ツギハギ
ただ、自由が欲しかった。
継ぎ接ぎだらけのマリオネット
そんなにあわててどこ行くの
破けた服に紅茶のシミ
壊れたカップは置き去りのまま
悲劇を演じるマリオネット
からだもこころも継ぎ接ぎだらけ
命をつなぐ糸の音
ギシギシ ギシギシ 軋んでる
「もうすぐお別れの時間かしら」
ぽつりとつぶやく舞台の片隅
ほつれた縫い目の隙間から
あふれ出るのは悲哀の音色
右手には砂の心臓
左手には宝石の涙
見上げた空に輝きはない
「ここは舞台という名の檻の中」
降り注ぐ声は音もなく
最後の糸を断ち切った
ツギハギ