緑青の壁。
えーと、お久しぶりです、鳥兜文月です\(^o^)/
前作を全て消してBL投稿です。
閲覧注意です。
ストーリー設定がわかんねぇよー!ってなったらこえ部で私のお題を読んでください。
適当で申し訳ありませんがどうぞ!
オリキャラBLですよー。閲覧注意。ストーリー設定がRPGで、ヒットマン×忍者です。
俺が有からの仕置きと言う名のハッキリ言って性処理を二度受けてから何ヶ月かの時が経ちました…。
相変わらず俺と有の仲は特に喧騒を見せる事もなく、二日後位には何事も無かったかのように形を取り戻すものです。
ー俺が冷めてるのでしょうね…ー
小さい頃から愛情なんてモノとは程遠い独りの世界を作って、心を開くにもそう言ったモノを注がれる事も注ぐ事も諦めていましたし…
いや、もともと注がれても汲み取る器が無いんです。
注がれて羞恥を感じる事ができてもソレを喜びに還るなんて俺には到底無理で…難易度どころの問題じゃなくて…。
だから気持ちなんて知ったことでは無いんです。
*
外はもう暗くなっている。
周りから音はスズムシの鳴き声ようなものしか聞こえず、特に睡眠妨害になるほどの音はしていなかった…。
「…っ……。」
青い目が薄く開く。
半分鍛練のようにと始めた立ちながら寝る方法…まぁ、結果は見えていたがリラックスは出来ない。
「失敗…ですね…。」
一つ溜息を零して修行で疲弊した重い身体を慣れないベッドに横たえる。
干したばかりなのだろうか、顔をうずめた布団から天日の香りがして心地良い。
立ったまま寝られれば緊急時にすぐに行動出来ると踏んでいたが、思っていた以上に体力の消耗が激しいのか細い脚は見た目通りの限界を来たしていた。
「情けないです…ね…。」
自虐に走るも欲求にはどうにも逆らえないようで恐ろしい眠気に襲われた…。
意識を手離すのは気が引けるが、とろんとして来た目を開く事は出来ず闇へ落とした…。
薄暗いは闇へと変わって男児を包んだ。
*
「珍しいなぁ…」
やっと焦点が定まってきた目を隣のベッドでうずくまる自身より一回りか二回り位小さな身体にやった。
他人から見れば何でも無い朝の光景かもしれないが緑の眼には異様だ…。
いつもなら自分より先に起きて起こしてくれる奴が寝起きの自分の隣でまだ寝ているのだ。
「グッスリ眠っちゃってるなぁ…」
日頃のストレスだろうか、青い髪をかき分けて目立ちはしないがうっすらと浮かんでいるクマを人差し指の背で軽く撫でると鬱陶し気にピクッと瞼を震わせるも、寝足りていないのか起きる様子が無い…。
朝食の時間にもまだ少し有るからと伸ばしっぱなしの前髪を耳にかけてやり血色の悪い頬に滑らして猫をあやすように撫でたりして、頭に手を置こうとした時だ。
突然、今まで吐息と同時に動いていた小さな上半身の右手が恐ろしい反射神経で自分の手首を捕らえた。
「っ…」
「…寝ボケて動物でも見えましたか?有。」
綾の握力がやけに強くて続行は不可と認識できた。あまりやり過ぎても本人の疑心を拡げるだけだ…。
「あ、おはよ〜☆綾さんの枝毛を取ってあげようと思っただけだよ♪」
「…。」
こんな調子で応えてやると、まだ眠た気な顔は溜息をつきながら上体を起こし、壁にかかった服を少し背伸びして取りながら寝巻きとして使っている薄地の着物を肩から下ろしていった。
「…………」
自分の相棒にはどうやら自覚と言うものが完全に欠落しているようだ。有自身、早朝から盛る気はさらさら無いが、自身を二度も襲った者の前で脱ぎ出すとは本物の馬鹿だと目を逸らす。
横目から見える他人より少し白い肌が黒と水色の忍装束で包まれると「貴方も早く用意して食事に行きますよ。」と何でも無い無機質な声で呼びかけられ「うん。」とだけ応えて先に行かした。
「…はぁ……」
自分の使っていたベッドに腰を降ろすとどうしようもない遣る瀬無さに溜息が出る。
何でこうなったんだろうか?
最初はただ綾の酒乱を自制させる為に罰として綾を抱いた。他のメンツが酒に弱くてあそこまで酷かったとしても自分がこんな行動に出る事はまず無い。
だからと言って綾が相棒だからと贔屓に見たりもしないが…何が違うんだろう…?
「有、遅いですよ?」
思想の波に飲まれる男児は悩みの種の張本人の声に「あぁ、ごめんごめん」と上機嫌な声を響かせて足をそちらへ向かわせた。
*
朝食を食べるとパーティのメンバーは個々で家事を分担して次の宿移動の為の準備を進める中、有と綾は鍛練に勤しんでいた。
ついでに魔物を狩っておけば後のパーティの資金にもなる。
それが二人の日常だった。
別行動をしてどれだけの魔物を狩れるのか競うのだ。
「うーん、これ位でいいかなぁ〜」
パンパンと手を払って銃の餌食となった魔物達を袋に入れて有は帰路を歩む。
今回は綾に勝てたのだろうか?
特に勝敗を気にしてはいないが、相手がどれだけ狩ったか位の興味は有る。
有る程度宿に近い所まで来ると近くの幹に腰をかけて綾を待った。
やはり今日は変な日だ。いつもなら綾の方が先に帰ってきているのに…。
「何だろう…」
胸騒ぎがした。
「っ!」
道の奥から人影が見えた。
ここからではまだ小さな物体だが分かった、綾だった。
みっともないとは思ったが異変に気付いてスーツに飛ぶ泥を無視して走った。
有る程度の距離まで行くとあっちも気付いたのか下を向いて歩いていた綾が有の顔を目の前にした。
「おや…?有、どうしたんです?そんなに慌てて。」
「はぁ…はっ……」
普段あまり走らないからか酸素を欲して息切れしていた有だったが、少し息が整うと綾の左肩に目を見やった。
「どうしたの…それ…」
綾の左肩には明らかに獣に咬まれたような傷が忍装束の中のタイツ地を破いて大きな傷が朝に見た白い肌から現れていた…。
綾は左肩に目を移すと、「あぁ、これですか?」となんでも無いような顔で話し出した。
「四体の魔物を相手にしていた時に別の大型魔物が現れてよけ切れずにってところですね…」
「っ…!」
そんな状態で何故すぐに帰って来ないのだろう…。もう理解不能な域でどうしようもない。
一番不思議なのは有自身がすごくイライラしていた事だったが、今はそれどころじゃない、手当てが優先だ。
「へ?ちょっ、有!?」
突然引っ張られて驚いた顔をした綾を有は無理矢理背に乗せて足を急がせた。
「あの、そんなに大怪我でもありませんし…、下ろしてもらって結構ですから…」
「…黙りな。」
「っ!」
降ろすように促した綾の声を一言で圧すると、有は足早にそらの元へ向かった。
*
全治二ヶ月。綾がそらに言われた診断結果は二ヶ月安静にという意味を込めていた。
宿のベッドで不服そうに寝転がる綾の左肩には怪我にしては少し大げさな包帯の巻かれ方がされていた。
「これ位なら自分で治療できましたよ…」
と、零した。
要するに『二ヶ月も休めと言われる事も無かった』と言いたいのがよく分かる。
「何言ってんの…それで全快しなかったら後悔するだろ?」
駄々っ子をなだめるように隣のベッドに腰かけて有が話すと綾は不機嫌の色を変えないまま愚図る。
「関係ありません…。」
「…………。」
本当に何なんだろう…。
有の片手が綾の横たわる頭の横に押し付けられる。
「それ、本気で言ってるの…?」
「……?有…?…っ!?」
突然上に来られた事で頭が回らない綾の着物の中へ手を滑り込ませると、察したのか有の左腕に負荷がかかった。
「手、邪魔。」
「っ!」
食い込んでいる綾の右手爪を払うと有はそっと綾に顔を近付けた。
「君は自覚が足りな過ぎるよ…皆だって君が怪我をしたら心配するんだよ?」
「っ…だから…って…何でこういう事にな…ぁっ!?」
突然求められた事に不満を感じたのか抗議しようとした綾の口は滑り込んだ有の指先が小さな赤い実を摘まんだ事に驚きと艶を含む声を発した。
「お仕置きは酒乱の時だけとは決まってないだろ…?」
「ぁ…っ屁理屈で…す……ふぁっ!?ぁっ!」
抵抗の意を見せようとするも足の間に割って入った有の膝が擦るようにそこに触れると先刻の比でないような声が漏れる。
「ぃ…ぁっ…」
「ココって本当正直だよね〜胸摘ままれただけでこんなにしちゃって…」
「っ〜…黙りなさ…っぃ!?ぁっんん…っ!」
慣らす為に挿れられた有の長い指を苦しそうにくぐもった声を出しつつ享受する所を見ると、綾自身にも諦めがついてきているのだろう。食い込んでいた右手の握力も徐々に弱まっていった…。
「あれ?もう諦めるのー?綾さんにしては早いね〜」
「っ…ぁ……ど…ぅせ…」
「…?」
『どうせ』と聞こえた。
綾が何か喋ろうとしている事に気付いて挿れていた指を一旦引き抜くと、荒い息遣いながらにも何かここに無いものを見るような目で綾の口が動く。
「どう…せ…二人して性処理してるに…過ぎないんです…よ…。」
「っ!?」
「だって…そうでしょう…?悔しいですけど…俺も…出してるんですから…。」
「…………。」
ムカついた。
『性処理』と言う言葉に有の中で張っていた糸が切れた。
何でこんなに腹が立つのかが分からないが怒りに身を任せるしかなかった。
「あっそう。」
こう一言言うと、有は自身のベルトのバックルを緩めて自身のモノをまだほとんど慣らしてないそこにあてがった。
「へ…?有…?ちょ、やめ…っー!?ぅあ…ッーーー!?!?」
「…。」
突然打ち込まれたソレに伴うのは快楽なんて打ち消してしまう、予想をはるかに超えた痛みだった…。
「痛っ…ーッ!?!?…んぁ…」
「…僕の性処理に君の快楽なんて必要ないでしょ…?」
「…はぁっ…ぁ…」
生理的に溢れた涙が綾の目からボロボロ出ていった…。何かが爆ぜたような感覚に言葉が上手く発せれない…。
「ゃ…ぁッ…ぅあ…っ」
「動くよ…?」
「っ!?嫌!嫌で…すっ…動か…なっ…ッぁ!ぅ…ぁッ!?」
決定権など無いように拡がってない所の中で乱暴に動かれ怒り、悲しみどうこうより真っ先に生まれたのは恐怖だった。
「っ…何…?痛いのに感じてるの…?コレ…」
「っ…違っ…んんっ…ゃ…ぁッ」
身体の方は微量の快楽を拾い上げているらしい…。綾の腹に付くか付かないか位まで昂りが沿っており、大量の蜜を纏っていた。
「ゃ…ッんぁ!?ゆ、有…ッも、怖…ぃ…っあ!」
「……知らないよ…、出すからね…っ」
流石に全く慣らしてないので締め付けが強い…。それ故か有の方にも限界が早めに来ていた…。
痛みと恐怖で限界なグシャグシャで真っ赤な顔の綾を見下ろしながら中で熱を叩きつける。
「ッーーー!?!!?ぁっ!?ぁぁあ!?ーッ…」
「っ…はぁ…はぁ…………」
握られていた左腕は解放され、握っていた右手はパタリとベッドのシーツに沈んだ。
白んでいた脳を戻して見ると自身の服があまり汚れていなかった…。
「…出さずにイっちゃったんだ…」
「………」
返事は無い。
痛みと恐怖で失神まで追いつめてしまったようだ…。
何でこんなになるまで止めれなかったのだろう…。
力を失った菊座からモノを抜く時に小さな吐息が漏れたが起きる様子も無く、ただぐったりと涙を垂れ流して眠っている綾を見て『また自分を追いつめたんだ…』と気付かされる。
「ごめん…。」
発した音は薄暗い部屋に消えた。
*
「ぅ…ん…?」
目が覚めると昨日と違う布団の香りが纏った。
横を見やると自分が使っていたはずのベッドが目に入る。
ここは有のベッド…?
何故だろうかと思考回路を働かせようと上体を起こそうとした時だ。
「っ!?!!?いっ…た…ぁ…」
あまり無い腹筋に力を入れた瞬間、電流が走ったような痛みが腰に来た。
毎度痛い事だがここまでのは初めてでシャツから伸びる下肢がガクガクになっていた…。
「って…シャツ…?」
変装用具以外、基本的に着物しか持ってない綾にとってシャツはほぼ無縁な物…。
「有の…ですか…。」
よく見ると裾も袖も自分の身の丈よりかなり長い、すぐ分かった。
しかし持ち主がいない。
シャツを着せたであろう張本人はかけられていた服も着替えて寝室の外へ出て行っていたらしい。
まぁ、当たり前だ、日が差し込んでるのを見るともう昼間に近い。
「…。」
昨夜、何で有は怒っていたのか。
行為中は思考が飛んでいて考えられなかったが原因が『性処理』と言う言葉にあったのは覚えている。
…何が間違っているのだろう?
気分のいい言葉では無いが相手にそう言う類いの好意を持っていない限りそれは性処理に過ぎない。まさか好意があったとでも…?
「あるわけないですね、…馬鹿馬鹿しい…。」
そういった愛情やら感情を注がれても自分にとって何の感情にも変換されない。
されたとしてもそれは自分には訪れないであろう情だ。
起き上がるのが困難な身体を少しでも痛みを我慢出来そうな態勢にして目を固く瞑った。
*
あれから一週間が経っていた。
少し長くかかったが酷かった腰痛も何とか治まり、前までならこの流れでモヤモヤした雰囲気も消える頃なのだが…何かが違った。
二人の間に生じた喧騒はより一層色を濃くしていっていた。
話しても二言、三言という始末だ。
「………。」
イライラする。
何故かは分からないがいつもより確実に素っ気ない態度を取る有に柄にも無く綾はものすごくイライラしていた。
こう言う類いでのこの感情は初めてで手に負えない。
こんなの知らない。自分じゃない。
考えるしかない。
考えろ自分。
と、言う風に考えて行き着く場所は結局『分からない』だ。
しょうもないがこの前出せなくて溜まっているのだろうか?
「みっともないとは思いますが…背に腹は変えられませんね…」
*
「ん…ぁ……、はッ…」
やけに艶の含んだ吐息がまだ昼間の寝室に響く。
有がいる時になんてできるわけがない。朝食が終わった後にしか時間は無かった。
自分の使っているベッドに横たわりながら勃ったソレを手で慰めた。
「ぁ…ぅぁ…ッん…!」
微妙なもどかしい快感に『何かが違う』と本能が唸る。
嗅覚だ。嗅覚が違うと言っている。
フラフラとした足がたどたどしくも確実に目的の場所へと動き出す。
すぐ隣にあった有のベッドに顔をうずめると自分のシーツからもした天日干しの香りと、いつも一緒にいるのに何故だか懐かしい相棒の香りが混濁した。
これか…。
たかが香りだけでここまで違うものなのか。微妙だった感覚は麻痺でもしたかのように透明な蜜を生み出す。
「ぁ…ッ…は、ぅ…んんッ…ぁ…ゆ、有…ァ…っ!」
快楽から揺らぐ頭の中、相手の名前を無意識に呼んでいた。
「ぃッ…有…ッんっ…ぁ、ッー…!」
本当はシーツを汚さないように何らかしようと思っていたのだが案外自制の効かぬまま溜まっていたモノを吐き出してしまった。
「はぁ…ぁ、は…ッ」
「…何してるの?」
「ッー!!」
射精後でボヤけていた意識が一気に現実へと引き戻される。
恐る恐る振り向くとベッドの所有者が少し驚いたような顔でこちらを見つめていた。
「あの…有、コレは違…」
言い訳しなければ。本能的にそう思った。
しかし何が違うのだろう?
結局綾は有のベッドで自慰をしていた事に変わりない。違う事なんて何もない。口ごもるしかなかった。
「何が違うの?僕が使ったシーツでイっちゃったんでしょ?」
「っ〜…」
否定できない。顔が上げれない。
それは怒るだろう、自分のシーツを精液で汚されたりなんかしたらいい気持ちにはならない…。
しかし、謝る気にもならず下を向き続けた。
「……。ちゃんとこっち向きな?」
「っ!?…ふ…んぅ…ッー」
両頬を挟まれて振り向かされたと思ったら、待っていたのは噛み付くような接吻だった。
「んっ…ふぁ…ッ」
混じる唾液と絡めとられた舌が引かれる度に頭がボーッとしてくる。
息苦しく抗議する右拳が有の肩を軽く叩くと、有は静かに唇を離した。
「ぷ…は…ッ、は…ぁ…はッ」
長めのキスから解放されると酸素を欲する口端からどちらのものかも区別のない唾液が漏れる。
「…ッ…い、意味…が分かりません…」
「…ごめん。僕にも分からない…」
射精後の回らない頭に更に追い討ちをかけられ混濁する綾に有自身も何が起きたのか分からなかった…。
ただ、感じたのは欲しい物が手に入った時の子供のような気持ちと独占欲。
「性処理仲間なのに随分気に入られてるみたいだね〜」
「…ッ!………」
否定したくても否定できない処まで追い詰められると、またも綾は押し黙るしか術を持たなかった。
「また黙っちゃったか…」
「………っ!?ぁ…ンぅ…っ」
突然背後に手を回されたかと思ったら待っていたのは一週間前に無理矢理挿れられた場所への指の出し入れだった。
少しずつ拡げられる感覚に震えながら『前みたいに突然挿れられるんじゃ…』と言う恐怖と疑念が快楽を萎縮させてしまう…。
「ぅ…ぁ…んんッ!…ふぁ…ぁ」
「あっれー?イマイチ気持ち良くなさそうだね…。ココだっけ?」
「ッ!?!!?ぁっぁ、あッ!?そ、ソコ…ッだ、だめ…です…ッんぁ!」
指の動きが突然変わり、前立腺を追い上げられたら一週間前には感じる事の出来なかった所で艶のある声がだだ漏れ、綾自身のモノも出したばかりなのに軽く反応する…。
「イったばっかりなのに…本当に溜まってたみたいだね…」
「ッや…ぁっ、出ちゃ…ッうぁ…っ…も、イイか…ら…ッ」
早く欲しかった。本当に溜まってるのは事実だ…。
このままでは指だけで達してしまう…。
「…もうちょっと慣らさないとまだ痛いと思うんだけどなぁ…」
「んんッ、も、イっちゃ…や…だ…ッぁ」
困ったような顔の有だったが正直気にしてられる程綾にも余裕が無い。
「じゃあ、ちょっと我慢してもらおうかな…」
「ぇ…?な、何やっ…てッ!?痛…っ!!」
有は綾の着物の帯をスルリと抜き取ると根の元にそれを巻き付け、締めた。
「ぁッ…、い……ぅぁ…」
射精を無理矢理止められ意識がまた混濁しだした。もはやほぼ混乱に近しい物が見え隠れする中、有は何事も無かったかのように指の行き来を続ける。
「ん、…ッ…ぁ、有…ッ早…く…」
「後少しだから…辛抱しなよ…」
少しずつ弛緩していく中に対して締められたフロントは痛々しい程の反応を見せていた。
限界なんてとうに超えている。
早く欲しい。
彷徨う手が有の背中を掻くように伝う。
「…っ…よく頑張ったね。」
「ぁ…ッ、も…、くださ…ぃ…」
先週までの反応とは打って変わった泣きながらの懇願に有の口元が少し緩む…。
流石に焦らし過ぎたかもしれない。
早くしてあげないと…。
自身のバックルに手をかけると自分もギリギリだった事を再認識させられる…。
「挿れるよ…」
「ぅぁ…ッー!!は…ッぁ…」
逸物で貫かれた瞬間に身体に電流でも走ったかのように綾の背が反った。
強過ぎる快感に下肢がガクガクと震える。
「っ…」
「ァ…ぁっ…ゆ、有…っコレ、取っ…て、下さ…ッ」
「ん…?…あぁ、でも…それ無いと先にイっちゃうでしょ?」
「ッー…んッ!取っ…て…ぅ…ぁッ!?」
景色がハレーションする。
眩む視界の中、有の右手が綾の頬を撫でた。
自身も火照りで熱を持っている頬がそれ以上に熱くなる…。冷たい方が心地良い気もするが…この感触は嫌いじゃない。
「…い、イイよ…僕も出すから…っ、」
「…ひぁ!?」
突然、有の自身が入口付近まで引いていってしまった。何が起きたのかと困惑する綾の帯を取ってやると、少し苦しそうな顔の有が腰を固定した。
「一番良い声で啼きなよ…?」
「ふ…ぇ…?ッー!?ぁッ!ふ、ふぁああぁアッ!?」
引き抜かれたと思った瞬間に一気に最奥まで突かれ熱を注がれた。
予想を裏切る程の快楽に溺れて張り詰めていたモノを吐き出した。
「っー…はぁ、…焦らしたからかいっぱい出たね、服ぐっちゃぐちゃだよ?」
「はぁ…ッ、はァッ…、お互い…様…で…しょう…?」
余韻が心地良くて怒鳴る気力も湧かない…。
甘怠い腰が眠気を誘う。
消えそうな意識の中、有の声が聞こえた。
「 」
何て言ったのか分からない…。
でも、何だか安心できた。
こうして一人は意識を手放す。
*
結局、僕は何であんなに怒っていたんだろう…?
理由も分からないまま、ただイライラしていた。
それが何でだろう?
僕のベッド上でうずくまる君を見たら何だか凄く嬉しくなって…歯止めも聞かないまま…。
僕はどうしたいんだろう?
相棒に変わりは無いし、ただの同期とも言える関係に何の不満を持っているんだろうか?
…。
まぁ、今は…隣にいられれば充分かもしれない。
*
二人の距離はお隣さん。
二人が気付くのに後どれ位かかるのだろうか…?
もしかしたら…一生…。
口元に伝う双方初めての感触が今も惜しいように残っていた…。
緑青の壁。
あばばばば、意味不明クオリティ(´・_・`)
本当に申し訳ないのといつも可哀想な綾より有の方が可哀想な件とか色々すんません;
それではまた