忘却の薬

それで博士、いったい何ができたんですか?

おおケンジ君!、待っておったぞ!
ここに2つの水溶液があるじゃろう?

博士、僕には1つにしか見えませんが

ありゃ、本当じゃ!
変じゃのう
まぁ、よい
2つの水溶液を混ぜると、驚くべきことが起きるのじゃ!

博士、それはどんなことですか?

記憶じゃ!、記憶を操ることができるのじゃ!

操るというと、過去の記憶を変えたり…ということですか?

もっと、簡単なことじゃ
記憶を無くさせることができるのじゃ!

忘れさせたい記憶を無くさせるなんてコト、僕は難しいと思いますよ?

その通り!、さすがはケンジくん、鋭いのぉ
ここにある試験管を反応させ、気化したガスを吸うことで、だいたい30秒程度の記憶を無くすことができるのじゃ!

30秒ですか、なんだか短い気がしますけどねぇ
例えば水溶液の量を多くすれば、もっと多くの時間の記憶も無くさせることも可能なのではないですかねぇ。

そうなのじゃ!、その実験をしてみたくてのぉ、それで君を呼んだのだ!

それで博士、いったい何ができたんですか?

おおケンジ君!、待っておったぞ
ここに2つの水溶液があるじゃろう?

忘却の薬

忘却の薬

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-04-17

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