Occursum aliquando usque in diem

 一人っ子政策、元々は増加していく人口に終止符を打つためだった。双子以外の二人目が一世帯で生まれた場合、その子の戸籍は国から剥奪される。ただし、罰金を払えば、二人目の戸籍は存在する。
 もちろん罰金なので、ちょっとやそっとで出せる金額ではないのは明白。大都市の平均年収の三から八倍だから、まずごく一般的な家庭は出せるはずがない。国もこんなことをしっかりと念頭に置いたうえでの金額設定だったのだろうと思う。
 だけどここ数年想定外のことが多発。

――人身売買

 男の子であれば高値で、女の子であればもっと高値で売れるとだけあってブローカーたちはごぞって二人目が生まれた「ある意味不幸」な家庭を介しては、二人目と引き換えに多額のお金を渡す。

―――黒孩子(ヘイハイズ)

 彼らは私たちをごぞってそう呼ぶ。すぐ近くの国ではありえないと、地方のテレビ局が私たちを取り上げることがあるらしいけど、私たちには戸籍がない。彼女たちのように学校にも行けず字を読むこともできず、戸籍を持たないので当然のように医療機関にも当たれない。保険も適用されない。当たり前のことができない、これが私たち黒孩子の実態。

人物紹介


●香連凛-rin kouren
・幼いころに重度の肺炎を患う
・一応主人公
・中国の母親と米国の父親とのハーフ
・学校には肺炎で通えず
・だけど文字は読めるし書ける

●香連楼-rou kouren
・凛の異父兄妹
・日本へ留学

●梅華-baika
・黒孩子の一人
・中国南部出身
・両親不明
・左肩に小さな火傷有り

●江桜華-ouka kou
・首都出身
・良家のお嬢様育ち
・父親は弁護士に母親は秘書
・金持ち
・成績優秀
・運動音痴

●江蓮花-renka kou
・首都出身
・両家のお嬢様
・桜華の双子の妹
・頭はさほどよろしくはない
・運動神経抜群

●惟尚-isyou
・黒孩子の一人
・北部出身
・文字の読み書きはギリギリ出来る
・男

●李依-rii
・黒孩子の一人
・北部出身
・惟尚とは仲がいい
・母子家庭
・男

第一話



執筆中

Occursum aliquando usque in diem

Occursum aliquando usque in diem

重度の肺炎を患った事のある、暮らしに何一つ不自由がなく過ごしていく少女、凛と、黒孩子(ヘイハイズ)たちの物語。何かを変えることも歴史の英雄となることもできないけど、それでも彼らが懸命に生きていく様を書いていく予定

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-04-13

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 人物紹介
  2. 第一話