私の日常
冬に近い寒い朝。
「ハァーー」
吐く息は白く、首に巻いたマフラーをなびかせ、私は自転車をこいでいた。
信号が青になるのを待ってる間、息で手を温め再びペダルをこぎ始めた。
ペダルをこぐ足を邪魔するように制服のスカートがまとわり付いて重く感じた。
「ハァ、ハァ、ハァ…」
やっとの思いで橋を越えると…。
あなたは照れ臭そうに待っていた。
たぶん私の顔は、たどり着くまでずっと、ほころんでいただろう。
「おはよう」
と、あのいつもの優しいあなたの声。
「おはよう。今日も寒いね」
「そうだね…」
無言になる二人。
彼は照れくさそうに、頭をかき「行こうか…」と呟く。
そんな仕草も私は好きだった。
「うん…」
いつも二人で登校する。
そんな日常…。
- end -
私の日常
原稿用紙1枚未満のショートショート。