あの時の悪夢

ボーッと…ボーッとしていた。
周りは薄暗くて、まだ夢の中にいるようだった。
何もこんな気分の時に部屋に入って来なくても…
…あれ?部屋に鍵はかけたはずだぞ…?
直後、辺りは海の底に沈むかのように光が吸い込まれていった…

ラベル:悪夢

目を開けたら、そこは何処か分からない…うす暗い部屋の一角だった。
「キィッ…キィ…キィッ…キィ…」
部屋に何かが軋むような無機質な音が聞こえる。
「キュイッ……」
一際大きな音が聞こえた後
「コッコッコッコッ」
と、小さな音が少しずつ僕に向かって近づいてきた。
「コッコッコッココッ…」
その音が止まると同時に部屋の角からむず痒い視線を感じた。
「…ふごっ、ふごふ…ふごっ?!」
自分では「誰かいるのですか?」と喋ったつもりが、口元にある何かに邪魔をされ声にならなかった。
「ふふふっ」
聞き覚えのある笑い声が部屋に響き、部屋の角から懐かしい人物が現れた。
「お久しぶりですね…あ、口にガムテープが付いてますよ?……って、ふふふふっ…取れないですよね…だって、紐で身体を拘束してますから…」
彼女がそう言ったので慌てて身体を動かしてみたが、少しも動こうともしない身体に苦笑いするしかなかった。
そうやってもがいていたら、彼女は何が面白いのかひたすらに笑い声をあげていた。
「ふはっ、ふふふっ…っふふふふ」
「………」
「…っふふ、っ…ふっ」
少しは落ち着きを取り戻したのだろうか、笑い声が小さくなった。彼女は目から溢れる涙を軽く拭ってこちらを一瞥し、スグにいつもの凛々しい顔つき…にしては少し冷たい顔つきにしてこう言った。
「ツギハオマエガクルシムバンダ」
酷く冷淡で…感情というものが欠落してしまったのかと感じてしまうほどだった。
その言葉の意味は…果たしてどういう事なのか…
「オマエハ…モウスグ、シヌ…」
あぁ、そうか…僕はいらない人間だったのか……

あの時みた悪夢は…まだ
終わってなかったのですね…

あの時の悪夢

続編ですか…?
厳しいですね…

あの時の悪夢

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • ホラー
  • 青年向け
更新日
登録日
2013-04-19

CC BY-NC-ND
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