ごめんなさい

1

小学生になる前、両親が離婚した。離婚するわけも小学生ながらわかった。暴力だ。夜中に帰ってきては母に暴力をふるう。私達が泣いていても容赦はない。無力な私は何の力にもなれず、ただただ泣くだけの毎日だった。
幼かった頃のそんな思い出もまだまだ鮮明に残っている。人間というものは怖い。その頃は何を考えているのか全くわからなかった。わかろうともしなかった。

2

月日は流れ平和な日々が続いた。でもここからが最悪な人生の始まりだった。私はこれから先どれほど苦しむか予想もしなかった。
物心つき始めた小学高学年。徐々に自分の居場所がわからなくなった。というのもイジメを受けていたわけではない。ただその場にいることが辛くなった。
仲良しの友達と私を入れての4人組で遊ぶことが多くなった。でもその中で私は常にぽっかり浮いていた。友達は3人ともテレビが大好きだったのだ。私は家に帰ってもテレビが見れず、いつも話についていけなかった。自分がわからない話ばかりで嫌気がさした。意味もなく苛々して周りにあたった。
狂い始めたのはこの時からだ。私は人目を気にすることを覚えた。めんどくさい。うざい。うっとおしい。そんなことが思われているのではないかと考え始めた。でもまだ小学生だ。まだまだ先は長い。自分に大丈夫だと言い聞かせた。
信頼している幼馴染みユリがいた。ユリには包み隠さず何でも話した。ユリもたくさん話をしてくれ、私達の間に秘密はない、そう思っていた。もちろん裏切りなんてことは考えてもいなかった。隣のクラスにとてもわがままで偉そうでいじめっ子のミオがいた。正直女王様みたいで怖かった。ずっと思っていたが遂に耐えきれなくなり、ユリに言った。「ミオってちょっと怖くない?」。嫌いだとか、苦手とかは言わなかった。私もまだミオのことをよく知らないし、関わってもいなかったから第一印象のことしか言わなかった。少ししてから私はミオに呼び出された。理由はわかりきっている。ユリがちくったのだ。それも話を大げさに言って。「私のどこが怖い?どうして嫌いなの?」。嫌いなんて言っていない。はっきり第一印象が怖いと思ったと伝えてもミオは怒りが頂点に達していたので伝わらない。逃げ場はなくなってしまった。ミオには子分の様なアカリとナツがいた。常に隣にいて胡麻をすっている。私はアカリとナツと休みの日に一緒に出かけるぐらい仲がよかった。でもその日から遊ぶことはもちろん、話すこともなくなった。ミオの命令だ。「あいつむかつくから無視しよ」。これはミオの口癖だ。気に食わないことがあればすぐに言う。そして周りにいる子も自分が無視されたくないから従う。幸い仲の良かった4人組は見方でいてくれ、何とか小学生活を終えることができた。

3

中学生になった。相変わらず話に入れないことも多かったがいたって普通な生活の繰り返しだった。ただその中で変わってきたことが1つあった。自分の顔がとても嫌になったのだ。今まで考えたこともなかったけれど、いつからか「ブスだから」が口癖になっていた。友達とよく結婚したらとか、理想のタイプとかの話になった。もちろん私は「ブスだから誰ももらってくれない」の一点張り。心の底から一生1人だと思い込んでいた。
携帯でホームページを作るのが流行った。もちろん私も作った。プロフィールを書いて、日記をつけて、リアルタイムの状況を呟いたりした。掲示板やメール機能もあり、話したいけど話しかけれない先輩と絡むのにちょうど良かった。また他校の友達も一気にできた。その頃の私の楽しみは大好きな先輩や他校の友達とのメールだ。学校に秘密で携帯を持っていき、朝から晩までずっとメールをしていた。
2年になったある日、知らない人からメールが届いた。隣の中学出身の2つ年上の男だ。私はその男をマサと呼び、毎日メールをするようになった。私はマサの顔を知らなかった。だから写真を送ってもらった。「今は坊主になっちゃったけどね」と言って写真が送られてきた。中学の卒業アルバムの個人写真だけを撮った写真だった。はっきりいって私のタイプだった。モデルのようなかっこよさで私はますますメールをすることが楽しみになった。マサから真剣な話があると言われた。「付き合ってほしい」。生涯独身だと思い込んでいた私は驚いた。こんな私でもついに彼氏ができるのかと。今思うとこれは付き合ってると言わないだろう。でもその当時の私は嬉しさでいっぱいだった。もちろん、マサのプロポーズを受け付き合うことになった。毎日好きと言われ私は幸せだった。でもそんな幸せを一瞬で私はあるものを見てしまった。それはマサの本当の顔だ。いつものようにいろんな人のホームページを見ていたらマサが友達と開いている共同のホームページを見つけた。伝言板に見つけたよと書くといつものマサで、メールでも来てくれてありがとうと言われた。それは間違いなくマサのホームページだということを意味するのだ。アルバムのページを見た。写真の題名がずらっと並んでいる中から私はマサの名前を探した。1つ目を見つけたが題名とは違い、他の人の写真だった。期待が外れてしまい少しがっくりして次の写真を探した。2つ目も見つけたと同時にすぐに開いた。またもそこには別の人が写っていた。そこで私はまさかと思った。3つ目、4つ目も見ていくとそのまさかが的中しているとわかった。そう、マサは私に自分の顔を送ったのではなく、友達を送っていたのだ。私はショックを隠せなかった。現実が受け入れられず、マサにも言うことができず別れることにした。
よくマサの事を相談するカイがいた。カイも彼女の相談をしてきて、よく惚気あっていた。マサがいる時はカイのことは何とも思わず、ただの友達ぐらいの気持ちだった。でも別れてから変わった。傷ついた私を常に励ましてくれるカイに少し好意をもった。でもカイには彼女がいる。応援してるよと言っているのに好意をもつなんてと自分を否定した。カイとはよくメールもしていた。始めはたまにだったが、ここ最近は毎日になっていた。

ごめんなさい

ごめんなさい

私の今までを書いています。 こんな人もいるんだなってぐらいの軽い気持ちで読んでくれたら嬉しいです。 偏見をもつ人、苦手な人は読まないでください。 ゆっくり暇な時に更新します。 誤字脱字、変な文多いですがすいません。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-04-21

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