自由でいたい

みぞれ混じりの夕暮れ
ビルの片隅でひとり雨宿り
やせた野良犬が僕をみつめている
手にあるコロッケを半分投げてやる
それをパックと食べると
尻尾のひと振りもせず
クルッと向きを変え
ヨタヨタと歩いて行った
僕は野良の後姿に投げかけた
愛想良く飼われていれば
ぬくぬくと温かな家で
うまい飯にありつけただろうに
それでもお前は
無愛想なままで生きていくんだな

自由でいたい

自由でいたい

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-04-06

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