『告白のタイミング』

あの人が好き。

日を増すごとに気持ちが強くなっていく。


家の近所であの人を見かけた。

…………あの人と似た髪型の人だった。


嫌われているのはわかっている。

嫌われるようなことしかしていないから。


だから、

告白するのは自分が後悔しないため。

自分が、

すっきりするため。


でも、考える。

あの人になるべく迷惑をかけないタイミングはいつだろう。


一人のときに言うのは当たり前。

問題は、

どんな状況なのかってこと。


移動中。

食事中。


バイト先のあの人と会える回数は多い方。

だから、

最適なタイミングを探してしまう。


昼食時より帰宅時。

毎日会える週よりも、会うまでに日があく週。


ふられるのはわかっているから、自分が傷を癒せる日を探す。



……あの人が、辞めてしまう可能性がでてきた。

バイトのときに会えなかったら、もう二度と会えない。


自分の気持ちは伝えたい。

だから私は考えを改めた。


告白するチャンスを待つんじゃなくて、

チャンスを作ればいい。


うだうだと悩まない。

自分が、どうしたいかが重要。



私はもう、チャンスを逃がさない。

『告白のタイミング』

『告白のタイミング』

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2013-04-23

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