彼は生きてる、私の中で。第六章
同棲
そうと決めた私は毎日のようにお見舞いに行った。
彼も彼の家族も彼の担当医さんもいつも歓迎してくれた。
そんなある日,私はいつものように彼の病室に入ろうとドアの前に経つと彼と彼の担当医さんの会話が聞こえた。難しい内容で、大体は分からなかったけど最後に彼は担当医さんにこう聞いていた。「僕は後どれくらい自分らしく生きれますか?」と。
担当医さんは「持って一ヶ月です。」と言った。
一ヶ月…。たった一ヶ月で彼を彼らしくしていた物が消えてしまうんだ…
私は額然としながらも彼のために笑顔を作って病室に入った。
そして家に帰った私は彼のために何ができるかを考えてみたら、あのデートの日、彼は「できる事なら一生に一度くらいでいいから同棲してみたいな。」と何気なく言っていたの思い出した。
それだ。同棲だ。
彼は生きてる、私の中で。第六章