詩集1

きっとそれは僕だ

夕焼け色に染まる空は

どこか懐かしくて

僕を癒やしてくれる


知らないはずの光景を見て

居心地よく感じてしまうのは

どうしてなんだろう?


知らず知らずと流れる涙に

正体不明の感情と記憶は

こうも悔しいものなのか?


名もない空間で声を出した

響いたのは悲しみと憐れみ

誰かがぽつりと寂しそうに

僕のココロが寒いと言う

僕はそっと手をのばした

痛くないはずなのに痛い身体

哀しくないはずなのに哀しいココロ


いつからこうなった?

突き刺さる視線を辿っては

いつも誰かの目を気にしていた

そうしてたどり着いた先に

一体何があったのだろうか?


ああ、過去の自分よ

己の意志を持たずとして

一体何処へ行こうとする?


理想や夢を追いかけて行く路に

どうして後悔がないのか?


夕焼けの空はやがて夜へと変わる

薄い闇が僕を包み込んで

優しくも不気味に

だけど悲しく笑った空は

きっと貴方の将来ね、と

小さく誰かが言った

詩集1

詩集1

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-05-01

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