ドラゴン

ザ・インタビューズの「300文字小説グループ」でのお題です。お上手とはいえませんが300文字以内です。

ドラゴン

 本物のドラゴンを見たことがあるだろうか。それは西洋のドラゴンの形式を成しているのか、東洋のドラゴンの形式を成しているのか、確認したことはあるだろうか。
 今僕の目の前にはドラゴンがいる。どちらの体も成してないドラゴンだ。生まれたばかりのようだが立派に鱗が付いている。目玉は蛇のような金と黒で見事な球体だ。一目で魅了される。
 一枚だけ落ちた鱗を手に取る。するとわたしはドラゴンと同一化した。わたしの目に映るのはドラゴンの目に映るものだった。わたしという具体的な身体は消えたようだ。
 恐らくこれからもドラゴンは確認されないだろう。なぜなら、みなわたしのようにドラゴンに魅せられ同一化してしまうだろうから。

ドラゴン

ドラゴン

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-04-10

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