お前なんかピーマン食べれる体質になっちゃえばいいんだ!

ザ・インタビューズの「300文字小説グループ」でのお題です。お上手とはいえませんが300文字以内です。

お前なんかピーマン食べれる体質になっちゃえばいいんだ!

「いつから?」
 久しぶりに会った友達が椎茸のてんぷらを食べている。昔は食べられなかったはずだ。
「いつだったかな。接待のときに会席で出てきてさ、食べんわけにはいかんでしょ」
 理由になってない、と私は言う。けれど彼女は「そうだもん」としか言わない。
 そんなものかもしれない。思い込み、いやむしろ洗脳。イヤだ嫌いだと思っていたことは、実はただの若さという意地だったのかもしれない。
「あんただってしし唐食ってんじゃん」
「あたしがダメなのはピーマンで」と反論するが、彼女は鼻で笑う。二人は今年30になった。
「そうやって、お前なんかピーマンも食べれる体質になっちゃえばいいんだ」
「お前もだ」
 二人して笑った。

お前なんかピーマン食べれる体質になっちゃえばいいんだ!

お前なんかピーマン食べれる体質になっちゃえばいいんだ!

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-04-10

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