紅茶とジャムに平和を添えて

偶にはのんびりしてみる、彼女達の話。

透明な琥珀色の紅茶に、スプーン一杯のジャムを添えて。さぁ、お茶会にしよう。


「こういうの、ロシアンティーって言うんだっけ?」

 大学からの帰り道にある、落ち着いた雰囲気のカフェ。
すでに店員の人に顔を覚えられているほどには通い詰めているお気に入りの場所に、今日は珍しく友人と二人で訪れていた。いつもは、書きかけのレポートや、授業の予習復習をするために一人で来ているのだけども。

「こういうのって?」

「紅茶にジャムを入れて飲む飲み方の事。」

 いつもは、適当なコーヒーにケーキなどを食べている私。けど、せっかく友人と二人でのんびりできるのだから、いつもの違ったものを頼んでみようと思った。そうして、メニューの中でふと目に留まったのが、このロシアンティー。

「商品名はそう書いてあったし…そうなんじゃない?」

「じゃあ、そうなのかな。」

 窓際の暖かい席。今にも寝てしまいそうな心地よい環境で、友人とほのぼのとした日常会話をする。きっと、こういう時間を幸せというのだろう。

「ま、美味しいからいっか。」

「ホントに、相変わらず興味があること以外無頓着だね」

 直ぐに疑問を持つ割には、興味をひかれること以外無頓着な、友人の相変わらずの性格にあきれながらも一口紅茶を口にする。

 口の中から広がった程よい香りに、こんな日も悪くないと内心で呟いた。

紅茶とジャムに平和を添えて

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紅茶とジャムに平和を添えて

一杯の紅茶にジャムを添えて、お話ししよう。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-04-21

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