星空スクエア
私達4人はいつも一緒だった。あの頃見た夜空に浮かぶ星達はものすごく綺麗だったのに……………
『せーいかッ‼』
誰かに呼ばれて私は後ろを振り返る。私、夏宮星華の心友、岩浜梓だ。
『何だぁ、梓かぁ。』
「梓かぁ。って‼ナニ?恵介だと思ったりした?(笑)」
『んな訳ないじゃん!あ、梓ー。すぐそこに智也いますけど?』
「うるさいぃ‼分かってるよ、そんくらい…」
私と梓と恵介と智也は同じマンションに住んでいて、保育園の頃からの付き合い。
今も同じ中学でしかも4人とも2-3で同じクラスなのだ。
ちなみに私は恵介が、梓は智也が好き。多分本人達にはバレていない(と思う)。
「星華ー、梓ー。」
聞き覚えのある声。智也だ。一緒に恵介もいる。
「今日もアレ、見に行くよね?」
智也の言う、“アレ”とは星の事だ。私達は毎日のように、マンションの屋上で天体観測を行っている。というのも、小3の頃に社会科見学でプラネタリウムに行き、それで星の魅力に惹かれていったからだ。お陰様で私は理科の成績だけはいい。
「当たり前じゃん‼」
と梓は即答した。
「そうだよな。じゃ、今日も8時に屋上で‼」
と言って、智也と恵介は戯れてる男子達のところへ行ってしまった。
『ただいま〜』
星華は部活が終わって、家に帰ってきた。
「おかえり。部活お疲れー。」
食事の支度の音と共にをする姉の声が聞こえた。
いつもより部活が長かったと思いながら、時計を見る。
“19:58”と壁にかかっているアナログ時計は指している。
『もうこんな時間⁉お姉ちゃん、晩ご飯あとで食べる!』
と言い残し、望遠鏡とノートとシャープペンを持って屋上へ向かった。
もう3人とも来ていた。
「お前、2分遅刻。」
無愛想に恵介が言う。
『ゴメン????』
とみんなに謝ると、
「いいよ、いいよ‼」
『許してくれてありがとう、智也‼』
智也はいつも優しい、お兄ちゃんのような存在。
「4人揃ったし、観測始めよっか‼」
梓の一声で観測が始まった。
今日は雲一つなくて、星がよく出ている。多分、都会じゃこんな綺麗な星、見れないと思う。
観測中はいつも静かでみんな集中している。いつもと同じ。
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