遊戯王5D’s~アフターストーリー

遊戯王5D’s~アフターストーリー

チーム5D'sは見事イリアステルからネオドミノシティを救い、世界に平和が戻った。そんな世界で繰り広げられる世にもへんてこな遊星たちのアフターストーリー

4人で変則タッグデュエル編パート1

平和なネオドミノシティの海の上を、巨大なダイダロスブリッジが続いている。水面は静かに揺れていたが、やがて一台のD・ホイールが静粛を破る。
遊星「渇く……もっとデュエルがしたい……! Z-ONEめ、あんな楽しいデュエルをさせられちゃ、癖になってしまうじゃないか。自爆特攻させるには惜しい相手だった。またフライングデュエルがしたい! …………そうだ、あいつなら今絶対暇だろうな。あいつとデュエルをしよう」

***

ネオドミノシティは優雅な家々やシックな店が並ぶ下町。一人の長身の男が喫茶店で一服しているところだった。
ジャック「うーむ。流石はブルーアイズマウンテン。香りが違う……」
ジャック「O☆KA☆WA☆RI☆DA!」
ジャック「いい世の中になったものだ。この下町でも、このように香り豊かなコー……ん?遊星!?ここで何をしている?」
遊星「…………」
ジャック「実験のほうは終わったのか?」
遊星「…………」
ジャック「きさまもこのブルーアイズマウンテンのかほりに誘われてやってきたか。」
遊星「お い」
ジャック「ん……?」
遊星「仕 事 し ろ よ」
ジャック「なに!? きさまはそんなことを言いにわざわざここまで来たのか?」
遊星「最初はWRGPのために資金を稼ぐことで始まったオレたちの人生のロード。だがしかし、イリアステルもいなくなった現時点でオレたちは、自分たちの未来を自分たちの手で切り開くしかないんだ。」
ジャック「ふんっ! 説教など聴きたくない! そんなことわかっているさ。だがな、お前もわかっているとおり……」
クロウ「おいジャック! 見つけたぞ!! お、遊星もいたのか。お前がいてくれると助かるぜ。ジャックがよ……」
遊星(クロウか……これはちょうどいい。楽しい変則デュエルが出来るかもしれない。これだとルールをよく考えておかないとな……タッグにすれば主人公補正のかかっているオレは1人の2対1で決定だろうし……かといってバトルロイヤルにするのもいいものか……)
クロウ「――というわけなんだよ。わかるだろ、遊星?」
遊星「ん? あ、ああ」
カーリー渚「ジャック~! あ、みんなも。遊星、クロウ」
クロウ「おう」
遊星(あいつは確か、ジャックにまとわりつく金魚の糞。この面子なら、タッグデュエルと言ったところかな。好都合だ)
ジャック「カーリー!」
遊星(カーリーというのか)
遊星「やあ、カーリー」
ジャック「どうしたと言うのだ、カーリー!? その格好は?まさか、またダークシグナーに?!」
遊星&クロウ「なに!?」
カーリー渚「あああ~。そうじゃないんだけど。ここに来る最中に足を滑らせてビルから落っこっちゃって……」
ジャック「そうか……それで、死亡してダグナーになってしまったと言うわけか。かわいそうに……」
遊星「ダグナー……」
遊星(さしずめ、ダーリーってところかな)
カーリー渚「でも、この前も治ったんだから、今度もまた治るわよ、きっと」
クロウ「お前これで二度も死んでんだぜ。死人がホイホイ生き返ってたまるかってんだよ」
遊星(死ぬ度にダークシグナーになって蘇る……この女は不死身か?)
カーリー渚「ひどぉ~い!?」
ジャック「そんな言い方はないだろ! クロウ!」
遊星(どうして誰もビルから落ちたところにつっこまないんだ?どういう展開になればここに来る最中にビルから足を滑らせて落ちるのか、誰も気にならないのか?)
ジャック「だいたいなぁ! クロウ、お前は人の心に土足で入りすぎなんだ!少しは自重しないか!」
遊星(それをお前が言うのか……これが夫婦の絆ってヤツか)
クロウ「何だと!?てめえ、これでもオレは精一杯苦労してチームのためにがんばってだなあ……」
カーリー渚「ああ~。もう二人とも喧嘩しない……みんな見てるよぉ」
遊星(なんだか、どんどん話が変な方向に傾いてくな……これ以上長引かせるとデュエルに誘うタイミングを逃すことになる。ここは今しかない……!)
ジャック「クロウ!」
クロウ「ジャック!」
カーリー渚「二人とも~!」
遊星「お い」
ジャック&クロウ&カーリー渚「ん?」
遊星「デ ュ エ ル し ろ よ」
ジャック「……デュエルだと? だがお前のデッキはあの時モーメントの回転で……」
クロウ「そうだぜ遊星。お前が持っているのはスターダストだけなはず。どうやってデュエルするんだ? オレたちはサテライトにいたときにカードを拾ったりセキュリティの保管金庫からパクったりしてデッキをくみ上げたけど、そもそもシティの人間はどうやってカードを手に入れてたんだ?」
遊星「話が関係ない方向に流れる前に言っておく。(スチャッ)カードは作った」
ジャック&クロウ「作ったぁ?」
遊星「一応オレは次世代モーメント『フォーチュン』の責任者。いうなれば海馬コーポレーションの企画本部長クラス。カードを作り出すことなど、造作もない」
カーリー渚「そんなことが……」
遊星「これが権力ってヤツだ(キリッ)」
クロウ「へっ、見下げたぜ遊星。まあそんなことはともかく、遊星にデッキがある以上、デュエルをどうやって行うかだ」
遊星「カーリーがダークシグナーとなった今、彼女はD・ホイールを操ることが出来る。となればデュエルはもちろん……」
ジャック「ライディングデュエル!」
クロウ「だが四人いるぜ。オレたちはともかく、カーリーも踏まえたってことは、遊星おまえ四人でデュエルする気だな」
遊星「ああ。2対2のライディング変則タッグデュエルだ」
カーリー渚「え~? 私もデュエルするのぉ?」
ジャック「当然だ!」
遊星「おまえ、ダークシグナーになったときのほうが強いんだろ?ならばここでお前を逃がす手はない」
カーリー渚「え~……」
ジャック「安心しろ。お前とはオレがパートナーを組む。それでいいだろ、遊星!」
遊星「かまわない」
遊星(ジャック、お前がそう出ることは読めていたさ)
カーリー渚「あ、だったらいいかも」
遊星「じゃあ決まりだな」
クロウ「おい、オレの意見も聞けよ!」
遊星「ん? みんな、クロウが意見してるみたいだ」
ジャック「なんだと!? きさま、まさかカーリーと組むつもりだったのか?」
クロウ「ちょっとなんで話がそういう方向に行くんだよ!」
遊星「クロウ……悪いが少し黙っててくれないか」(青木との会話より引用)
―――
青木「ハックション……風邪かなぁ……」(シティ刑務所で遊星と同じ部屋だったやつ)
―――
ジャック「こうしてはおれん。早速デュエルだ!」
クロウ「けっ! なら、まずはそのコーヒー代を払ってからにしやがれ!」
ジャック「それなんだが、いい考えがある。今からここにいる四人でじゃんけんをして負けた者が払うというものだ」
クロウ「そんな話乗れねえな。何でオレたちまで払うリスクを背負わなければならねえんだ?」
ジャック「いや、案外そうでもないぞ」
クロウ「どういうことだよ?」
ジャック「やればわかる!」
カーリー渚「まあ、いいじゃない。それくらいさ」
ジャック「大丈夫だ。オレを信じろ」
クロウ「信じるってどうやって……」
ジャック「これはじゃんけんだぞ! まだわからないのか!」
クロウ「…………まあ、確かにそうだけどよ。本当なんだろうな」
カーリー渚「ジャックはこういうところ、鋭いんだから~」
遊星「何をわけのわからないことを。ちなみに、ジャック。何杯飲んだ?」
ジャック「四杯だ」
クロウ「なら代金は1万2000円。こいつは負けられないな」
遊星「なあみんな。どうしてじゃんけんなんだ?やめたほうがいいと思うんだ。」
遊星(ジャックのやつ、どさくさにまぎれてクロウに支払いを押し付ける気だな。クロウも翻弄されてきてるみたいだ)
ジャック「そんなことはない! もしこれがデュエルで勝負とあらば、きさまは主人公補正で勝率がダントツで高く、オレたちに不利だった。だが、じゃんけんならば勝負は公平」
クロウ「そうだぜ遊星。じゃあ行くぜ」
遊星「クロウ、お前まで……何でみんなそんなにじゃんけんをしたがる……?」
遊星(この流れだと、さっきから待遇が悪いクロウが払わされるのは目に見えている。クロウ、ジャックに踊らされていることに気付かないのか……?)
ジャック「さあ、行くぞ!最初はグー、じゃんけん……ポン!!」
遊星=チョキ
ジャック=グー
クロウ=グー
カーリー渚=グー
遊星「ば、馬鹿な……」
遊星(クロウが負けるんじゃない……だと?!)
ジャック「おおう! 一発で勝負が決まってしまうとは、不幸だったな遊星」
クロウ「ドンマイ、遊星」
カーリー渚「あら~」
ジャック「さあ、払って来い」
遊星「ジャック……お前は、オレが何を出すのかわかっていたのか?」
ジャック「当然だ! どうしてか気になるか?」
遊星「く……キングだからか?」
ジャック「そうだ……」
ジャック「キ ン グ だ か ら だ !」
クロウ「それくらいにしてやれよ、ジャック。遊星オレたちはここで待ってるから、早いとこ支払い済ませてくるといい」
ジャック(遊星……やはりチョキで来たか……逃れられぬ運命というものも、あるものなんだな)
クロウ(本当にうまくいきやがったぜ。少し遊星が気の毒だぜ)
遊星「いったい何なんだ!?」
遊星(わからない……何かとても大切なことを見落としている気がする……)
遊星「せっかくだ。オレも喉を潤してからにしよう」
ステファニー「ご注文ですか? なににいたしましょう?」
遊星「ミ ル ク で も も ら お う か」
クロウ「おいおい……」
―――
ステファニー「1万2200円になりまーす。」
遊星「御代はこいつにツケといてくれ」
レジ「『大牛鬼』……氷室の旦那ですね」
遊星「たのんだ」
レジ「かしこまりました。ありがとうございました~っ」
遊星(まさかとは思っていたが。このカード、けっこういろんなところで役に立つんだな。氷室にはいいものを貰った。とっておいてよかった)
―――
氷室(最近身に覚えのない請求が多いような……気のせいか?)
―――
ジャック「来たか。準備はいいな! 行くぞ」
遊星(ところでさっきのじゃんけん、どうも腑に落ちない……オレの行動は見透かされているとでもいうのか? オレが開発本部長となって権力をほしいがままにデッキを作り直している間にジャックは再びキングとなってシティに君臨した。その間に勘をさらに研ぎ澄ましたとでも言うのか……?)
遊星「まあいい! どの道このデュエルですべてを明らかにしてやる!」
赤き竜「きゅお~~ぉおおぉんん~!」
ジャック「ぉおまえはっ! 赤き竜!」
クロウ「?!」
遊星「こ、これは!?」
カーリー渚「なんか私のこと見てるんですけど~」
ジャック「まさか! カーリーをダグナーと勘違いしているのか?」
遊星「なに!? そうなのか!? 赤き竜よ! 聞いてくれ! こいつはダークシグナーなんかじゃない! たまたま死んで今はこの姿になってしまっただけで、オレたちは今からフリーのデュエルをするだけなんだ! お前はもう何も心配しなくていい!」
赤き竜「きゅお~~ぉおおぉんん~!」
ジャック「だめだ! こいつ、ひょっとして、言葉がわからないんじゃないのか!?」
クロウ「くるぞ!」
遊星&ジャック&クロウ&カーリー渚「うわああぁぁ!!………」

4人で変則タッグデュエル編パート2

渇いた風邪が一面に吹き、午後の荒野を程よく冷ましてくれている。そんな風邪にハーモニカの音色が溶け込んでいく。男が一人、切り立った岩場に座り込み、ハーモニカを吹いてはやめ、吹いては止めを繰り返していた。
鬼柳「あ~あ。ここも最近はつまんなくなっちまったな。これじゃあ満足できねえぜ。何か退屈しのぎはねえかな」
すると、次の瞬間!
ひゅーん! パァアッ! どぉおおん!!
鬼柳「な、何だあの赤い光は?! あそこに何か落ちたか!? 行ってみよう」
―――
クロウ「う~ん……いっててて……くっそ、あの竜め、なにしやがっだよまったく」
遊星「ここは……」
ジャック「荒野か……?」
カーリー渚「うぅ~……ダグナーじゃなきゃ死んでたわ~」
遊星&ジャック&クロウ「いや、すでに死んでるからww」
カーリー渚「ううううぅぅ……ジャックまでハモってんじゃないわよ~」
ジャック「見渡す限りの荒野……ん、あの遠くに町みたいなものが見えるな。いい眺めだ。そう思わないか、遊星?」
??「殺 風 景 極 ま り な い……」
遊星「!? 今何か聞こえたか?」
ジャック「ああ、肌を通りすぎる心地よい風の音色が……」
遊星「……気のせいか?」
ジャック「いや!? これはハーモニカ!?」
遊星「なに? ハーモニカだと!? ほ、本当だ!」
クロウ「おい! 誰か近づいて来るぞ!」
遊星&ジャック&カーリー渚「!」
遊星「お前は……!」
ジャック&クロウ「!」
カーリー渚「あ゛」
鬼柳「よぉおおー、遊星! 久しぶりだなぁ」
遊星「鬼柳!」
ジャック「鬼柳!」
クロウ「おお、鬼柳!」
鬼柳「なんだか懐かしいやつもいるな。普通の暮らしじゃ満足できなくてダークシグナーにもどったかぁ?」
カーリー渚「えへへ……そうじゃないんだよね」
遊星「鬼柳! どうしてお前がここに?」
鬼柳「それはこっちが聞きたいぜ! いきなり遠くで赤い隕石みたいなモンが現れてよ。ちょうど満足してなかったモンで早速D・ホイールをぶっ放してきたのよ」
遊星(どうしても『満足』っていう単語で表現したかったんだな、こいつ……)
鬼柳「そしたら、お前らがいるじゃん」
ジャック「そうか、ここはいつぞやの……確か、ロットンタウン」
遊星「サティスファクションタウンだろ」
鬼柳「クラッシュタウンだっ!」
遊星&ジャック(そうだっけ……?)
鬼柳「お前たちどうやってここまで来たんだ? まあここで話すのもなんだ。いったん町まで行k」
遊星「おい」
鬼柳「お?」
遊星「お前には悪いが、オレたちは今からこの四人でタッグデュエルをする」
鬼柳「お、デュエル! いいねえ」
遊星「鬼柳、お前も入れてやりたいとこだが、残念ながらデュエルは四人だけで行うことになっている。すまないがお前は見ていてくれないか。」
鬼柳「なんだ、そういうことなら仕方がねえ。オレは観客ってことか。だったら」
鬼柳「こ こ で 満 足 す る し か ね え !」
遊星「すまない」
ジャック「で? こうも広いとデュエルレーンが定まらないんじゃないのか?」
クロウ「確かにな。何か道でもあれば」
鬼柳「道ならあるが、あいにく一本道だ。デュエルが終わるころには国境越えてるぜ」
カーリー渚「それならあたしにいいアイディアがあるわ。こうすればいいのよ」
どおおおおぉぉ!!
遊星「!? フィールドにハチドリの形をした炎の絵図が!」
ジャック「これは、いつぞやの地上絵の炎か!?」
カーリー渚「また使えるようになっちゃったみたい。これならデュエルできるわよ」
??「でやぁぁぁぁあああ!!?」
??「ほぉぉおああああぁぁああ!!?」
??「わああああああ!!?」
??「ぐわあああっ!!?」
??(うわあああぁぁあ!!?)
遊星「なんだ!? レーン上に人が?!」
ジャック「何だと!?」
クロウ「今の何人だ?」
遊星「5……5人かな」
クロウ「5人? 4人だろ」
遊星「5人目の声が聞こえたような……」
ジャック「とにかく、助けに行くぞ!」
遊星&クロウ「ああ!」
カーリー渚「あ、あたしもー」
鬼柳「ここなら満足にデュエルを見渡せるぜ! ほお、自縛神のデュエルフィールドか。あいつ変な芸当まだ使えたのか。さあ、はじめ……お? 連中どこ行ったし?」
―――
ジャック「いたぞ、そこだ! そう遠くない!」
遊星「大丈夫か!? おーい!」
??「く……」
??「ぬぅ……」
遊星「!? ……こ、この人たちはまさか……」
クロウ「どうした遊星?!」
ジャック「とにかく引き上げるぞ!」
―――
??(ちょ、おれをおいてかないでくれ~)
遊星「まただ。何か聞こえるような気が」
ジャック「そんなの気のせいだ! そんな空耳聞いている暇があったら、さっさと運べ!」
遊星「あ、ああ」
―――
ジャック「ふう、危なかったな。これで4人とも炎から救い出したか。カーリー。お前のその能力もやはり危険だな」
カーリー渚「ごめんなさ~い」
遊星「あり得ない……この時代に、どうしてこの人たちが。」
??「…………イタイイタイ……」
??「くそ……どうしてオレだけ置いてくんだよ」
ジャック「遊星。さっきからいったいなんだと言うのだ?」
遊星「実は、このうちの2人は以前、パラドックスと戦った歴戦の最強デュエリスト、武藤遊戯さんに、遊城十代さんなんだ」
ジャック「なに!? あの初代デュエルキングの武藤遊戯か?」
クロウ「そしてデュエルアカデミアの伝説、遊城十代……確かに二人がこの時代にいるのはおかしい……」
ジャック「おい、遊星! どういうことだ!? なぜ違う時代の人間が!? それにお前、以前戦ったって……あのときか?!」
遊星「そうだ、あのパラドックスとか言う男にスターダストを奪われたとき、オレは一度過去に行った。今度はその逆だったのか……」
遊戯「フン。久しぶりだな、遊星」
十代「なんなんだ~? なんかいきなりあのときの赤い竜が現れたと思ったら、いきなりこんなところに放り出されて。そして、いきなり大地が燃え出したぞ?」
遊星「すいません。今からライディングデュエルをするためのレーンを用意しようと思って。やはりあなたたちは赤き竜によって召喚されたんですね」
十代「どういうレーンだよ、炎って……」
遊戯「なるほど。いつか行っていた、お前の時代のデュエルってヤツか」
遊星「はい。覚えていてくれたんですね」
遊戯「フッ……」
遊星(ずいぶんと飲み込みが早いな……さっきまであぶられてたと言うのに、調子のいい連中だ)
??「非ィ科学的だ!」
遊星「この二人は……?」
??「おれもいるって」
遊戯「ああ、こいつはマリク! 今は訳あって闇のデュエリストだがな……」
マリク「僕 は ナ ム ! よろs」
遊戯「きさまいい加減にしろ! いい加減正体を現せ! マリク!」
闇マリク「ハンッ! 気付いてやがったか。コワイコワイ」
遊戯「そしてこいつがオレの……」
??「遊星とかいったな。さっきからくだらんオカルト話をしているようだが……どうしてきさまがわが社のロゴをつけている?」
遊星「わが社のロゴ? こ、これのことか。ま、まさか?!」
遊戯「そう、こいつがオレの生涯のライバル、海馬瀬戸だ!」
ジャック「海馬瀬戸だとぉ!?」
クロウ「海馬コーポレーションの創設者のあの海馬か?!」
海馬「黙れぃ! 海馬コーポレーションの創設者などではないわっ!」
遊星「知っている。海馬瀬戸……海馬コーポレーションを世界最強のゲーム産業に這い上がらせた類まれなる天才デュエリストであり、決闘王武藤遊戯さんの生涯ただ一人のライバル。ただ、その歴史はいくらか闇に覆われていて、昔はDEATH-Tとかアンティで手に入れたブルーアイズをやぶr……」
海馬「貴様! それ以上の侮辱は許しはせん……!!」
??「だれか、オレの話も聞いてくれ!」
カーリー渚「あ~……え~? ……なんかすごい人たちがいる~!」
闇マリク「ふははははぁ……ペロリ。なんだか面白いことになってるじゃねーの……いいぞぉ、おお……女ぁ!」
カーリー渚「ひっ!?」
闇マリク「まずは貴様から血祭りにあげてやるぜぇ……うへあぁぁ!!」
カーリー渚「ひ~っ! なにあれこわいよ~」
ジャック「泣くな! ダグナーとあろう者が、情けない」
カーリー渚「だって~」
遊星「マリク! 悪いがオレたちはこれからタッグデュエルをするところだ。オレたちはこいつを使う。貴様にオレたちの絆に付け入る隙が果たしてあるかな?」
闇マリク「ほ~う。バイクで逃げ切るってのか。っははは! バイクならオレもお手の物でね。振りきろうったってそうはいかねえぜ! たっぷり地獄を味合わせてやるぜ」
遊星「振り切る? 誰が? このD・ホイールはデュエルディスクだ。オレたちはこれでデュエルをする」
闇マリク「なにぃ!?」
海馬「まさか、それに乗ってデュエルをする……そんなことがあり得るのか? 海馬コーポレーションが総力を挙げても、その発想は無かった。くっ……おのれ、未来人め」
ジャック「そう、それがライディングデュエル!」
クロウ「オレたちのスピードについてこれるかぁ?」
遊戯「なるほど、そいつは確かに斬新なルールだぜ。ならオレは観戦といかせてもらうぜ」
海馬「オレもそうする。この技術はわが社の更なる発展に活かせるからな。しっかり観測しておかなければ……モクバ!」
「…………」
??「おいったら!」
海馬「なに!? モクバはどこだ!?」
遊星「オレたちが見つけたときは、あなた方は4人しかいなかった……もしや!」
ジャック「なんだ!?」
海馬「モクバアアアァァァァァ!!」
遊戯「うるさいぜ! 少し黙ってろ!!」
海馬「なにぃっ!!?」
遊星「オレはあの時、五人いると思った。もしかして本当にいるのかもしれない! 五人目が!」
海馬「それがモクバだというのか!?」
遊星「わからない。ただ、さっきから感じるんだ。まだ見ぬ五人目がこの場にいる気がする……」
海馬「それは本当か?! だが、これはモクバのいる気配ではないぞ。どういうことだ!?」
十代「……!! まさか!」
遊戯「わかったのか?この異様な気配の正体が?」
十代「あいつかもしれません、遊戯さん!」
??「だから、おれだって~! お前らわざとだろ!」
十代「ほら、聞こえてくる」
闇マリク「そう、オレのへルポエマーの歌声が聞こえるだろう~」
遊戯「ちがう! これはへルポエマーなんかじゃない! オレにも聞こえる! 熱き魂の叫びが!!」
ジャック「なにか、風のような……!! 遊城十代! デッキからカードをドローしろっ!」
十代「え?! わ、わかった……ドロー! ………こ、これは《E-HERO エアーマン》!!」
闇マリク「と、言うことは~? どういうことかな~、おおん? 遊戯い」
遊戯「十代! わかったのか?」
十代「やはりそういうことか! これはあいつしかいない! 三沢だ!」
遊星「三沢……?えっと、誰? もう一回言って下さい」
闇マリク「高 ら か に !」
十代「三沢だよ! 三沢~! いるんだろ! 出てこいよ! お前なんだろ!」
三沢「だからここにいるっていてるだろ!」
海馬「なに!? いつの間に?!」
遊星&クロウ&ジャック&カーリー渚&遊戯&マリク「!!?」
三沢「おいおい、何そんなにおどろいてるんだ?」
ジャック「貴様! 幽霊か!? いつからそこにいた!?」
クロウ「ジャック! 誰と話してるんだ?」
ジャック「なに?! オレはなぁ……あれ?」
海馬「そんなことはどうでもいい! ライディングデュエルとやらをするんだろ? さっさとしろ。オレたちは見ていてやる。つまらんデュエルなどしてオレの時間を無駄にするなよ……」
遊戯「二対二でやるのか? 面白い。オレも見届けてやるぜ!」
十代「っくう~! おっれっもっやりて~!! でも次世代ディスクもないしまだ未成年だし、バイク乗れねえ。今回はオレも観戦と行くぜ。な、三沢」
――「ああ、そうだぜ。未来のデュエルが見れればオレも新たなデッキの方程式が立てられる」
鬼柳「お前らそこにいたかーっ。あんまり遅いからハーモニカで新しい曲が出来ちまったぜ! 聞くか?」
遊星「断るっ!」
ジャック「そうだな、早くデュエルをやらないと日が暮れてしまう」
鬼柳「お、こいつらは? さっきの炎に巻き込まれていた連中か? オレは鬼柳京介! 観戦するならここに座れよ。ほら、後ちょうど4人分の席があるからさ」
――「5人だぞ!? 誰かをカウントし忘れてるぞ鬼柳!」
遊戯「サンキュー。ここならいい眺めだ! なるほど……あの炎はハチドリの地上絵みたいだな」
海馬「殺風景極まりない。せめて天空コロシアム! くらいはないとな」
――「これはナスカの地上絵だな。その昔、悪魔が封印されt」
鬼柳「これはナスカの地上絵だ。その昔星の民が地上に封印した自縛神たちの魂だ」
――「…………」
遊戯「お、デュエルが始まるぜ!」
十代「遊星~! がんばれ~!」
――「ん? マリクの姿が無いぞ?だがラッキーだ。オレに席が空いたぞ」
―――
闇マリク「さぁて、早いとこオレ様のバイクを見つけてデュエルに入りこまねえとなぁ。ふははは……」
―――
遊星「いいか、デュエルはオレとクロウ対ジャックとカーリーの二対二の変則タッグデュエルだ!」
クロウ「そのルールは?」
遊星「お互いのプレーヤーはそれぞれ4000Pずつのライフを持ってスタート。手札、デッキ、サイドデッキ、墓地、モンスターカードゾーン、魔法&罠カードゾーンとフィールドカードゾーンはそれぞれのプレーヤーが持つが、双方同意の場合、自分のセットカードをパートナーに使わせることができ、パートナーがダイレクトアタックを受ける時に攻撃対象をパートナーの攻撃表示のモンスターのみに移し変えることができる! 先攻1ターン目はすべてのプレーヤーが攻撃を行うことが出来ない! 二人ともライフが0になったチームが敗北する。ここからスタートして、第一コーナーを曲がったヤツが先攻プレーヤーとなり、交互にターンを進めていく! 準備はいいか!?」
ジャック「ああ! 来い!」
クロウ「セキュリティ以来だぜ! オレたちのタッグの強さを思い知らせてやろうぜ!」
カーリー渚「ジャックと二人なら、負けないんだから!」
遊星「行くぞ! 《スピード・ワールド 2》、セット!」
『デュエルモードON! オートパイロット、スタンバイ!』
遊星&ジャック&クロウ&カーリー渚「デュエル!!」

4人で変則タッグデュエル編パート3

十代「ついに始まった!」
海馬「見せてもらおうか……この時代のデュエルとやらを……!」
遊戯「フィールドの色が変わった!?」
――「あのフィールド魔法、おそらくライディングデュエル専用のカードだろう。これは何か、普通のデュエルとは違う。なかなか見ものだ。ちなみに鬼柳さん、どういう効果だ?」
鬼柳-ハーモニカ演奏中
――「…………? おーい」
遊戯「あのフィールド魔法が恐らく今回のキーカード。鬼柳、あの効果は何だ?」
鬼柳「ん? あれはな、《スピード・ワールド 2》といって、ライディングデュエル時に自動に発動される特殊なフィールドカード。あれによりSp以外の魔法を発動をすると勝手にダメージを受けるんだ! さらにSp魔法は決められたSpカウンターの数によって発動が許される。そのカウンターはお互いのスタンバイフェイズ時に1つずつ上がるのさ」
海馬「なるほど、なかなかのしたたかさだ……」
――「そういうことか……あのカード。2ってことは、1もあるのか? 鬼柳さん?」
鬼柳「さて、このデュエルでオレを満足させてくれよ!」
――「もしもーし?」
十代「あ! 第一コーナーは遊星が取ったぞ!」
遊戯「遊星の先攻か。さて……」
遊星「オレのターン! ドロー!(SpC 1)」
遊戯「フィールド上にカウンターが!? これがスピードカウンターか!」
遊星「《メカニック・サークランナー》(星4 ATK 1200 DEF 900)
を召喚!」
メカニック・サークランナー「はあっ、とぁあ!」
ジャック「遊星の場にピカピカの機械のモンスターが!? これは見たことの無いカードだ。これが遊星の新しいデッキ!」
遊星「そうだ! 前のデッキ、ジャンクシリーズに対して、このデッキのテーマは新品の機械を扱う! 当然、効果も強力だ! 斬新なコンボを見せてやる!」
ジャック「なるほど! 遊星だけに、メカニックということか! やはりきさまはそういう運命にあるようだな!」
遊星「?」
クロウ「オリカでデッキを組むたぁ味方ながらやることが汚ねえぜ、遊星!」
遊星「《メカニック・サークランナー》の効果発動! このカードは、1ターンに1度……」
赤き竜「きゅお~~ぉおおぉんん~!」
遊星「なに!?」
ジャック「な、なんだ?!」
遊星「オ、オレのデッキが……」
鬼柳「ん? なにが起こっている? なぜ竜が?」
海馬「あれが、竜だと? ソリッドビジョンではないのか?」
遊戯「いったいなにが起こっているんだ?」
クロウ「大丈夫か? 遊星!」
遊星「ああ。だが、オレのカードが……消滅していく!」
ジャック「消滅だと?!」
遊星「赤き竜よ! いったいどうしたと言うんだ?! まさか、オレのオリカデッキが、お前の怒りに触れたと言うのか?!」
クロウ「おいおい! どうなってやがんだ!?」
遊星「くっ……オレのモンスターが……オレはこれでターンエンドだ」
クロウ「おい遊星!どうすんだよ!? このままデッキが無けりゃ次のお前のターンでお前は敗北だぞ!」
遊星「ならば、次のオレのターンまでにカードを拾ってくる!」
ジャック「カードを拾うだとぉ?」
十代「はあ!?」
海馬「拾う……だと?」
遊戯「パックを買うという発想は無いのか?!」
鬼柳「パック? なんだそれは?」
海馬「パックを知らないのか? 貴様らどうやってカードを?」
鬼柳「オレたちはもともと下層階級の暮らしでよ、昔はオレたちの故郷はゴミためだったんだ。だからそこにゴミといっしょに流れ出てくるカードで満足してたのさ」
遊戯「何だと……だから遊星は拾いに」
遊星「次のオレのドローフェイズまでに、戻ってくるさ。せっかくデュエルが出来たんだ。ここで終わるわけには行かない! 絆の力で、きっとカードを見つけてくる! それまで頼んだぞ、クロウ! ……そしてジャック、お前のターンだ!」
クロウ「お、おい遊星! まったく、しょうがねえな」
ジャック「仕方が無い。待っていてやる」
遊星「ああ……!」

遊星 中断
ぎゅいーん!

十代「遊星のヤツ、あんなんで大丈夫かぁ?」
――「大丈夫なわけ無いだろう! そんな寄せ集めのクズカードでデッキを作ったところで、話にならない」
遊星(なんだ……この胸を突きぬく怒りの感情は……? オレは誰に怒っているんだ?)
ジャック「ふんっ。よかろう……待たせたな! オレがキングだ!! オレのっ、ターーン!(SpC 2)カードを2枚セット! さらに、《ダブル・プロテクター》(星4 ATK 700 DEF 1600)を守備表示で召喚! ターンエンド!」

ジャック 手札3枚 LP4000
《ダブル・プロテクター》守備表示
伏せカード2枚

海馬「早速仕掛けてきたか……」
遊戯「ヤツの2枚の伏せカード……いったいなにをたくらんでいるのか」
――「おそらく、あれは召喚あるいは攻撃に対して発動するカウンターの罠! これで相手はうかつに攻撃できないな」
十代「《ダブル・プロテクター》、あのモンスターは防御に徹しているんだな、さては?なら、伏せたカードはコンボパーツと言うことか」
鬼柳「ああ、ジャックはパワーで押すタイプ。ヤツのデッキにカウンターと言う言葉は無縁だ」
――(涙目)
海馬「やつは、自分をキングといったな。その割には戦略が地味だが?」
ジャック「当たり前だ! 最初からキングが全力でかかったら一瞬だ! キングのデュエルはエンターテイィィンメントでなければならない!」
海馬「なるほど、好印象だ」
クロウ「行くぜ、オレのターン!(SpC 3)オレは手札から《BF-黒槍のブラスト》(星4 ATK 1700 DEF 900)を攻撃表示で召喚! さらに、自分フィールド上に《BF》と名のつくモンスターがいた場合、手札から《BF-疾風のゲイル》を特殊召喚することができる!(星3 ATK 1300 DEF 1000)さらにオレは、《BF-疾風のゲイル》の効果発動!1ターンに一度モンスター1体の攻撃力および守備力を半分にする!《ダブル・プロテクター》の攻守を半減するぜ!」
ジャック「……小ざかしい真似を」
クロウ「まだだ! レベル4のブラストに、レベル3のゲイルをチューニング! 黒き旋風よ、天空へ駆け上がる翼となれ! シンクロ召喚! 《BF-アーマード・ウィング》!」
海馬「な、何だ今のは!?」
遊戯「シンクロ召喚……」
十代「ああ、あれはあの時遊星が《スターダスト・ドラゴン》を出したのと同じだ」
海馬「シンクロ……召喚だと?」
――「なるほど。2体のモンスターのレベルを合計するのか」
鬼柳「チューナーと名のつくモンスター1体を含む2体以上のモンスターのレベルの合計が、そのシンクロモンスターのレベルとなり、召喚条件となる」
海馬「な……何と言う洗練されたデュエルだ……! 高ぶるぞ! まさかこの時代のデュエルがこんなものだとはな。ここでこうして見ているだけなど……」
――「だが、このターンは攻撃できないぞ」
遊戯「海馬?! どこへ行く気だ?」
海馬「ふうん。こうして見ちゃおれん。オレは行くぞ!」
クロウ「カードを3枚伏せてターンエンドだ!」

クロウ 手札1枚、LP4000
《BF-アーマード・ウィング》攻撃表示
伏せカード3枚

カーリー渚「私のターン!(SpC 4)私は……」
海馬「ふははははは! オレのターンだ! ドロー! オレは《カイザー・シーホース》を守備表示で召喚! カードを2枚セットしてターンエンドだ!」
クロウ「なんだ?! デュエル乱入か!?」
カーリー渚「なんて強引なの……!?」
ジャック「なんだ、これはぁっ!?」
遊戯「海馬がデュエルレーンに乗り込んだ!?」
鬼柳「何やってんだあいつ!? イカれてんのか!?」
海馬(ふっ……次のターン、このカードを生贄にオレの最強の僕、《青眼の白龍》を召喚すれば……)
闇マリク「デュエルはどうなってるかな~?」
十代「マリクもかよ!」
鬼柳「…………」
ジャック「貴様はマリク……そこにいたのか」
闇マリク「オレもね、バイクでデュエルすることくらいよく考えればオレの持ってるこの千年錫杖の力を使えばどうってことないのさ」
ジャック「デュエルに参加だと?」
海馬「この試合! 主催者権限により、オレを含めた2対1対1の変則タッグマッチとするっ!」
ジャック「何が主催者だ! いい加減なことを!」
闇マリク「その意見には賛成だが、それはお前じゃないぜ、海馬ぁ」
海馬「なに!? それはどういうことだ!? マリク!」
マリク「いいのかい? オレがタッグを組んでやらないことも無いんだが?そうすればオレとお前で2対2対1のタッグになる……安心しろ、今は神のカードは後回しにしてやる」
クロウ「ふざけるな~! なに勝手に入り込んできやがる!」
闇マリク「あせるなあせるな!」
海馬「フン、下衆の考えそうなことだ。ふん、いいだろう。マリクとのタッグだ! 今この場でターンが周ってないのはマリクのみ! よってマリクのターンとするっ!」
ジャック「カーリー。あんなの相手にするな。お前のターンだ」
カーリー渚「当たり前でしょ! あんなの相手にしてられないわ。わたs」
闇マリク「おっと、待ちな。その前にオレの主人格様が貴様に話があるとよ」
カーリー渚「えっ?」
表マリク「ねえよw!」
ジャック「カーリー! なにをしてる!」
マリク「ハハァ……!! この瞬間! オレのターンだぁ! 女ぁ! まずは貴様からだぁ……ゆっくりと、たっぷりと、苦痛を味あわせてやるう……ぅぉおおおぉ! ほぁああぉおぁあああああ!!!」
――「海馬にマリクか。この二人がデュエルに参加したからにはもう未来組みに勝ち目は無いな。オレの知識を甘く見てもらっては困る。オレは知っているぞ、初代デュエルキングの武藤遊戯を最大限追い詰めたとされるデュエリスト、マリク。未来組の諸君には悪いが、このデュエルは間違いなくマリクと海馬の必殺のラーのワン・ターン・キルコンボとオベリスクの神コンボでこの二人の勝利に終わる。断言できる!」
十代「ああ~いいなあ! オレもやりてーなー」
遊戯「こいつは面白い展開になってきたぜ」
鬼柳(……SpCがあがっていない……?)
闇マリク「ところで、いいのかい~? 遊星はまだデッキをもって現れていないぞ? このまま女のターンが終わればこのデュエルは終わっちまうんじゃねえのかぁ? おおん?」
ジャック「く……ヤツの言うとおりだ」
クロウ「オレがちょっくら行ってくるぜ!」
ジャック「クロウ!」
きゅいいいいぃぃぃん!
闇マリク「よかったな~! あいつはオレのワンターンキルを逃れられてよお」
カーリー渚「マリク……なにをする気?」
ジャック「カーリー! 気をつけろ! やつは何か仕掛けてくるぞ!」
闇マリク「行くぜぇ……貴様に真の恐怖を味合わせてやる。手札から魔法カード《おろかな埋葬》を発動!」
『エラー、エラー』
闇マリク「なにぃ?! まあいい、オレはデッキからこいつを墓地に送っておくぜ」
――「なに!? ヤツが墓地へくるカードはなんだ? 十代、わかるか?」
十代「遊戯さん! あれはまさか……」
遊戯「ああ、マリクのヤツ、早速仕掛けてくるつもりだな! ん? だが待てよ……これはひょっとしたら…………」
闇マリク「オレはデッキから、《ラーの翼神竜》(アニメ)を墓地に送るぜぇ!」
ジャック「ラーだと!? 何だこのまがまがしきオーラは!?」
闇マリク「今から貴様を闇の餌食にしてやるぜ、女ぁ!」
海馬「ふうん。マリク、やはり初手でそう来たか。なかなかやるな。だがこれでは面白くないのが少し残念だがな」
闇マリク「オレは手札から魔法カード発動! 《死者蘇生》! ……と、言うことはぁ、どういうことかなぁ? おおん? 女ぁ?」
カーリー渚「これって」
ジャック「お、終わりだ……」
闇マリク「そう! ラーのカードが墓地から舞い戻るのさ! いでよ! 《ラーの翼神竜》!」
ジャック「これが神のカードかっ!? なんという威圧感!」
闇マリク「ふははははは! さらに古のテキストを唱えることでラーを操ることが出来る! そしてさらに、ラーのカードは速攻能力つきでねぇ……初手であっても攻撃ができるのさ! さあぁ、恐怖におびえろ! その体に苦痛と快楽を刻んでやるぅ!」
闇マリク「うぃ~……ふぁい……うえ~る……@#$%&○△☆^*~⊿…………」
鬼柳「ヤツが妙な呪文を唱え始めたぞ!?」
カーリー渚「この呪文は……?!」
闇マリク「ふははははははぁ! さあ、古のテキストによってラーが真の姿を現す! 覚悟はいいか!」
ジャック「……ふっ……だめだなぁ、お前は」
闇マリク「なんだと?」
ジャック「一見神のカードなどで場を制圧したかのように見えるが、お前の敗因はそこにある!」
○沢「敗因だと!? この状況からどうすれば未来組みがラーに勝てると言うのだ? そういえば、ラーってラーイエローのラーだったな! これはラーを応援するしかないな」
十代(三沢ぁ、空気読めよな……あ……空気ね、あぁ~)
鬼柳「ジャックの言うとおり。せっかく強いラーも、これだとラーだかヲーだかわかったもんじゃない。この程度じゃオレは満足できねえな」
ジャック「お前はライディングデュエルをナメている! だから、神の強引な召喚にあせってばかりで、《スピード・ワールド 2》の効果が発動していることにも気付かないっ!」
闇マリク「なんだとぉ!? キサマぁ、後悔するぜぇ!」
ジャック「ならばおまえ、自分のライフを見てみるんだな!」
闇マリク「なんだと?……な」
闇マリク「オ レ の ラ イ フ が ゼ ロ だ と ?!」
海馬「ど う な っ て い る の?!」
遊戯「マリクは完全に《スピード・ワールド 2》の効果を無視していた。だから通常魔法を2回も発動したために、自滅したんだ」
海馬「く……フン。そんなことにも気付かんとは。無様だな、マリク」
海馬(これはオレも危なかった……危うくオレも通常魔法を発動するところだった。これは気をつけなくては)
闇マリク「フン!そんなの知ったことか! 行け、ラーよ!」
『エラー、エラー』
闇マリク「ばかな!」
カーリー渚「さあ、あんたはデュエルに負けたんだよ。このデュエルの敗者がどうなるか教えてあげるよ。私のターン続行! 私は手札から《Sp-ダッシュ・ピルファー》を発動!」
海馬「《Sp-ダッシュ・ピルファー》だと? なにをする気だ?」
カーリー渚「このカードは自分のスピードカウンターが4以上あるときに発動することが出来る。相手フィールド上の表側守備モンスター1体のコントロールをこのターンの終了時まで得ることが出来る!」
海馬「なるほど……オレの《心変わり》の下位互換ということだな……」
ジャック「何でそんなカードと比較するんだ?」
海馬(やつが何を仕掛けてこようとも、オレのフィールドの伏せカードの一枚は《破壊輪》これでヤツのどんなモンスターも粉砕してくれる。さらにもう一枚のほうは《防御輪》(アニメ効果)! これで《破壊輪》によるオレへのダメージはゼロ! さあ来い!)
カーリー渚「私は、海馬のフィールド上の《カイザー・シーホース》のコントロールを得る!」
カーリー渚「私のフィールド上の《ダブル・プロテクター》と《カイザー・シーホース》の二体のモンスターをリリース!」
海馬「リリース?」
十代「リリースってなんだ?」
遊戯「恐らく、生贄のことだろう。この時代ではそう呼ぶのか、鬼柳?」
鬼柳「ああ、そうさ。だが、この雰囲気は……お前らも無事じゃあすまないかもな」
遊戯「何だと?!」
鬼柳「あれはちょっと厄介もんでね」
カーリー渚「これで条件はそろった! 私はモンスター2対と、邪悪なるマリクの魂を生贄にささげる……」
闇マリク「ヴォアァァアアア!! おいおい!? 主人格様ぁ! いいのか? 体が食われちまうぜぇ!?」
表マリク「僕は死にはしない! きさまは僕自身が生み出してしまった邪悪なる意志。3000年もの歴史を持つ墓守の一族の呪われし宿命。そこに待っているのはただ……」
カーリー渚「あの、続けてもいいでしょうか?」
表マリク「…………」
カーリー渚「さあ、邪悪なるマリクの魂よ! 消えるがいい!」
闇マリク「ぼわぁああああぉおおおお!!ぐあぁぁあぁあぁぁあああ!!」
表マリク「ありがとう……これで僕のj」
海馬「どうやらそうも言ってられないぞ」
表マリク「なに?」
カーリー渚「……今再び、五千一年の時を越え、冥府の扉が開く! 我らが魂を新たなる世界の糧とするがいい! 降臨せよ!  《地縛神 Aslla piscu》!」
海馬「な、何だ!? なにが起こっている?! キサマのモンスターはどこだ!?」
カーリー渚「ほら、上だよ……」
表マリク(女の目つきが変わった!?)
海馬「なにぃっ!? なんというでかさだ! これはオレの操る僕、《オベリスクの巨神兵》よりもはるかに大きいぞ! ……あ、ふうん。だが、たとえどのようなモンスターを出そうともオレの戦略の前では前では無力!」
カーリー渚「なに?」
海馬「ふははぁ! この瞬間、オレのリバース罠発動!! 《破壊輪》そして《防御輪》だ!」
ジャック「《破壊輪》だと!? 馬鹿な!」
カーリー渚「そのカードをなぜ……!?」
遊戯「なんだ? 《破壊輪》ごときでなぜそんなに動揺するんだ?」
鬼柳「ああ……まあ、時代が時代なだけにね」
遊戯(なんなんだ?)
海馬「さて、そのモンスターは破壊されお互いにそのモンスターの攻撃力文、すなわち2500をライフから引くわけだが、《防御輪》の効果によってオレのライフは無傷だ!わはははは!」
カーリー渚「ジャック!」
ジャック「ああ、わかっている」
海馬「ん?」
ジャック「ふっ、キングのデュエルとは、常に相手の一歩先を行くものだ!」
海馬「ふん、何がキングだ! そんなに一歩先に葬られたいのなら、《破壊輪》のダメージ対象をキサマに向けてやる!」
遊戯「海馬め……! 容赦ないな」
十代「急展開だな」
――「さすがは海馬。相手の戦術を意図も簡単に崩してきたか!」
ジャック「己のピンチを演出し、鮮やかな反撃を持って観客のカタルシスを掴む。これがキングのデュエル!」
海馬「なんだと?」
キング「キングの中でもオレのようなキングは二歩先を行く! 罠カード発動! 《ナイトメア・デーモンズ》!」
遊戯&十代「《ナイトメア・デーモンズ》!」
十代「……ってなんだ?」
ジャック「このカードは自分フィールド上のモンスター1体をリリースし、相手フィールド上に《ナイトメア・デーモン・トークン》(星6 ATK/DEF 2000)を3体攻撃表示で特殊召喚する! このトークンは破壊されたとき、コントローラーは1体につき800ポイントのダメージを受ける! オレは、カーリーの《自縛神 Asllapiscu》をリリース! これによりキサマの《破壊輪》の効果は無効となる!」
海馬「……ふうん。お見通しと言うわけか。さすがだといいたいとこだが、甘いぞ!」
ジャック「なに?」
海馬「これで次のオレのターン、オレのフィールドには3体の生贄がそろう……生贄ならこのトークンの効果も発動しまい。オレのフィールドに3体生贄を置いておくことがいかに恐ろしいことか教えてやる……」
ジャック「ぬるい……これではデュエルとは呼べん!! カーリー!!」
カーリー渚「《自縛神Asllapiscu》の効果発動! このカードがフィールド上を離れた時! 相手フィールド上の表側表示モンスターを全て破壊し、破壊したカード一枚につき800ポイントのダメージを相手に与える!」
海馬「な、なに!?」
ジャック「さらに、《ナイトメア・デーモン・トークン》の効果でさらに1対につき800ポイントのダメージを受ける! よってキサマのライフは一気にゼロ!! 見たか! これこそがキングのデュエル!!」
カーリー渚(あたしもいるんですけど~)
海馬「馬鹿な……オレが……負ける……?」
ジャック「己の無力さをその胸に秘め、絶望に身を打ちひしがせるがいい! 《Asllapiscu》の効果を食らえ!!」
海馬「でやぁぁぁあああああ!!」
海馬 LP4000→1600
海馬「何だ、これはダメージが現実のものに!?」
海馬「も は や デ ュ エ ル で は な い !」
海馬「こ の 試 合 、 中 止 と す る ぅ !」
ジャック「だまれ! さあ、《ナイトメア・デーモン・トークン》の効果も受けてもらおうか!」
十代「容赦ねえ!」
海馬「ぎやあああああああぁぁあぁあ!」
海馬 LP1600→0
海馬「オ レ は 死 ん だ ん だ ー っ !」
ジャック「さらに! キサマが発動した《防御輪》によって発生する《スピードワールド2》のダメージも受けてもらおうか!」
――「まさかのオーバーキル!?」
海馬「ぁあああああぁぁぁぁあぁぁ!!!」
海馬「オレ は 死 ん だ っ て 言 っ て る の に ぃ ! !」
ジャック「倒したか?」
三○「おい、海馬がやばいんじゃないか?」

4人で変則タッグデュエル編パート4

―――
遊星「なんだか胸騒ぎがする……! オレの出番が無い間に何も無ければいいが……」
クロウ「見つけたぜ遊星!」
遊星「クロウ!」
クロウ「鉄砲玉のクロウ様の参上だぜぃ!! 遊星! あんまりお前の帰りが遅いもんだから迎えに来たぜ!」
遊星「それは悪かった。お前はデュエル中なんじゃないのか?」
クロウ「ん、ああ。なんだかいろいろにぎやかになってきてな。オレはその隙にお前を探しに来たってわけだ。で、デッキは組めたか?」
遊星「ああ、今ちょうどデッキが完成した」
クロウ「カード見つかったんだな」
遊星「カ ー ド は 拾 っ た」
クロウ「ならいそぐぜ」
遊星「ああ!」
―――
ジャック「遊星はまだ帰らんのか!?」
鬼柳「お、あそこに写る二人の人影はっ!」
遊星「待たせたな! ジャック! ……っ……っ?!」
遊星(あれ、ダグナーの名前なんだっけ?)
ジャック「遅いぞ遊星! デッキはあるんだろうな!」
遊星「カ ー ド は 拾 っ た」
クロウ「途中参加の二人は?」
遊星「なに、オレがいない間になにかあったのか?」
カーリー渚「ちょっとね……」
クロウ「連中の姿は見えねえな……殺ったか?」
ジャック「まあな。あれから大変だったが、デュエル再開だ!遊星お前のターンだ!」

カーリー渚 手札2枚 LP4000
伏せカード2枚

遊星「オレのいない間になにがあったかは知らないが……オレのターン! ドロー! (SpC 5)」
ジャック「見せてもらおうか! 貴様の拾ったデッキとやらを!」
遊星「カ ー ド は 拾 っ た」
クロウ「わかったから早くしろ!」
遊星「クロウの場にはすでにシンクロモンスター《BF-アーマード・ウィング》があり、さらにリバースカードも3枚セットか。その点ジャックとあの女のフィールドには伏せカードが合計3枚……ここはやはりあいつで行くか! 手札から《スピード・ウォーリアー》(星2 ATK 900 DEF 400)を召喚!」
スピード・ウォーリアー「ほぁあぁ、っとぁあ!」
ジャック「なに!? 《スピード・ウォーリアー》だと?!」
クロウ「おいおい遊星!? そのデッキってまさか?!」
遊戯「ん? 連中の様子がおかしい」
十代「あれってそんなに強いカードなのか?」
鬼柳「いや。そういうわけじゃないが。やつは一度デッキをなくしている。それで新しいデッキを作ったんだろうが、見てのとおり赤き竜が遊星のデッキを抹殺した。だから遊星は再びカードを拾ってデッキを作ったわけだが。こりゃひょっとして」
海馬「フン! 前と同じデッキってことだろう!」
鬼柳「この流れじゃ、恐らくな」
遊戯「海馬!キサマ怪我は無いのか?」
海馬「ふん、あれくらい」
海馬「い た く も か ゆ く も 、 な い ね」
海馬(フン。オレじゃなかったらとっくに死んでいるわ!)
――「つまり、遊星が拾うカードは、みんなが捨てたくなるようなクズカードで出来ているから、何度拾ってもコンセプトが同じになるのか……」
遊星(く……まただ! このぶっ殺してやりたい感情は一体誰に向けられているんだ!?)
表マリク「そんな寄せ集めデッキで、果たして大丈夫か……?」
遊星「まあ、そこで見ているんだな」
遊戯「マリク! もう大丈夫なのか?」
表マリク「ああ。僕は3千年の墓守の宿命から…」
――「まあ、ライディングデュエルという未知数のデュエルに彼らが参加した時点ですでに敗北は決まっていたようなものだった。無謀なデュエルで、海馬もマリクもよくそこまでがんばったものだ」
十代「あれ? 三沢、さっきと言ってることが違わないか?」
三沢「十代! やっぱり君だけは聞いていてくれたのか! さすg」
十代「でもあんな攻撃力の低いモンスターでどうするつもりだ?」
――「あれ? あれれ? 十代?」
海馬「恐らく、何らかの布石……!?」
遊星「《スピード・ウォーリアー》は、召喚されたターンのバトルフェイズに攻撃力が倍になる!」
ジャック「知っているさ!」
遊戯「なるほど、一気に火力を上げてきたか!」
遊星「!……行くぞ!バトル! 《スピード・ウォーリアー》、ジャックにダイレクトアタック! 《ソニック・エッジ》!」
ジャック「フン! そんな攻撃! 通ると思ったか! オレはっ! 手札から《バトル・フェーダー》を特殊召喚!」
遊星「そう来たか」
遊星(こんなのことなら、このターンで《Sp-サモンクローズ》を発動しておくべきだったな)
ジャック「どうした遊星!? こんなおろかなミスをする貴様ではないはずだ! オレをもっと楽しませてみろ!」
遊星「くっ……流石はジャック! ならば、オレは《Sp-エンジェルバトン》を発動! デッキからカードを二枚ドロー! さらに、手札からカードを1枚墓地に送る!」
遊星(オレは《ボルト・ヘッジホッグ》を墓地へ送っておく)
海馬「おかしな連中だ。《天使の施し》を使えば……だが、通常魔法は使えなかったんだったな」
鬼柳(いや、そもそも禁止カードの使用を前提で話を進めてる時点でちょっとおかしいんだけどね)
十代「たぶん、この時代の制限改定の都合じゃないかな?」
鬼柳「お、よくわかるじゃん! これでやっと満足いく観戦ができるぜ!」
遊戯「遊星が捨てたカード、《ボルト・ヘッジホッグ》……あれは何らかの効果を持つモンスターに違いない」
鬼柳「ああ、遊星は何か仕掛けてるぜ!」
遊星「オレは、カードを3枚セットしてターンエンド!」

遊星 手札2枚 LP4000
《スピード・ウォーリアー》攻撃表示
伏せカード3枚

ジャック「フン! 随分弱気な戦法だな、このオレが引導を渡してくれる! オレの……ターンっ!!(SpC6)オレは、手札から《ダーク・リペアラー》(アニメ)(星3 ATK 1000 DEF 1300)を召喚!」
ダーク・リペアラー「ヒィィッ、クリィィィッ、キャハァア!」
ジャック「さらにトラップ発動、強化蘇生!」
ダブル・プロテクター「フンッ、ハァッ!」
ジャック「このカードは、墓地のレベル4以下のモンスターを特殊召喚し、装備カードとなる!」
海馬「《ダーク・リペアラー》はチューナー、さてはジャックも仕掛ける気だな!」
遊戯「遊星が持っていた《スターダスト・ドラゴン》はレベル8。ジャックもそれに敵対するシンクロモンスターを持っていると言うのか!?」
鬼柳「ああ、いるぜ!レベル8の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》がな!」
遊戯「レッド・デーモンズ……!!」
――「だが、《ダーク・リペアラー》のレベルは3、《ダブル・プロテクター》のレベルは4!これだとジャックはレベル8のレッドデーモンズが出せない!?」
十代「いや、レベル1の《バトルフェーダー》がいるから余裕かと」
ジャック「……強化蘇生により蘇ったモンスターは、攻撃力、守備力を100ポイントアップさせ、モンスターレベルをひとつアップさせる!」
《ダブル・プロテクター》ATK 700→800、DEF 1600→1700、星4→5
遊戯「なにっ!?」
海馬「?!!」
――「マジか!?」
ジャック「凡人どもよ! 心に刻め! キングオブキングの三歩先を行くデュエルを!! 《ダブル・プロテクター》に、《ダーク・リペアラー》をチューニング!」
十代「くぅ~っ! どんなモンスターなんだ!?」
ジャック「王者の鼓動、今ここに列をなす。転地鳴動の力を見るがいい! シンクロ召喚! 我が魂、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!」
海馬「!!」
三沢「!!」
遊戯「これがジャックのエースか……」
遊星「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》……!!」
クロウ「ついに出やがったか、レッドデーモンズ!」
ジャック「遊星! 貴様には我がレッドデーモンズの牙の餌食となる栄誉を与えよう!行け!レッドデーモンズよ!遊星の《スピード・ウォーリアー》に攻撃! 《アブソリュート・パワーフォース》!!」
遊星「トラップ発動! 《くず鉄のカカシ》! このカードは、相手が攻撃してきたときに発動でき、その攻撃を無効にする!」
遊戯「やはり守りを固めていたか!」
遊星「さらに、このカードは発動後、墓地へ送らず再びセットする!」
海馬「なるほど、これならタッグにおいて集中攻撃を受けても身を守れると言うわけだな。なかなかの強かさだ。初対面より好印象だ」
ジャック「フン……読めていたさ、貴様が《スピード・ウォーリアー》を守りに出ることくらいはな! その程度の茶番で我がレッドデーモンズの牙から免れるとでも思っていたか! わざと相手のトラップを誘発し、その上で華麗なる逆転を演じる! これこそがキングのデュエル!」
遊星「ジャック! お前はしゃべりすぎる!」
クロウ「ジャックはどうやって遊星のトラップを回避するつもりだ? ヤツの場には伏せカードはないぞ!」
ジャック「ふん……クロウ、貴様はどうやらタッグデュエルを理解していないようだな」
クロウ「何!?」
遊星「まさか?!」
カーリー渚「トラップカード発動! 《威圧-オーバーパワー》!」
クロウ「カーリーの場にすでに伏せてあったのか!」
遊星(そうそう、カーリー、カーリー。どうしても忘れてしまう)
ジャック「このカードは《レッド・デーモンズ・ドラゴン》がフィールド上に存在する場合のみ発動でき、バトルフェイズ中に相手が発動した魔法、罠、効果モンスターの効果を無効にし、破壊する! よって、遊星! 貴様のトラップは無効となり、破壊される!」
がっしゃーん!
遊星「くっ……」
ジャック「残念だったな、だがまだ終わってないぞ! まだレッドデーモンズの攻撃が残っている! 食らえ! 《アブソリュート・パワーフォース》!」
スピード・ウォーリアー「ほわぁぁああっ!」
遊星LP4000→1900
遊星「ぐあああああっ!」
十代「これはいきなり大ダメージだ! 遊星のヤツ、大丈夫か?」
遊戯「やつはこれくらいでやられるようなデュエリストではない! きっと何か秘策があるに違いない!」
――「だが遊星のフィールドにはモンスターもいない。通常シンクロ召喚には2体以上のモンスターが必要となる! それをそろえるには基本的に2ターンは必要だ! 一体どうやってこの状況を切り抜けるつもりだ?!」
ジャック「どうだ、遊星! 小手先だけの防御ではオレのレッドデーモンズは防ぎきれないと判ったか!」
遊星「……ふっ、相変わらずだな、ジャック。安心したよ……! だがな、タッグデュエルのルールはオレたちだってわかっているさ!」
ジャック「なに!?」
遊戯「来るか!? 反撃が!」
遊星「オレは、トラップカード《奇跡の残照》を発動! このカードは、このターン戦闘で破壊された自分のモンスターを特殊召喚する!」
カーリー渚「バカな!? 私のトラップであなたは罠カードの発動ができないはず!?」
遊星「このカードは、自分のモンスターが戦闘で破壊されたターンならどのフェイズでも発動することができる。よってオレは、ジャックのバトルフェイズ終了後に発動、《スピード・ウォーリアー》は蘇る!」
スピード・ウォーリアー「とああっ!」
ジャック「フン! やるな。なら見せてもらおう! 貴様のタッグデュエルを! オレはカードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」

ジャック 手札0枚 LP4000
《レッド・デーモンズ・ドラゴン》攻撃表示
《バトルフェーダー》守備表示
伏せカード1枚

クロウ「鉄砲玉のクロウ様の出番だぜ! オレのターン! ドロー!(SpC7)オレは手札から《BF-極北のブリザード》(星2 ATK 1300 DEF 0)を召喚! このカードの召喚に成功したとき、自分の墓地に存在するレベル4の《BF》 と名のつくモンスターを一体特殊召喚する! 現れろ! 《BF-黒槍のブラスト》!」
海馬「クロウのフィールドに一気にモンスターが2体増えた!」
遊戯「なかなかガチなデッキだぜ!」
クロウ「遊星! お前の《スピード・ウォーリアー》を使わせてもらうぜ!」
遊星「ああ! オレたちのチームワークを見せてやろう!」
十代「来るか! 更なるシンクロ召喚が!」
鬼柳「さあ行け、クロウ! オレをもっと満足させてくれえ!」
ジャック「来るか……!」
クロウ「いくぜ! オレは……手札からトラップカード《デルタ・クロウ-アンチ・リバース》を発動!」
ジャック「なに!?」
遊戯&海馬&十代&空気「手 札 か ら ト ラ ッ プ だ と ぉ !!?」
クロウ「このカードは、自分フィールド上の《BF》 と名のつくモンスターが3体のみの場合、手札から発動することができる! 相手フィールド上にセットされた魔法・罠カードを全て破壊する!」
カーリー渚「!?……私の伏せカードが!」
遊戯「なるほど、クロウはシンクロ素材をそろえると共に、これもねらっていたのか!」
海馬「モ ン ス タ ー 3 連 コ ン ボ !?」
カーリー渚 伏せカード1枚→0枚
ジャック 伏せカード1枚→0枚
クロウ「続いてバトルフェイズ!」
十代「なに、なぜだ!? なぜシンクロ召喚をせずにバトルフェイズに入ったんだ?!」
遊戯「クロウは何かをたくらんでいるに違いない! やつの狙いとは一体……!?」
クロウ「いくぜ! 《BF-アーマード・ウィング》でジャックのレッドデーモンズを攻撃!」
ジャック「くっ……!」
――「馬鹿な! そんなことをしたら自滅してしまうぞ!」
クロウ「《BF-アーマード・ウィング》の効果! このカードは戦闘では破壊されず、ダメージも受けない!」
表マリク「なに!? ヤツのカードは戦闘では破壊されないと言うのか!?」
遊戯「お、マリク! いたのか」
表マリク「ああ、ちょっと気になることがあってな、少し調べていた」
海馬「気になることだと?」
表マリク「ああ、オレたちをここに連れてきた赤い竜なんだが、さっきからまた赤い竜の気配がしてくるから、どこかにいるのかと探していたんだ」
海馬「フン、得体の知れぬ竜などほうっておけ。非ィ科学的だ!」
鬼柳「おいお前ら、クロウの攻撃を見逃すなよ! 今が見時だ!」
遊戯&海馬&マリク「!!」
クロウ「さらに、アーマード・ウィングの効果! このカードが戦闘を行ったモンスターに楔カウンターを一つ乗せる! そして、そのカウンターをすべて取り除くことで、そのモンスターの攻撃力をエンドフェイズまで0にする! オレは、カウンターを取り除きレッドデーモンズの攻撃力を0にする!」
ジャック「くっ、小ざかしいマネを!」
クロウ「これでこのターンジャックに邪魔されずにカーリーを確実に葬ることができるぜ!」
海馬「ふんっ、ゲスの考えそうなことだ」
クロウ「オレは《BF-極北のブリザード》でカーリーにダイレクトアタック!」
カーリー渚「くっ……!!」
カーリー渚LP4000→2700
遊戯「カーリーのフィールドはがら空き!ジャックのモンスターも攻撃力0!一気にきめてくるか!?」
海馬「だがヤツの《BF-アーマード・ウィング》は既に攻撃を終了している。《スピード・ウォーリアー》と《BF-極北のブリザード》の攻撃では止めをさすことができない!」
遊星「ふっ……クロウを甘く見てもらっちゃ困る!」
クロウ「そうだぜ! 鉄砲玉のクロウ様はまだまだこれからだぜ! リバースカードオープン! 《緊急同調》!」
ジャック「《緊急同調》だと!?」
クロウ「このカードは、バトル中のシンクロ召喚を可能にする!」
遊戯「なるほど、そういうことか!」
――「すさまじいコンボだ! これを食らったらひとたまりもない!」
クロウ「行くぜ! オレは、レベル4の《BF-黒槍のブラスト》とレベル2の《スピード・ウォーリアー》に、レベル2の《BF-極北のブリザード》をチューニング!」
海馬「これでレベルの合計は8!」
――「ついにクロウのエースモンスターg」
遊戯「ついにクロウのエースモンスターが出るか!」
――(涙目)
クロウ「黒き疾風よ! 秘めたる想いをその翼に現出せよ! シンクロ召喚! 舞い上がれ、《ブラックフェザー・ドラゴン》!」
十代「おお! 黒い鳥が現れた! あれはドラゴンなのか?」
表マリク「なるほど! 《ブラックフェザー・ドラゴン》でなら止めをさせると言うことか」
クロウ「オレは《ブラックフェザー・ドラゴン》でカーリーを攻撃!」
カーリー渚「!!」
ジャック「カーリー!! ええい! オレはレッドデーモンズを……」
カーリー渚「だめ! ジャック! あなたのモンスターをここで失うわけにはいかない!私は大丈夫だから、今は体力を温存して!」
ジャック「だが!?」
カーリー渚「お願い、ジャック……レッドデーモンズはあなたの、私たちの希望よ! 私は、これで……」
ジャック「カーリー……!!」
カーリー渚LP2700→0
カーリー渚、退場
遊星「!? カーリーがまた灰となって消えていく!」
ジャック「!!……カーリー!!」
カーリー渚「勝って……ジャッ…………」
遊戯&海馬&マリク&十代「なに!? 一体なにが!?」
鬼柳「…………ダークシグナーは、デュエルに負けるとこうなるんだ……だが待てよ、ひょっとすると……」
遊星(デジャヴだな)
クロウ(だな)
ジャック「くっ……クロウ……!! 許さんぞ! このお返しは必ずや!」
クロウ「望むところだ! 来い! ジャック! オレはこれで、ターンエンド!」

クロウ 手札0枚、LP4000
《BF-アーマード・ウィング》攻撃表示
《ブラックフェザー・ドラゴン》攻撃表示
伏せカード1枚

4人で変則タッグデュエル編パート5

鬼柳「ジャックのパートナーがいなくなったことで、ターンはジャックに移り変わる! だがジャックの手札はない! どう出るジャック……?」
ジャック「カーリー……お前の敵は必ず討つ! だがそのためには次のドローに全てをかけるしかない! デッキよ、オレに力を貸してくれ! オレの……ターン!!(SpC8)……オレは、《Sp-シフト・ダウン》発動! このカードは、自分のスピードカウンターを6つ減らして、デッキからカードを2枚ドローする!(SpC 8→2) まずは一枚目!」
しゅっ!
海馬「ここまで来て、手札補給カードを引いたか……ヤツもまた、カードの女神に愛されし者だと言うのか」
十代「ジャックもなかなかのドロー運だな」
ジャック(罠カード、《オーバー・ゲイン》! これならレッドデーモンズを強化させることができる……く……だがこれではない…………ならば、次のドローの全てがかかっている! オレのデッキよ、共に歩もう、キングの道を! 全てはこの引きに!)
赤き竜「きゅお~~ぉおおぉんん~!」
遊星「な、何だ!? 赤き竜……!?」
十代「あ! ジャックの背中に赤い紋章が!」
表マリク「ジャックのデッキトップが光り始めたぞ!」
ジャック「……これが答えなんだな! 赤き竜よ! ドロー!」
ジャック(!! ……これは……!!)
遊星「引いたのか、あのカードを!?」
ジャック「…………」
遊戯「なにが起こったんだ?! やつは引けたのか、逆転のカードを!?」
クロウ「…………!?」
ジャック「……オレは手札より、《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》(星1 ATK 0 DEF 0)を召喚!」
遊星「やはり引き当てたか! 赤き竜の化身を!」
――「赤き竜のk」
遊戯「赤き竜の化身!?」
十代「な、何だあのカードは!?」
海馬「攻守0のモンスター……! なのに何だこのすさまじい感覚は!? これがデュエルの女神の答えなのか!?」
表マリク「何かとてつもない……これはさっきから僕が感じていたまがまがしい気だ!」
ジャック「真の王者の何たるかを知った者は、どんな屈強においても、己の信じる答えを導き出す! これがオレとデッキが導いた答えだ! いくぞ、クロウ!」
遊星「……来るか、ジャック!」
ジャック「オレは、レベル8の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》とレベル1の《バトルフェーダー》に、レベル1の《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》をチューニング!」
遊戯「なに!? さらにシンクロ召喚するだと!?」
ジャック「研磨されし孤高の光、真の覇者となりて大地を照らす! 光り輝け! シンクロ召喚! 大いなる魂、《セイヴァー・デモン・ドラゴン》!!(星10 ATK 4000 DEF 3000)」
遊戯&海馬&十代&マリク&  「!!!?」
遊戯「これは……!!?」
十代「攻撃力、4000だと?!」
海馬「なんという雄々しき姿……!」
海馬「ふ つ く し い」
ジャック「行くぞ、クロウ! 覚悟はいいか!」
クロウ「くっ……」
――「だがクロウのフィールドの《BF-アーマード・ウィング》は戦闘で破壊されず、ダメージも受けない! せっかくの切り札も、クロウのモンスターには勝てないぞ!?」
ジャック「《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の効果発動! このカードは1ターンに一度、相手モンスター1体の効果を無効にする!」
クロウ「なに!?」
遊戯「そうか、ジャックはこれが狙いか!」
海馬「ふうん……やはり強力な効果を持っていたか」
ジャック「さらに、効果を無効にしたモンスターの攻撃力を、《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の攻撃力に加える! 《パワー・ゲイン》!」
《セイヴァー・デモン・ドラゴン》 ATK 4000→6500
――「何だと!?」
鬼柳「攻撃力、6500だと!!?」
クロウ「イ ン チ キ 効 果 も い い 加 減 に し ろ !」
海馬「……なかなかのしたたかさだ」
遊戯「強い……ジャックと言うこの男、相当な実力者だぜ!」
十代「これで、クロウのモンスターの戦闘耐性は消え、ジャックの攻撃はクロウに届く!」
――「て言うか、これワン・ターン・キルだぞ!?」
遊星「ジャック……!」
ジャック「遊星! お前との決着は、クロウを片付けてからだ!」
クロウ「何だと!?」
十代「なあ、あいつら、仲間同士だよな? 殺気が感じられるのは気のせいか?」
――「さあ、きっとそれがあいつらのやり方なんだろうよ。気のせいなんじゃないかな?」
鬼柳「ん? 今なんか声がしたが、気のせいか?」
海馬「くるぞ! デュエルに集中しろ!」
○沢(涙目)
ジャック「クロウ! 王者の華麗なる雄姿をその胸にしかと刻んでおけ! 《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の攻撃! 《アルティメット・パワーフォース》!」
クロウ「くっ……! リバースカードオープン!……」
ジャック「無駄だ! 《セイヴァー・デモン・ドラゴン》はカードの効果では破壊されない! クロウ! お前が攻撃反応型トラップを用意していることは読めていた!」
クロウ「ふっ……ジャック、それはこいつのことか?(スチャッ)」
ジャック「なに!?」
遊星(なに!?クロウのデッキトップが《聖なるバリアー・ミラーフォース》!? だとすると今発動しているリバースカードはいったい……!?)
遊戯「これは!? クロウのフィールドのモンスターの姿がない?!」
海馬「なに!?」
ジャック「何だと!? クロウ! いったい何を?!」
クロウ「オレが発動したトラップカード、《ブラック・ブースト》(改造効果)の発動コストとして、オレのフィールド上の《BF》2体をリリースした!」
――「なに!? そんなことしたら、クロウのフィールドはがら空き! 何を考えているんだ!?」
クロウ「オレは、効果によりデッキからカードを2枚ドロー出来る」
遊戯「そうか、あのままやられていても、ライフは尽きていた。なら、新たな可能性にかけたと言うのか」
海馬「だが、この期に及んでドローなどしても……」
十代「てかクロウさっきデッキトップ勝手に見たよな? 反則だろ」
クロウ「オレがドローするなんていつ言った? ドローするのは、遊星! お前だぜ!」
ジャック「決死の覚悟で遊星にドローさせてアドバンテージを稼がせるつもりか!」
遊星「クロウ……! わかった! オレはデッキからカードを2枚ドロー!」
遊星 手札2枚→4枚
ジャック「なるほど、どうやらオレは貴様たちのチームワークを甘く見ていたようだ! だがクロウの今のプレイだけは褒めてやろう! せめて一瞬で葬り去ってくれる!」
遊星「そうだ! これがオレたちの絆パワーだ!」
遊星(なんかわからないが、カードがノーコストで2枚もドローできてラッキーだった)
ジャック「さあ行くぞ! 《セイヴァー・デモン・ドラゴン》! 《アルティメット・パワーフォース》!」
クロウ「ぐはああああぁぁぁあああぁぁぁぁ!!」
クロウLP4000→0
クロウ、退場
海馬「まただ、ダメージがリアルに……」
――「おい、やばいんじゃないか?」
ジャック「殺ったか?」
遊星「ジャック……!」
ジャック「遊星! やはり決着はオレとお前のようだな! オレはカードを一枚セットし、ターンエンドだ!」
遊戯「なに!? 《セイヴァー・デモン・ドラゴン》が消えてゆく?!」
ジャック「……《セイヴァー・デモン・ドラゴン》は、エンドフェイズにエキストラデッキに戻る……そして、墓地の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が再び舞い戻る」
遊戯「エキストラデッキ?」
鬼柳「……ああ、そういや、昔は融合デッキとか言われてたな」
海馬「なるほど、それでシンクロモンスターはどこからともなく現れたわけか」
ジャック「遊星! 貴様のターンだ!」

ジャック 手札0枚 LP4000
《レッド・デーモンズ・ドラゴン》攻撃表示
伏せカード1枚

遊星「このターンで決着をつけるっ! オレのターン! ドロー!(SpC 9)…………ニヤリ」
遊戯「来るか!?遊星の反撃が!?」
遊星「オレは、《アンノウン・シンクロン》(星1 ATK 0 DEF 0)を特殊召喚! このカードは、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚することができる!」
海馬「一気にモンスターを増やす気だな!」
遊星「さらにオレは、手札から《Sp-サモンクローズ》を発動!このカードは、手札一枚を墓地へ送り、デッキからカードを一枚ドローする!さらに、相手はこのターンモンスターを特殊召喚することができない!」
ジャック「…………!」
遊星「オレは、手札の《チューニング・サポーター》を墓地へ送り、デッキからカードをドロー!」
遊戯「すさまじいデッキの回転力だ!」
遊星「そして、手札からチューナーモンスター《ジャンク・シンクロン》(星3 ATK 1300 DEF 500)を召喚!」
ジャンク・シンクロン「はああっ!」
鬼柳「やはりそいつで来たか!」
海馬「やはりとは?」
鬼柳「あれは遊星が切り札を出すときに召喚するモンスターだった! まさかとは思っていたが、遊星がさっき手に入れたカードは前のデッキとまったく同じだ!」
遊星「そのとおりだ、鬼柳! そして《ジャンク・シンクロン》の効果! このカードが召喚に成功したとき、墓地のレベル2以下のモンスター1体を特殊召喚する! オレは、《Sp-サモンクローズ》の効果で墓地に送った《チューニング・サポーター》(星1 ATK 100 DEF 300)を蘇生!」
遊戯「遊星の場にモンスターが一気に3体……!」
鬼柳「まだ続くぞ!」
十代「すげぇな……」
遊星「さらに、墓地に存在する《ボルト・ヘッジホッグ》は、自分のフィールド上にチューナーが表側表示で存在する場合、特殊召喚することが出来る! 現れろ、《ボルト・ヘッジホッグ》(星2 ATK 800 DEF 800)!」
ボルト・ヘッジホッグ「ちううぅぅ!」
遊星「まだだ! 墓地からモンスターが特殊召喚したことにより、手札の《ドッペル・ウォーリアー》(星2 ATK 800 DEF 800)を特殊召喚する!」
ドッペル・ウォーリアー「とぁあああ!」
海馬「なんというやつ……わずか1ターンで5対のモンスターをフィールドに出現させるとは……!!」
十代「どいつもこいつもとんでもねえ連中だな!」
遊戯「この時代のデュエルはなんて熱いんだ! 城之内君にも見せてやりたかったぜ!」
ジャック「なかなかやるな、遊星!」
遊星「ジャック、行くぞ! オレは、レベル1の《チューニング・サポーター》、レベル2の《ボルト・ヘッジホッグ》とレベル2の《ドッペル・ウォーリアー》に、レベル3《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」
遊戯「レベル8! やつが来るか!?」
十代「《スターダスト・ドラゴン》……パラッドックストの戦いで遊星が使った彼のエースカード…………!」
鬼柳「ほう、お前ら知っているのか」
遊戯「まあな」
海馬「ふん、下らん!」
遊戯(海馬! 自分は知らないからって、グレてるんだな)
遊星「集いし願いが新たに輝く星となる。光指す道となれ! シンクロ召喚! 飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》(星8 ATK 2500 DEF 2000)!」
スターダスト・ドラゴン「プギャアァァァス!」
遊戯「きた!」
十代「スターダストだ!」
遊星「《ボルト・ヘッジホッグ》は、自身の効果で墓地から特殊召喚された場合、墓地に送られる場合に墓地に送られずゲームから除外する」
表マリク「墓地発言がやたらと多い」
ジャック「スターダスト……やっと現れたか。だが遊星! スターダストの攻撃力は2500! オレのレッドデーモンズには及ばない!」
――「そうだ、これでは遊星が返り討ちにあってしまう!」
遊星「《チューニング・サポーター》がシンクロ素材として墓地に送られたとき、デッキからカードを1枚ドロー出来る! ドロー!」
遊星の手札1枚→2枚
表マリク「さらに手札を増やした!」
遊星「さらに、《ドッペル・ウォーリアー》がシンクロ素材として墓地に送られたため、オレのフィールドに《ドッペル・トークン》(星1 ATK 400 DEF 400)が2体攻撃表示で出現する!」
遊星のフィールド
《アンノウン・シンクロン》守備表示
《スターダスト・ドラゴン》攻撃表示
《ドッペル・トークン》攻撃表示2体
遊星「オレはさらに、レベル1の《ドッペル・トークン》に、レベル1の《アンノウン・シンクロン》をチューニング!」
海馬「1ターンに2度もシンクロ召喚するとは……!」
遊戯「これが遊星の実力……」
十代「強すぎだろ!」
表マリク「やつは止まると言うことを知らないのか!?」
遊星「集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光指す道となれ! シンクロ召喚! 希望の力、シンクロチューナー、《フォーミュラ・シンクロン》(星2 ATK 200 DEF 1500)!」
――「シンクロモンスターのチューナーだと!?」
十代「わくわくしてきたぜ!」
遊戯「やはり遊星も更なる奥の手を持っていたか!」
遊星「《フォーミュラ・シンクロン》(アニメ)の効果発動! このカードは、1ターンに一度、デッキからカードをドローすることができる! ドロー!」
遊星 手札2枚→3枚
遊戯「遊星の手札がどんどん増えていく!」
十代「なかなかいいドローをする」
遊星(思えばオレは、イリアステルとの戦いの後、『フォーチュン』の責任者として多忙な毎日を送るあまり、デュエルの楽しさを忘れていた……そしてデッキを作るなどと浮かれて、本当のデュエルを忘れかけていた…………だがオレは、デュエルを通して様々な仲間を手に入れてきた。オレは正々堂々デュエルがしたい!)
十代(ガチデッキ使っといてよく言うぜww)
遊星(オレのデュエリスとの心がオレに語りかけてえくる! 楽しい、と! オレはこのデュエルを通じてさらに今の自分を乗り越える! そのためにも、今再び、クリアマインドの境地へ!)
海馬「なんだ!? 遊星を奇妙なオーラが包み込む!」
ジャック「クリアマインドか!」
遊戯「クリアマインド!!」
十代「遊星がものすごくスピードアップしたぞ!」
表マリク「速い……! 主人公じゃなければ事故確定だな」
遊星「クリアマインド! レベル8《スターダスト・ドラゴン》に、レベル2《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング!集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光指す道となれ!ァアクセルシンクロォ!!」
ギュイイイィィィン!!
遊戯&海馬&十代「消えた!?」
表マリク「遊星の姿がない!?」
――「ゆ、遊星が消えただと?!」
ギュイィィィィン!
遊星「生来せよ、《シューティング・スター・ドラゴン》(星10 ATK 3300 DEF 2500)!!」
遊戯「ジャックの後ろに遊星が現れた!?」
十代「《シューティング・スター・ドラゴン》……!!」
鬼柳「すげーぜ遊星! がら空きのフィールドから1ターンでそいつを出しちまうとはよぉ!」
ジャック「く……シューティング・スター……!」
遊星「ジャック! これがオレたちの絆の力だ!」
――「いや、ほぼ遊星一人の実力だと思う」
遊星「《シューティング・スター・ドラゴン》の効果発動! デッキの上からカードを5枚めくり、めくったチューナーの数だけ《シューティング・スター・ドラゴン》は攻撃することが出来る!」
十代「…………ノーコメント」
遊星「まず一枚目! d」
遊戯「ドロー! モンスターカード!!」
遊星「!?」
鬼柳「?! どうした?!」
遊戯「あ、いや、なんでもない……」
海馬「れれ、冷静になれ、遊戯」
遊星「カードは、罠カード、《スターライト・ロード》」
十代「チューナーじゃない!」
――「モンスターですらない!」
遊星「続いて2枚目! 《ターレット・ウォーリアー》! 3枚目! 《デブリ・ドラゴン》!」
海馬「1体目のチューナー!」
遊星「4枚目! 《ロードランナー》!」
遊戯「チューナーじゃない!」
ジャック「最後の1ドロー……」
遊星「これが最後の……ドロー!」
海馬「引けたか?! チューナーを!?」
遊戯「おれがひいたかーどわ、ふういんされし、えくぞでぃあ! いま、すべてのk」
海馬「うっるさぁーい!」
遊星「《ターボ・シンクロン》、チューナーだ!」
ジャック「なに!?」
鬼柳「おお!」
十代「ドロー運強すぎ!」
――「それをお前が言うか」
遊星「よって、《シューティング・スター・ドラゴン》はこのターン2回攻撃することがっできる!」
海馬「《シューティング・スター・ドラゴン》の攻撃力は3300……《レッド・デーモンズ・ドラゴン》との戦闘でジャックは300のダメージを受け、さらに追加攻撃で3300のダメージ! そして、攻撃力400の《ドッペル・トークン》の攻撃によりきれいに4000ポイントのダメージを与えるきか……! なんと洗練されたデュエルなんだ!」
遊戯「ああ、まったく無駄がない!」
十代「このバトルフェイズで決着をつける気だな!」
遊星「行くぞ、ジャック! 《シューティング・スター・ドラゴン》! 《スターダスト・ミラージュ》!」

4人で変則タッグデュエル編パート6~終章

マリク「これが決まれば、ジャックは……!」
ジャック「ふっ……そうは行かない! 罠カード発動! 《オーバー・ゲイン》(アニメ)!」
遊星「!?」
鬼柳「なに!?」
ジャック「《オーバー・ゲイン》は、自分フィールド上のモンスター1体の攻撃力を、エンドフェイズ時まで1000ポイントアップさせる! オレは《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の攻撃力を1000アップさせる!」
遊星「なに!?」
《レッド・デーモンズ・ドラゴン》 ATK 3000→4000
遊戯「これでレッドデーモンズの攻撃力がシューティングスターを上回った!」
――「遊星が返り討ちにあうぞ!」
海馬「……何と言うデュエルだ! まさに頂上決戦! ……高ぶる、高ぶるぞ! この時代にもこんなにもオレを熱くさせるデュエルがあったとはな!」
十代「遊星の猛烈な攻めもすごいが、それに対して手を残しているジャックもものすごい……! これがこの時代のトップデュエリストのレベルか! すんげ~わくわくするデュエルだぜ!」
ジャック「これで貴様のシューティングスターは返り討ちに会う! 砕け散れ!」
遊星「くっ……うわあぁぁぁっ!」
遊戯「遊星がエースを失った!」
十代「決着がついたと言うのか!?」
表マリク「すごいデュエルだった!」
海馬「ふんっ、勝負を急ぐあまり、敵の場の伏せカードを警戒しなかったのがあだとなったな! そうやって自滅するのがオチだ……だが、ここまでよく頑張った、さすがだと褒めてやろう」
遊星「自滅? だれが? ジャック、お前がオレの攻撃をかわしてくることくらいは読めていたさ! 」
ジャック「何だと!?」
遊星「オレはまだ、自分の未来をあきらめたわけじゃない! トラップカードオープン! 《集い視願い》! 」
海馬「なに!?」
鬼柳「あのカードは!?」
ジャック(それは、貴様がZ-ONEとの戦いで使った最後の切り札!)
十代「な、なんだ!?」
遊星「《集いし願い》は、《シューティング・スター・ドラゴン》がバトルで破壊されたとき、バトルダメージを無効にして、墓地に眠る素材となるモンスターを除外することで、《スターダスト・ドラゴン》をシンクロ召喚する!」
遊戯「墓地からシンクロ召喚だと!?」
遊星「レベル1の《チューニング・サポーター》、レベル2の《ドッペル・ウォーリアー》、レベル2の《スピード・ウォーリアー》に、レベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!……集いし願いが、新たに輝く星となる!光指す道となれ!シンクロ召喚!!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》!!」
三沢「今更攻撃力2500の《スターダスト・ドラゴン》を召喚してどうなる!? ジャックの場には攻撃力4000の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》がいる!」
遊星「いいや! この《スターダスト・ドラゴン》は、オレたちタッグチームの、ネオドミノシティの人々の、願いの結晶だ!」
鬼柳(いや、町の人たち関係ないだろ。てか今一瞬ここにいる人数が一人増えたような気が……)
――「今一瞬、《集いし願い》のあまりのまがまがしさに一瞬存在感が強くなった気がしたぜ」
遊星「《集いし願い》のもう一つの効果を発動! 《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を、墓地にあるドラゴン族シンクロモンスター全ての攻撃力の合計分、アップさせる! オレの墓地にいるのは2体のシンクロモンスター!」
ジャック「!? クロウの《ブラックフェザー・ドラゴン》が遊星の墓地に!?」
遊戯「そうか! あの時クロウは最後の効果で遊星にカードをドローさせていた! つまり、生贄にささげるモンスターも遊星の墓地に送っていたと言うことか!」
海馬「不動遊星……なんてヤツだ……!」
――「遊星のヤツ、そこまで考えて……」
ひゅーーーーーん!
スターダスト・ドラゴン「くぉぉおおおおおん!」
《スターダスト・ドラゴン》 ATK 2500→5300→8600
ジャック「こ……攻撃力、8600だと!?」
遊星「さらに《集いし願い》は、墓地のシンクロモンスターをデッキに戻すことで、このターン《スターダスト・ドラゴン》と指定したモンスター同士を強制的にバトルさせる! オレが指定するのは、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!」
ジャック「バカな……!!」
遊星「お前に敗れたクロウの想いをうけとれぇ!」
クロウ「頼むぜ! 《ブラックフェザー・ドラゴン》!」
ジャック「うおおおぉぉぁぁぁっ!」
ジャックLP4000→400
スターダスト・ドラゴン ATK 8600→5800
遊戯「ぃよしっ! これでジャックを守る盾は全て消滅した!」
遊星「これがオレの最後の攻撃だ!ジャック!」
きゅいぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいん!!!
遊星「オレたちの想いが、未来へ続く道となる!!!」
――ひゅごおおおおおおぉぉぉぉ!!
遊戯&海馬&十代&鬼柳&表マリク&○沢「うぉおおおおおおおおぉぉぉ!?」
遊星「《スターダスト・ドラゴン》! ジャックにダイレクトアタック! シューティング……ソニイイック!!!!」
ジャック「バカな!? キングが、このオレが負ける……だと!!? グあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!」
ジャックLP400→0
鬼柳「あ! ジャックがまたクラッシュした!」
マリク「決着がついた……」
遊戯「遊星が……勝ったのか?」
海馬「ふうん、なかなか楽しませてもらったぞ」
十代「それより遊星以外のみんながやばい事になってるんだけど」
――「ていうか遊星のやつ、《ドッペル・トークン》で攻撃したほうがジャックのダメージが小さくて事故にならなかったんじゃね?」

***

遊星「大丈夫か、ジャック!」
ジャック「……ぅ……っ…………バカな……キングであるオレが、三度敗れるなど……」
遊星「お前が《レッド・デーモンズ・ドラゴン》で決着をつけようとすることは読めていた……キングであろうとするプライドに、お前は負けたんだ(すたっ)」
ジャック「キングゆえの……敗北か……って、ちょっと、どこへ行く?」
遊戯「遊星!? ジャックを見捨てるのか?」
遊星「共に歩む道があるからこそ、オレたちは未来と言う希望の橋を渡ることができる!」
遊戯「へ?」
遊星「オレたちが今へと導びき共に過ごしたネオドミノシティ」
遊戯「へ~……」
遊星「オレたちの戦いはこれからも終わることはない、このデュエルで教えられたよ」
遊戯「ふ~ん……」
十代「で、ジャックはどうすんだよwww」
遊星「オレはこのデュエルで大切なことを思い出すことができた……だがその犠牲も大きかった」
十代「犠牲ってwww」
ジャック「待って!! これは事故だぁ!」
遊星「どんなカードでも存在する以上、必要とされる力がある。くずの一言でカードを否定するあんたに、デュエリストを名乗る資格などない」
鬼柳「へ?」
遊戯「なに!? そいつはどこだ!? 言☆え!」
海馬「そんなこと言ってないぞ!?」
十代(まさかの誤解!?)
――(そしてそのことになぜ誰も気付かないし!?)
ジャック「ふん! オレを誰だと思ってる。あんな小僧と一緒にするな」
遊星「だがオレはレアだぜ」
遊戯「意味不明」
鬼柳「そういや、さっきからクロウの姿が満足におがめねぇ! どこに消えた!?」
遊星「そうだ、クロウの姿がない!?」
??「クロウなら安心です」
遊星「!?」
ジャック「お……お前は……」
遊星「Z-ONE!!」
鬼柳「なに!?」
遊戯「だれ?」
鬼柳「えっと、イリアステルっつう組織がなんか未来からきて、でも過去にもなんか歴史を操ってて、でアーククレイドルをネオドミノシティにぶつけるとか何とかでアーククレイドルの原動力はモーメントの回転何だけど、なんか負の回転で……Z-ONEは本当は不動遊星で、でもそうじゃなくて」
十代「はあ?」
遊戯「なかなか意味不明」
表マリク「墓守の3000年の宿命か!?」
海馬「わかるように説明しろ」
鬼柳「まあ、ゴッズのラスボスだった男」
遊星「Z-ONE!なぜお前が……!? お前はアーククレイドルに自縛特攻したはずじゃ?!」
Z-ONE「はい、確かにあの時私のボディは消滅しました。ですがこんなこともあろうかと、あらかじめ予備を用意して置きました」
遊星「予備だと!?」
ジャック「なんだとぉ!?」
Z-ONE「まあまあ……ところで、クロウは私が未来の技術でネオドミノシティの病院へ送っておきました。さあ、ジャックも早く病院へ……」
ジャック「なんだと?! 敵である貴様がいきなりやってきてついてこいだと!?」
遊星「まあまあジャック。あいつは己を犠牲にオレを助けてくれた……信じていいのか?」
ジャック「遊星まで!?」
Z-ONE「はい。あなたとの戦いで破滅の未来は変わりました。もうあなたと戦う理由はありません」
遊星「そうか……もともとお前たちイリアステルは破滅の未来から人生を救うのが目的だったな」
ジャック「オレはしらんぞ」
遊星「Z-ONE! どうしてここが?」
Z-ONE「あなたの使用したカード、《集いし願い》が私の中の記録と反応しました。そこから逆探させてもらいました」
遊星「オレのカードが反応しただと? ……どういうことなんだ?」
Z-ONE「さて、悠長に話してる時間はありません。皆さん一旦ネオドミノシティまで来ていただきます」
遊星「お前の技術はそんなこともできるのか!?」
遊戯「なんだ?何の話をしてるんだ?」
Z-ONE「皆さん、集まってきてください!今からネオドミノシティへあなたたちをお連れします」
十代「えっ? でも、オレたちはもともとこの時代の人間じゃないよ!?」
Z-ONE「全てわかっております。イリアステルはあなたたちの時代にもいましたから。さあ、時間がありません。今から私が出現させるワープゾーンにみんな入ってください」
遊戯「Z-ONEの周りに不思議なフィールドが!?」
海馬「非ィ科学的だ!」
Z-ONE「いいえ、これは科学の力です」
海馬「……なかなかのしたたかさだ」
Z-ONE「それでは皆さんお集まりいただいたようですのでワープを開始いたします」

――ヒューーーーーーーーオオオオオオオーーーーーキィィィーーーーーーン

異次元トンネル内にて
遊星「こ、これは……」
Z-ONE「異空間トンネルです。すぐにネオドミノシティに着きます」
海馬「これほどの技術とは」
――「あぶない、あぶない。間一髪で乗り遅れるところだった」
遊戯「不思議なフィールドだ」
遊星「モーメント・エクスプレスの時の異次元に似ている……」
Z-ONE「そのとおりです。あなたは体験済みでしたね」

――

赤き竜「きゅお~~ぉおおぉんん~!(さ~て、そろそろみんなを元の世界に返してやるかな)」
赤き竜「!!? きゅお~~ぉおおぉんん~!(あれ? だれもいない!?)」

――

遊星「Z-ONE、お前のおかげで色々と助かった。礼を言わせてもらう」
遊星(ん? ……あれ? なにか引っかかるな……なんだこの違和感は?)
Z-ONE「いえいえ」
遊星「おかげでジャックもクロウも早い段階で治療ができた。時期回復するそうだ」
遊戯「へ~、ここがネオドミノシティか。高層ビルがすげぇぜ」
海馬「あそこに一段と高くそびえ立つビルは?」
遊星「あれこそが、モーメントを生み出した組織、海馬コーポレーションです」
海馬「モーメント?」
遊星「この町のエネルギー源となる永久機関です」
遊戯「未来の海馬コーポレーションは電力供給もするのか。よかったな、海馬」
十代「なにがだよ」
海馬「なるほど、納得がいく」
十代「それにしてもすっごい未来な感じだ!」
遊星(とうぜんだろ、ここはお前たちにとって未来なんだから。それにしても、さっきからなんなんだ、この妙な気持ちは? なにかをあと一歩のところで思い出しそうなんだが……)
海馬「で、オレたちは元の世界にもどれるのか? その技術とやらで」
Z-ONE「武藤遊戯、海馬瀬戸、遊城十代、マリク・イシュタール。あなたたちを好きな時代に送り込むことは可能です。ただ、私のようにロボットになっていただく必要があります」
――「おれは?」
遊戯「オレは遠慮しておくぜ」
海馬「断る」
十代「ロボットかぁ! カッコよさそうだけど、ロボットになったらメシ食えねえよな」
Z-ONE「そうですか、困りましたね」
遊星「Z-ONEどうだろう? わが社に来て見ては?」
Z-ONE「海馬コーポレーションにですか?」
海馬「いつから海馬コーポレーションは貴様の会社になったんだ?」
遊星「えっ?」
海馬「ふうん……」
遊戯「海馬! これ以上の追い討ちは、オレたちデュエリストのプライドに傷をつけるぜ」
遊星「Z-ONEの技術力を使えば、モーメントの研究も『フォーチュン』も目覚しい開花を遂げられるはず。オレたちは、Z-ONEのような人材が必要だ! もしかすると遊戯さんたちを元の世界に戻す技術を開発することだってできるかもしれない。お前にとっても悪い話ではないはずだ」
Z-ONE「しかし、私はあれほどまでにネオドミノシティを犠牲にしようとしてきたんですよ。今更市民が黙ってはいないでしょう」
遊星「いや、オレの管轄で極秘裏にお前を研究所に招き入れる」
遊戯「そんなことができるのか?」
遊星「いわゆる」
遊星「権 力 っ て ヤ ツ だ (キリッ)」
海馬「ふん、ゲスの考えそうなことだ」
遊星「Z-ONEにいてもらうだけでも大分助かる」
遊星(Z-ONEは機械だから、アシストコンピューターにつなげばZ-ONEの全ての記憶にありつけるかもしれない。そうなれば世界を掌握するのも……)
Z-ONE「時間の問題……なんて考えているのではないでしょうね、遊星」
遊星「なに!?」
Z-ONE「過去と未来の記憶の大半は本体のほうにあった。よって、予備の子の体には必要最低限の記憶と記録しか残っていませんよ」
遊星「…………」
遊戯「何の話だ?」
海馬「どうせくだらん事でも考えていたのだろう。ほうっておけ」
Z-ONE「まあいいでしょう。時空ゲートの開発に成功すれば、意図的に時代を行き来することができる」
十代「それってやばくねえか?」
遊戯「ああ、パラドックスの例もある」
遊星「だがそのおかげでオレたちはこうしてめぐり合えた。もちろん悪用すれば世界は危険にさらされるが、それでもあなたたちを元の時代にもどさないと」
三沢「ていうかそれもこれもサイボーグのおっさんが勝手に連れてきたからだろう! 赤い竜が俺たちを元の世界に戻してればそれでよかったじゃないか」
遊星「そうは行かない!」
三沢「え!? 初めてレスをもらった!」
Z-ONE「はい、過去を改ざんしてしばらく三沢の存在感のパラメーターを上げておきました」
十代「なんと!」
遊星「遊戯さん、そして皆さん。せっかくですからしばらくこの町でゆっくりしていきませんか? 我々にはあなたたちを迎え入れる用意がある」
海馬「どうせ海馬コーポレーションの財力だろう」
遊星「まあ、そうなります」
海馬「まあ、結局は海馬コーポレーションはいつの時代も頂点を頂くと言うことだ」
遊星(なにえばってんだよ……)
遊戯「いいだろう。しばらくは未来を楽しむのも悪くないぜ」
海馬「フン、連中が我が海馬コーポレーションをうまく運営できているかどうかしばらく見ていてやろう」
十代「うわ~わっくわくしてきたぜ!」
三沢「なんだかオレだけいやな予感がするがな」
表マリク「姉さんを一人にするのは気が引けるが、まあ帰るまでの時間をわざわざ浪費することもない。ボクものったよ」
遊星「それでは早速皆さんをトップスに案内します」
海馬「トップスだと?」
遊星「はい、かつてシティでも最上階層が住んでいたエリアです。そこに海馬コーポレーションの接待用ビルがあります。各国首脳など、重要な来賓はそこに通すことになっています」
海馬「ふん、いいだろう」
遊星「Z-ONEはオレと来てくれ」
Z-ONE「わかりました」
鬼柳「遊星! オレはここらでクラッシュタウンに帰らせてもらうぜ。都会の暮らしじゃ満足できないからな」
遊星「わかった。元気でな」
鬼柳「おう。今度はオレともデュエルしろよな!」
遊星「ああ、もちろんだ」
ぎゅいいいいん
遊星「それじゃあみなさん! 改めてシティへようこそ!」
遊戯「ふっ」
海馬「ふうん」
表マリク「うん!」
十代「ああ!」
○沢「あ、そろそろZ-ONEの効力薄れてきたかな」
遊星「俺たちの絆はいつまでも続く! 己とカードを信じ、新たな道を切り開く勇気がある限り!」
シティに吹く風は、さわやかな海の香りで歴代の訪問者を歓迎しているかのようだった。晴れた空の太陽が、赤いD・ホイールに反射する。町のどこかで若き闘志がぶつかり合う。
「ライディングデュエル、アクセラレーション!」

Vol.1~fin

***

遊星(あ! そうだ、やっと思い出した! そもそもオレはZ-ONEと再びフライングデュエルしたかったのがきっかけで今回デュエルすることになったんだった! なんだ、、Z-ONEのやつちゃっかり生きているじゃないか! もっと早くに出てきてくれればデュエルができたのに……)

遊戯王5D’s~アフターストーリー

デュエリストの運命はいつでも波乱万丈! 平和が訪れても、退屈をもてあます遊星たちは一体今後どのような活躍をするのか!? いつだって戦いに燃える熱きデュエリストたちの、世にもへんてこなアフターストリーでした。

完読してくれた方はお疲れ様でした。有難うございますb

遊戯王5D’s~アフターストーリー

遊戯王二次作ならではの味が楽しめる!ファン必見の渾身の一作! ※遊戯王のネタをよく知っている人にしか意味がわからない表現がたくさんあり、ネタバレもたくさんあります。閲覧の際はくれぐれもご注意ください

  • 小説
  • 中編
  • ファンタジー
  • アクション
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-04-15

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work
  1. 4人で変則タッグデュエル編パート1
  2. 4人で変則タッグデュエル編パート2
  3. 4人で変則タッグデュエル編パート3
  4. 4人で変則タッグデュエル編パート4
  5. 4人で変則タッグデュエル編パート5
  6. 4人で変則タッグデュエル編パート6~終章