あたしの……初恋…?
ちょっと息抜きで書いたものです。
今、あたしはデートの待ち合わせをしている。
あいつが来るのを待っている時は長く感じた。
あたしがそうなることなんて以前のあたしなら全くなると思わなかった。
でも、今そんなことになってる。
どうしてこうなったんだっけ・・・。
考えてみた。
5ヵ月前…
生徒会長のあたしは毎日…とまではいかないけど生徒会の仕事と部活で忙しかった。
日によっては部活よりも忙しい事もあったりした。
あたしに「恋」はないと思っていたし、する気なんて全く無かった。
ある日、いつものように授業が終って生徒会の仕事に執りかかろうとしていた。
少し疲れていたものの仕事が終わったらこのままテニス部に行っても大丈夫と思っていた。
その生徒会の仕事の途中…
「投書箱はどこでしたっけ?」
そう書記に言われていつものように
「2階の職員室前でしょ。あたしが取りに行くわ。」
と答えると
「それより会長は少し休んだらどうですか?無茶してませんか?」
「大丈夫。あ、投書箱回収したらあたし部活に行くから」
「議論は明日ですか?」
明日…?今日は金曜日だから…
「明日って土曜日だから休みよ。議論は月曜日ね。」
「あ、そうですね…ではそのように連絡しておきます。」
あたしは投書箱を取って生徒会室に置いた
生徒会室の鍵をかけて職員室に戻した。
さてと…テニスラケットは部室にあるから……
そう考えてた次の瞬間廊下にあたしは倒れた。
気がついた時にはあたしは保健室にいた
普通に考えて過労が原因のようだ。
「すみません、あたしをここまで運んだのは誰ですか?」
「えーと確か…」
その名前に聞き覚えがあるような…
あの不良問題児のことかな…?
ふと時計を見ると5時過ぎになっていた。
部活は遅くまでやってるだろうからとりあえず部活に向かうことにした
するとあたしを助けた(と思われる)奴に会った
「大丈夫か?まったく…廊下でぶっ倒れていたから運んだんだが…」
ああ、やっぱりこいつか。変なことになりたくないものだ。
「べ、べつにいいわよ、とりあえず感謝するわ。でも借りにしないわよ。」
長話せずにさっさと部活にいこうっと。長話すると部活が終わりそうだ。
部活が終わって家に帰ろうとすると同じクラスの子が
「あんた彼氏とかいるの~?」
「いないわよ。」
「学生なんだし年齢=彼氏いない歴のあんたは一回くらい男子とつきあってみたら?」
そんなことどうでもいいわよって感じ。正直べつにいなくてもいいでしょ。
「興味無いわ。」
「またまた~本当は気になる人いるでしょ~。」
高校になって3回フラれたこの子に言われても説得力無いような気がするけど
聞いたところによると最短1ヶ月でフラれたことがあるとかないとか。
今付き合っている人がいるらしいけど…どうなるのやら
「いてもほっとくけど。」
「あんたもしかして独身貫く気?」
「別に気にしないかな、独身でもね。」
そもそも今一人暮らしのあたしは今がいい。
「家柄」とかきにする必要ないわけなんだし。
そういう会話をしながらこの子と分かれて
あたしは自宅に帰った。
料理は「割と」できるほうなので食材があればいいだけ。
いつも通り料理して食べて風呂入って寝た。
その日は夢は奇妙だった
というのも今日あたしを助けたあいつが出てきたけど
なんでかあいつが恥ずかしそうにしていた
こいつに何があったのだろうか
別になにかしたってわけじゃないけど…
なんか面倒なことになりそうだ
ああ…明日こうならなければいいのに
そう思ってると突然目の前のあいつが
「お前に言いたいことがあってな…俺―――」
ここで夢が途切れた。
なんだろうあの夢は。
とりあえず変なことにならないことを望もう。
さて今週末も合計24時間時間勉強でもしますか。
定期テストが2週間前だし
今回も学年1位を狙うけど。
しかしいまいち勉強に身が入らない。
なんで入らないのかまったくわからなかった。
気になることなんてないのに…?
でも何も考えなかったら勉強に身が入るから気に留めなかった。
月曜日
今日も弁当作って学校行った。
学校についたがもちろん生徒会長の仕事は忙しい。
もう文化祭が3ヶ月後だ。
今からというのは早い気がするが
体育祭は終わったから次の行事の準備だということらしい。
ほかに今日は投書箱の中身を確認と、生徒会の議論がある。
投書箱自体投稿される量が少ないのでそうかからない…はず。
議論はそんなないだろうし今日は楽だろう
バッグを開くと書類が多いがこれは避けようがない。
生徒会だし何に関しても書類が付き物だ。
クリアファイルには付箋の付いた紙がいっぱいある
整理しようにも時間がないのよね。
…まあ、整理しても付箋使わないと大変なことになるけどね。
昼休みになってあたしは一人屋上へ行った。
普通は誰もいないから落ち着くところなんだけど…
今日は違っていた。
というのも普段通りに昼飯を食べていると
なぜか男子達がやってきた。何をするために来たのか。
あの不良生も一緒だ。
「おまえあの生徒会長の事が気になるんだって?」
「ねぇよ。あいつのどこに魅力があるんだよ。」
あたしの話題で盛り上がりながらこっちに来た。
しかしあたしが物陰にいて気付いてなかったのか
あたしを見てかなり驚いていた。
「うわ!こんなところで飯食ってるのかよ!」
あたしは普通に、
「どこで食べてようが関係ないでしょ。」
「いや誰もいないところにわざわざいくのはおかしいだろ。」
おかしい?なにが?ここ開けてるのはあたしだよ?
すると一人がその前の話の続きをした。
「それにしてもこいつかわいいか?」
「見た目清楚なんだけどなぁ…魅力を感じにくいというか。」
なんだろうか、あの不良生が気になるような…
かっこいいというわけではないのに。
あの助けてくれた時から・・・?
ううん、気のせいだ。そんなことはない!
時計を見ると次の授業の時間に近いようだほっといていきたいけど…
鍵は普段通りあたしが持っているし、もちろん返す必要があるわけで
全員屋上から戻らないといけない。
しかしこの男子達は何度言っても戻ろうとしない。
男子に処理を任せようにもこのままここに居そうな気がするので、
あたしは強硬手段に出ることにした
というのも単純に引っ張って行くという簡単なことだけど。
一応これでもテニス部なので力はあるから苦労はしない。
全員校舎内に連れて鍵を掛けて急いで鍵を戻して次の授業の準備をする。
幸い次は数学で自分の教室だ。席に着くとすぐに授業が始まる。
2次関数は予習済みだし、正直まだ楽だ。
放課後になって生徒会の会議の時間になった。
投書箱が開けられるとかなりの紙が出てきた。
普段は数枚でてくるくらいだから疑問に思った。
金曜日の分と比べても格段に多い。
金曜日の分と一緒だから整理するのは大変だ。
中身を確認すると明らかに男子が書いたものだろう。
一応普通の要望だし過度に気にする必要はない。
と思ってある1枚を見てみると…
『生徒会長さん、後で2-4に来てくれませんか?』
明らかに私情だ。しかも名無し。
即行破り捨てようと思ったが、投書を破るのは会長として宜しくないので自重した。
さて…投書は自動販売機の飲み物の質問メインだ
これには…直接先生に訊くしかない。
というわけで書記に頼むことにした。
(実際は書記が自発的に訊いてくると言い出しのだけど)
後は特に必要なことはないので会議は終わりだ。
さて、あの投書を書いた人を問い詰めますか。
今日は部活が無いわけなんだし。
2-4の教室にはあの不良問題児がいた。
「あの、投書を書いたのはあんたなの?どういうつもり?」
なんでかこいつの頬が赤い。
それにしても、金曜日の夢と同じ光景だ。
「お前に言いたいことがあって…俺、おまえが好きなんだ。」
「わぁーーーーーーー!!!!!」
あたしはつい叫んでしまった。
あの夢がこんな形になるなんて!!!
あたしがこんなやつが好きになるか!!
と思っていると突然抱かれた。
「素直になりましょうぜ。生徒会長さん。」
こいつの顔が近くてあたしの唇に触れそうだ。
「き、気安く呼ばないでーー!!!」
あたしは普段と全然違う話し方になっていたけど気にしなかった。
「じょ、冗談はやめてよ!!!!何考えているの!!!」
「そのままだけど?」
「屋上で言ってたことはなんだったの?!」
「嘘だよ。好きなのをあいつらに知られたくないし。」
「え…?」
あたしは恥ずかしいのを堪えて肘打ちをして、家に帰りたい。
でもどうしても出来ない。
あたしの心臓の鼓動が速いのを感じる。
「…大丈夫か?おーい生徒会長さーん。」
あたしは赤面して動けなかった。
どうしよう…
このままでいたい…そんな気がする。
あたしの……初恋…?
止め処のない想いが暴走したりするのは面白いですがこういうのもいいですよねっ。
pixivにもありますけどね(もちろんあっちに入れたのは自分ですが。)