ドール

女目線の詩。
吐しゃ物。

なぜわかってくれないの？

今日見かけてしまったの
あなたと楽しそうに手をつなぐ女の人を
ショーウィンドウ越しに覗くわたしなんかに気付くことなく
他愛のない話で盛り上がりながらそこの角に消えたの

その日耐えられなくてあなたにメールを投げちゃって
あなたはわたしに「急にどうしたの？」なんて言うの
そうねわたしには関係のないことなのだから
「ううんなんでもない」って言ってしまうんだ

なぜわかってくれないの？
そんなことばかり思っちゃって
幸せそうなあなたの顔が頭に焼き付くの
あなたが何も想ってくれってないってわかってるのに
なんでこんなに切ないのだろう

ふとした時に思い出すの
わたしの前を過ぎていくあなたの横顔を
そしたらわたしは頑張らなきゃって
一体何を期待してるんだろうね

絶え間なく過ぎていく時間
埋まることのないあなたとの距離
今日もあなたのことを想っては
ひとり憂いては枕に顔を埋めるの

なぜわかってくれないの？
どうしようもないのこの気持ちは
わたしの隣で幸せそうに笑ってよ
あなたの愛しい人が私じゃないのは知っているから
夢の中だけでもキスさせてよ

いつでもあなたがわたしの中にいるの
いつでもあなたがわたしを幸せにするの
いつでもあなたがわたしを苦しめるの
なのになぜあなたはわたしに無関心なの？

言っちゃいけないのはわかってるのよ
だってあなたには愛しい人がいるのだから
言っちゃいけないのは知っているの
だってそれはわたしじゃないのだから

あなたにあわせる顔なんてないの
あなたの前じゃ嫌な女になりそうだから
わたしはきっとあなたの恋人の文句を言うわ
なにそれとなく無意識のうちに「別れて」って願ってるから

でも嫌われるのだけは本当に嫌なの
いつだってあなたを好きでいさせて
愛しくて愛しくて仕方ないんだよ？
この気持ち隠してるの大変なんだから

なぜわかってくれないの？
伝う涙よ
あなたに微笑んで
バカなままでいいから
どうかわたしにも微笑んで

こんなかんじかなー？って。
いや、ぼ、僕じゃないですよ？