お前なんかピーマン食べれる体質になっちゃえばいいんだ!
ザ・インタビューズの「300文字小説グループ」でのお題です。お上手とはいえませんが300文字以内です。
お前なんかピーマン食べれる体質になっちゃえばいいんだ!
「いつから?」
久しぶりに会った友達が椎茸のてんぷらを食べている。昔は食べられなかったはずだ。
「いつだったかな。接待のときに会席で出てきてさ、食べんわけにはいかんでしょ」
理由になってない、と私は言う。けれど彼女は「そうだもん」としか言わない。
そんなものかもしれない。思い込み、いやむしろ洗脳。イヤだ嫌いだと思っていたことは、実はただの若さという意地だったのかもしれない。
「あんただってしし唐食ってんじゃん」
「あたしがダメなのはピーマンで」と反論するが、彼女は鼻で笑う。二人は今年30になった。
「そうやって、お前なんかピーマンも食べれる体質になっちゃえばいいんだ」
「お前もだ」
二人して笑った。
お前なんかピーマン食べれる体質になっちゃえばいいんだ!