「零」と「無」
「零」
零とは一体何であろうか。
整数「一」のひとつ前。始まりの数。数学における画期的な発明。
皆さんが思い付くのはそんなところか。勿論、私も数学者では無いのでこんな物しか思いつかない。
しかし、私は「零」という存在に次のような考えを持っていた。
「零は無の象徴である」と。
しかしここ最近、私はこの考えに疑問を持ち始めた。
無の象徴が零として、果たして「無」とはなんであるかと。
「無」とは何も無いことだ。存在が確認出来ない事象と言っても良いかもしれない。
ならば、私たちが俗にいう「何も無い」という表現は少々矛盾が生じる気がするのである。
何も無い。存在が確認出来なかったという事実。しかし、その時私たちは「無」という概念を用いて何も無いということを認識している。
つまり、それは「有」ではないかと思うのだ。
例えば「なになにが零個ある」という表現がある。これは、無という存在を有すると言えるのではないか。それは、真の意味での無ではないのではないかと思うのだ。
私の足りない頭ではこの答えは一生出せないだろう。
しかし後世の誰かがそれを突き止めるのだ。
だが、その答えが見つかった時、その「零」は果たして「無」であるのかが私は気になった。
「零」と「無」