至上最弱のアンドロイド

世界一最弱なお助けアンドロイド17【ひな】は、手がない。
ある火事がきっかけで手をなくした。
そう、全ては火事の被害者の為にーーーー

嫁と息子を失った暗い過去を持っている弱気な青年・神崎と、その一番の支えとなっている親友・黒木。
そして、お助けアンドロイドの17。

この世で一番人間らしいの心を持った世界一弱いアンドロイドの戦いが始まる。

アンドロイド

今から少し先の話をしよう。

その世界で生きている人間すべてが機械に頼り、生活している。

その中でも、17【通称・ひな】というアンドロイドだけは人を助けられないといわれる。

何故なら17には"手"がないから。
人間が一番初めに作ったアンドロイド17が初めて仕事をした日、17は炎に包まれた家の中に一人で入って全員を救出した。そのかわり、手がなくなってしまった。

制作者側は表に出さずに処分してしまおうと考えた。
でもある時、チームの一人の男・神崎が、

「17を世間に出したい」

と言い出した。

勿論、周りは反対したよ。
こんな未完成なジャンク品を出したら笑われるってね。

そうしたら神崎は、「制作費も何もかも17に関する金ならいくらでも出す」って言ったんだ。

周りは肯定も否定もしなかった。
ただ、神崎がたった一人で17を開発していくのをぼぅーと見ていたのさ。

後でわかった事なんだが、神崎は火事で嫁さんと息子を亡くしているんだ。
自分だけ助かって、嫁と息子を助けられなかったっていう気持ちが神崎にもあったんだろう。
だから、そんな炎の中に自分を犠牲にしてまで行った17を尊敬したんだろうな。

日常 【表】

「アンドロイド番号0017、起床。」

至上最弱のアンドロイド

至上最弱のアンドロイド

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-07-01

CC BY-NC-ND
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CC BY-NC-ND
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