僕が 待っているから・・・――――――

「・・・・・・・・・何よ、美味いんじゃないのアンタ達。」

「弄ることは出来ねェ位の美味さだなァ・・・・・」

二人が驚愕する中、結果はというと・・・・・


『総合点数―83点・・・・・・・抑揚   72パーセント
               安定性  65パーセント
               テクニック86パーセント』

中々の出来だったため、少々敗北感に打ちひしがれている二人を見て、

「まぁ・・・・・・上手く歌えたし、良かったのかな?」

と人吉は月並みだがありきたりな台詞を言ったのだった。


その後・・・・・約4時間ほど歌い解散し、人吉&結標ペアと御坂&八咫通行ペアは夕食、買い物をしていたのだ。

そして蒸し暑い昼とは違う(今日は寒かったが)、夏特有のいい感じな暗い夜道を四人は歩く。
・・・・・つまり現在帰り道である。

「・・・・・・・今日は弄れなかったなァ」

八咫通行は嫌味でも吐くかのように呟いた。無論、御坂も同様な気持ちなのだが。

しかしこの二人が一番楽しんでいたような気がする、と思ったのだが人吉は「言ったら殺されかねんよな」結標とアイコンタクトを取った。

「でも、まぁ・・・・・皆楽しめたんだし、それでいいんじゃないかしら?」

結標のもっともな意見に納得したのかどうか、黙り込んでしまった。

と、いきなり走り出した御坂と八咫通行。

ふたりが?マークを出していると・・・・

「おいッ、競争だぜェ!糞野郎ォ!・・・・・負けたら罰ゲームだァァァ!」
ビクッ!と、二人の方が動く・・・・・・それが合図だった。 

結標は座標移動、御坂はコンクリートの磁力を使いダッシュを補助、八咫通行はベクトルダッシュをして我先にと言わんばかりに走り出した。

「はっ・・・・・・?!」

と、人吉が気づいた頃にはもう三人は見えなかった。いかんせん、ボーッとしている場合ではないのだ。

「ちょっ、まてよお前らッ!能力はずる・・・・っ、あーもうッ不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」



5月3日。今日はとても愉快な日だった。  

『禁目次荘アフターストーリー2』


1


5月4日、午前7時半、天気は雨。

禁目次荘の203号室。.....ポツポツと今にも雨漏りがしてきそうな音を目覚まし替わりに、ムクリと嫌々そうに起きたのは.....学園都市最下位の八咫通行だ。

彼はとある理由でココ【禁目次荘】の住人なのだが、昨日の競争で脚に疲れが回ってきたようで主にアキレス腱を中心に太腿など筋肉がはっているのだ。

八咫通行はあの競争の後、負けた人吉を弄り倒していたのだが、調子に乗り調理酒をグラスに注いだ後(禁目次荘の住人は八咫通行以外全員未成年の為、普通の酒は無い)一気に飲み干すという馬鹿げた事をしてしまい、更に暴れて寝るまで手に負えないという始末であったのだ。

「............はァ、クソッたれがァ」

最も、記憶が飛んでいる八咫通行はそんな事を知る由もないのでイライラしながら二日酔いでガンガンな頭をかろうじて動かしながら考えていた....

と。そこへノックが掛かりガチャっとドアが開く音がして、

「八咫通行!今日から温泉へ一泊するわよ、すぐ出るから準備しなさいっ!」

バタン。と、ドアが閉まり隣の十万三千冊の魔道所図書館でもあるイギリス清教のシスター、禁書目録(インデックス)の部屋から御坂とインデックスの声が聞こえて来た。

「........はァ?」

正直、こちらは頭ガンガンな状態なのだが、今のウキウキ気分な御坂美琴を止められる人物は居ないと説に思う八咫通行であった...

同時刻、二人の高校生にも連絡が入っており、

「はぁ......んまぁ、やる事もねぇしな....行きますかね、っと!」

オレンジ頭が特徴的な男子高校生『黒崎一護』は予定もなくただブラブラするよりかはマシになるだろうと考え、とりあえず荷物を揃える為に巨大ショッピングモール、「セブンスミスト」へ向かった。

対して箱庭学園在学中の高校生『人吉善吉』は昨日の一件で酔った八咫通行等に弄られまくった(ナニをとは言わないが)為、体力の限界で自宅に帰る気力が無かったため、禁目次荘に泊まって行ったのだ。

そんな訳で今回は禁目次荘のメンバーと二人の男子高校生が交差する物語ーーーー

時は移り、午前11時半。

御坂一行は集まっていた。

「うっし、皆忘れ物とか無いわねー!」

ちなみに今回のメンバーは.....リーダー(?)で学園都市レベル5の第三位、御坂美琴

「..........................眠ィ」

そして現在絶賛二日酔い中の学園都市最下位、八咫通行。

「あのー.....ビリビリがヤケにハイテンションなのですが......コレは一体...?」

と、発言した後すかさず高電圧の電撃を浴びせられそうになるのは、ご存知とある高校の不幸な学生『上条当麻』。

「浴びせられそう」と言うのは、上条が右手に宿している【幻想殺し】(イマジンブレイカー)があらゆる異能の力を打ち消す能力だからである。御坂の電撃を防いだのはそのためだが....最も、御坂の怒り迄は流石の上条も打ち消せない。

「....お前ら朝っぱらから良くやるなぁ.....痴話喧嘩にでも見られてーーーーっておい....ッ?!」

咄嗟の電撃を交わしつつ、抗議しているのは、箱庭学園の高校生の人吉。

彼には上条のような能力は無いため、交わすしか御坂の電撃を浴びせられない手段にならないのだ。

「まぁまぁ....ほら早く行こうぜ?バスに乗り遅れちまうぞ....」

オレンジ頭が特徴的な高校生、黒崎は呆れた様子で返したが実際彼も上条と御坂のやり取りなどを面白がってみている、むしろ一番かもしれない。

と、この五人である。

そして一行はバスに乗り、第十五学区にある学園都市最大級の温泉ホテルへと向かった...


と。その一部始終を見ていたある人物がいたのだが...

「.....(コレはチャーンス...!お姉様の恥らう姿を見る為のチャンスとやらですの....ぐっへっへっ...黒子いきますのよ...ッ!)」

など頭の中で考えていたのは別の話。

御坂率いる御一行が学園都市最大級の温泉ホテルへ着いたのは午後12時半。

さっそくフロントで予約の確認をして、部屋に到着した。

御坂御一行の部屋番号は507である。

すると上条が、

「......あれ、部屋は別々じゃないのかよ?男女別の方がーーーーって、あ。そうか...」

そう、男女別にすると御坂は一人部屋になってしまうのだ。

それでも普通は男女別々だと思うのだが、と上条は口に出そうとしたがやめた。ビリビリされそうだからやめた。

「.......何よ、アンタ達...ジロジロ見て...?」

4人共、無意識に見ていたようなのだが実は「もし間違いが起きてしまったらどうしよう」と考えて、つい見ていたとは誰も言えずにいた。

「「「「な、何でもないです....」」」」

そ、と何だか呆れたように返事をした御坂であった。

ーーーー隣、508号室では...

「.....監視カメラはバッチリですの....このカメラは第七学区のとある方に作って頂いた特殊なカメラですのよ...何でも電磁波を出さないとかなんとか...っと、説明口調になってしまいましたの...」

と、いそいそと御坂を見ている風紀委員の白井黒子がいた....

さてその後、御坂御一行はこのホテルの代名詞でもある「温泉」に入りに行った。

この温泉は何と.......『露天風呂が混浴専用』なのである

付け足すと4人以上で入るともれなく【学園都市温泉製ラヴリーミトンのゲコ太ストラップ】がGET出来るのだ。

御坂がハイテンションな理由はコレである。

「では......本日御客様は5名様ですので、温泉限定のゲコ太ストラップをプレゼントします!」

此方も聞いていて気持ち良くなるようなハキハキとした喋りの後に、温泉受付係のお姉さんが御坂にストラップを渡した.....のだが、

御坂が嬉しさの余り悶絶しそうなのは別の話。

さて御坂の方.....女湯では、

「ふぅー....っと!気持ち良いわねー....」

一通り身体を洗った後に、ゆったりと湯船に浸かっていた。

ちなみにこの温泉、約20種類もの湯船があることでも有名な温泉である

さて、と続けて、

「電気風呂があるみたいだけど....ワザワザ電撃使い(エレクトロマスター)の私が入る事はないわよね....」

結局、薬湯に入る事にした御坂であった...

一方その頃、男湯では....

「いいか、電気風呂は最後に入るもんなんだよ!」

「いいや...泡風呂が最後だなァ...」

「八咫通行、お前案外子供っぽいんでせう......ってやめろやめろっ!!」

はぁ.....と、目の前の馬鹿三人の議論に呆れている黒崎であった......

が、

「.....お前ら、露天風呂を忘れるなよ?」

やはり黒崎は黒崎である。.....ここに馬鹿四人同盟(覗きの為の)が結ばれるのは別の話。



場所は替わって露天風呂。

ここは主にカップルの憩いの場としても使われる所でもある。

....と、馬鹿四人同盟が入っていると、よく見慣れた姿が目に入ってくる。

いつもと違う格好であり、その華奢な身体のラインが浮かぶような巻き方で少し丈が短いバスタオルが身体を包みこんっいて出る所はまだ発展途上なのだが丈が短いバスタオルから露出している太腿が魅惑的である

「.....ビリビリってこんなエロかったっけ?」

顔が真っ赤な御坂を尻目に言ってはいけない発言をしてしまった上条であった。

しかしもう手遅れ.....ではなかった。

なにせココは公共の風呂場なので、うかつに電撃を浴びせればほかの人に感電しかねないのだ。

その後、馬鹿四人同盟がNG発言を連発して御坂がのぼせそうな勢いで顔真っ赤になったのは言うまでもない。

さてその影でこっそり見ていたとある人物、白井黒子はというと・・・・

こっちはホントにのぼせていて、溺れてしまっていた。

・・・・・・・・・・・・・・・御坂の見すぎである。

午後8時。御一行が風呂から上がって食事を済ませてからゲームコーナーで卓球やホッケーなどをしていると、お店の人からとあるチラシをもらった。

「ふぅ・・・・私の勝ちね・・・・・・・・・って、ナイトパレード?」

汗をタオルで拭きながら、大覇聖祭のような物だろうか?と御坂は推測する。

「はぁ・・・・・・喉乾いたわね」

グイッと、ゲームコーナーで買ったスポーツドリンクを飲んだ。

「・・・・・あれ、私こんなに余してたっけ・・・・・ッ?!」

飲んだ途端に体が熱くなる。スポーツドリンクとはこのような物だっただろうか、とフラフラな頭で考えるが体が言う事を利かずにその場に倒れこんでしまった。

思考回路の全ての自由が効かない。思うが侭、されるがままな様な感じが体を司る。

何だろう、この高揚感は。目の前が霞んで見えるような、頭の中で弾けてしまいそうなこの快感は――――

「―――――――sかっ―――――――m坂っ・・・・・御坂ッ!!」

はっ、と。目の前の黒いツンツン頭が見えた、と同時に・・・・・・幻覚だろうか?後輩の姿が見える。

辛うじて動かせた腕で目を擦ったが・・・・幻覚ではないようだ。

では何故?・・・・・・と考えてると、目の前に後輩がやって来た。

「―――――――――――――――ごめんなさいですのっ!」

謝られた。・・・・・・ここで御坂は「あぁ、この後輩が私のペットボトルと後輩の持っていた同じペットボトル(媚薬入り)を入れ替えたんだな」と推測した。

だが何故素直に謝っているのかが不思議だ。何時もならもっと暴走しているはずなのに、と冴えない頭で考えた・・・・・・

上条に運ばれて意識がハッキリとしてから聞いた話だが、何でも御坂が倒れた直後に白井を見つけて四人で脅したらアッサリ口を割ったらしい。聞いてもいない監視カメラの件まで話してくれたらしい。

「全く、傍迷惑な話よね・・・・・・・・・オマケにナイトパレードに行けなかったし。」

と、残念そうにチラシを見る御坂。

「こっから見えないもんかねェ・・・・・・ン?おいオリジナル、ありゃ花火じゃねェか?」

え?と、全員が窓を見渡す。

すると、窓一帯に溢れんばかりの光と共に花火が見える。

「おい、窓開けようぜ!!せっかくこんなでかい窓なんだしよ!」

という人吉の一言により、窓を全開にした。

「・・・・・・・・・・綺麗だな」

黒崎は感動しながら言う・・・・・それもそのはず。


大覇聖祭の時に負けないくらいの花火が窓全体に映し出され、まるで窓が一枚の巨大なキャンパスに描かれる花火と言う名のイルミネーションがかわりがわりに写っていくのだから。

鮮やかな絶景。咽かな空気。これ以上に最高な物はない。

「・・・・・・・・・・・・・ホント、来て良かったわね。」


2



その後、トランプなどをして遊びつくした御坂達はアッサリと寝てしまった。よほど疲れていたのだろう。

そして、朝帰りをした御一行。

「それじゃ、俺達はコッチだから・・・・・んじゃぁな。」

人吉と黒崎はそれぞれの自宅へ。

「私達も・・・・・・・・帰ろっか?」

そうだな、と八咫通行・上条は頷いた。

5月4日。今日は最高な一日だった。

―――――余談―――――

ここからは余談です。ページ稼ぎとか言わないで、マジで・・・・

あ、ちなみに5月5日分にも含まれます、今回の話。

・・・・・ほら、最後のチョットがあるじゃない。

あれで許してくださいマジで、はい。

さて余談と言うのは御坂たちの設定について。

アフターストーリーだからって禁目次荘と同じ設定じゃないんですよー・・・

まずは住居。

禁目次荘に住んでるのは、

管理人の『トール、垣根、結標』と住人の『御坂、八咫通行、上条、インデックス』です。

人吉は同じ第七学区に住んでる設定です。

黒崎は第十一学区にすんでます、ひっそりと家族四人で、はい。

ちなみに禁目次荘メンバーの号室は、

201、上条。

202、インデックス。

203、八咫通行。

204、御坂・・・・・・・です。

まだ細かい設定は決まってないのが現状ですが・・・・・

後は皆さんが知っている原作設定です、全員。

あ、蛇足っていうかネタバレですが黒崎と人吉はいつか禁目次荘メンバーになるかと・・・・・。

余談は以上です。次からはきっと本文です、はい。

とあるSMSの禁目次荘Ⅱ【アフターストーリー】

とあるSMSの禁目次荘Ⅱ【アフターストーリー】

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-05-03

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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