神の統制

神がいた。
この世の全てを意のままとする、神が。
神は世界をより良いものとする為に、悪を消し去ろうと考えた。

まずは悪人に対して罰を与え、善人には富を与えた。
人々が悪事を働こうと思わなくなるような世界を作り上げようと考えたのだ。
しかし、富を得た善人はその富に惑わされ、さらなる富のために悪事を行い始めた。
また、罰を受けた悪人は生きるためにさらなる悪事を働いた。

その様子を見た神は、自分自身と同じ力を持つ神を作り上げ、自らは神の座から退いた。

新たな神は、善人と悪人を分けて統治した。
悪が無くならないなら、別の世界へと隔離すればいいと考えたのだ。
しかし、善人だけの世界の人々は警戒心が薄れ、全てを信じるようになった。
そして、それを見て新たに生まれた悪人が利を得る世界に変わってしまった。

その様子を見た神は、自分自身と同じ力を持つ神を作り上げ、自らは神の座から退いた。

新たな神は、天国と地獄を作り上げた。
善人は死後天国へ送り、悪人は死後地獄へと送った。
その後天国と地獄の住人を転生させ、皆が天国を目指すために善行を行う世界を作り上げた。
しかし、文明が発達すると人々は神が存在しないのだと考え始め、次第に悪事を働く人間が増えていった。

その様子を見た神は、自分自身と同じ力を持つ神を作り上げ、自らは神の座から退いた。

新たな神は、悪事を行う人間を消し去っていった。
すると、世界には神しかいなくなった。

神の統制

どの神が世界には相応しいのだろう。

神の統制

神々の思惑。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-04-20

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