幸福論だよ。いいや、嘘はダメだ②

2章 私は嘘つきだから本物を偽る
嘘について話をしよう。
コミュニケーションにおいて嘘はある程度潤滑油的な機能をしているとの研究がある。全く嘘をついてはいけない状況になるとコミュニケーションは滞る。我々は言い訳や責任転嫁などの嘘を無意識的に行うが、通常これらは正常の範囲内である。心理学・精神医学的に扱う異常の症例では虚言癖や作話症などがある。

 多くの文化において、嘘は悪いこととされるが、嘘の中には文化的に許容されるものがある。どのような嘘が文化的に許容されるかは、その文化の性質を反映している。

 事実に反する事柄の表明であり、過失や無知ではなく、故意になされたものを言う。日常会話で将来的な予想を外したことに対して「あんなこと言ってたけど、嘘だった」と言う用法が少なからず見られるが、これは誤用である。嘘は他者もしくは自分を欺くために用いられる。事実に反することが聞き手にあらかじめ了解されている場合は、嘘ではなくフィクションや冗談といったものに分類される。嘘をつく動機や技術、事実との関係などによって、嘘は正負、両方の効果を及ぼしうる。

 嘘の意を含む「ガセ」とは、一部の業界で使用されていた元隠語が一般に普及したものであり、もともとは「偽物」のことである。
 結論を言おう。なるほど、わからん。

「ははっははは、おもしれー」
 俺の眠気とともに笑い声が教室に飛んでいく。少しうるさくなってきたので修也を睨みつける。
「あーわるいわるい」
 涙ぐんだ目を拭きながら軽く謝る。何が面白いのかわからん。いや、わかるけども
「それにしても面白い部活だね。僕もはいろっかな?」
 お前が紹介したんだろ。いやマジで変な部活に入ってしまったよ
 今日も教室はガヤガヤさんが教室をうるさくする。話題の中心は多分橘だろうなんて言ったって昨日の百合の噂が収まってないからな
「橘さんが嘘つきねぇ」
 なにか企んでいるような危ない笑顔をする修也の目の先にあるのは橘
「何企んでるんだ」
「何も企んでないよ。ただ面白いなぁと」
「部活のことか?」
「違うよ。橘さんが面白いんだよ」
「何が?」
 それを聞くとピクリと眉を動かして小馬鹿にしたようにしゃべりだす
「橘さんの名前さ。マミって「真実」って書くだろ。でも橘さんは嘘つき・・・面白いと思わない?」
 くだらないと思う。呆れたようにため息を着くと修也がむすっとする
「それを言うとトウマも名前に「本当」って付いてるじゃないか。案外橘さんとお似合いじゃないのかな?」
「ありえん」
「なんで?」
「名前で気が合うわけ無いだろ。それだったらおなじ名前の奴がみんな仲がいいみたいになる。それに―」
「それに?」
 修也を見るとニタニタ笑ってやがる。こいつ完全に楽しんでるな・・・
「単に興味がない」
 それを聞いて修也は呆れたようにため息をして頭を抱える
「またそれ?そのネタ飽きたよ」
 ネタじゃねーよ。バカ
「まぁ、トウマが人に興味持つなんてめったにないからね」
「うるせっ」
 いじけたように、口を尖らせてそっぽを見る。視線の先はやはり誰もいなく反対側にいる橘のところにクラスの大体は移動してる
「ねぇトウマ」
 肩を叩かれたので修也に目線を合わせる。いつもの笑顔はどんな時でも変わらないな
「なんだよ」
「ここからはちょっとシリアスなんだけど」
 その説明はどうかと思うぞ
「なんだよシリアスって」
「奈々のことさ」
 俺は一瞬顔が曇った。そしてその場を立ち去る。自分の席はまだクラスの連中でいっぱいになっているが立ち止まらないようにした
「一週間後、田村病院、面会時間3時間。行くも行かぬもトウマ次第♪」
 まるでふざけたように歌っていた修也は俺の背後を見て笑顔を崩して授業の準備を始めた。
俺はしっかり修也の声を聞きとり人をかき分けて自分の席に座るがやはりうるさいな・・・
キーンコーンカーンコーン
救世のチャイム先輩がいらっしゃった。チャイム先輩がやってくるとクラスの全員が自分の机に向かう。橘も「ふぅ・・」と、深いため息をついて授業の準備を始めた
授業は今日もつまらなく時間がどんどん流されていく。俺の頭の中には奈々のことがずっと残っていた。

授業が終わり部室へ向かう。前も思うがこんなところになんで部室をおいたんだろう。いや、別にいいや
部室のドアを開けると橘が一番乗りしていた。俺は挨拶もなしに近くにある椅子に座る。文庫本を取り出しパラパラめくるが一度見た本だから面白くない。本棚にある哲学的な本を一冊取り出しパラパラめくる。挿絵があるページを止まりそのページを読み出す。これがうまく書いてあって読みやすい。これだといい暇つぶしになりそ―飽きた。

幸福論だよ。いいや、嘘はダメだ②

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幸福論だよ。いいや、嘘はダメだ②

シリーズ第2弾!今回は連載でやってます 今回のお話は「嘘つきの幸せ」 嘘つきだからこそ本物は腐ってるもの この世界がどうであろうと私は本物の幸せを探してみせる だから私は・・・・・嘘をつく

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-04-12

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