僕(BL)

僕(BL)

BL風味です。嫌いだとか受け付けない方は、読まないでください。そいで、非っ常~にっぬるいです。読んだあとの、誹謗中傷、抗議は受け付けません。あしからず。

これを漫画にしてくださるとうれしいです。

というわけで、少し設定をば。
タク・・・主人公
    身長 低め155~160細身
    男だが可愛い

カイ・・・主人公の幼馴染み
    身長 高め170~180
    頼れるお兄さん

タカ・・・主人公の親友 本名タカシ
    身長 平均165前後
    平凡だがいい奴

・・・とまぁ、こんなとこ

追記:これを漫画にしてくださった方はお知らせください。見に行きます(≧∇≦)
ペンネーム、サイト名、そのサイトのURLを書いて次に書くメールアドレスに送ってください。気長に待ってます。
メールアドレス:o019miho960o@yahoo.co.jp

よろしくお願い申し上げます。

1、性癖

 どうやら僕はホモらしい。
 昔から好きになるのは男ばかりだった。でも、どうせ叶わないから、ずっと隠してきた。そして、ふと自分の性癖に気付く。
 「どうした? 溜め息なんかついて。」
 「ちょっとね。いろいろと思うところがあって。」
 幼なじみのカイだ。いろいろと気にかけてくれる。だからと言って、好きだというわけではないらしい。長く一緒にいすぎたのかな。いつのまにか、そばにいるのが当たり前になっている。
 「悩み事か? 俺でよかったら相談に乗るよ。」
 「そんなんじゃないよ。大丈夫、ありがとう。」
 ならいいけど。と、カイは先を歩く。
 「……でも、ちゃんと言えよ、タク。」
 「うん。」
 タク――これが僕の名だ。カイは、前を向いたまま僕に言った。この時、既に僕にはクラスに好きな人がいた。まだ告白する勇気がないから、片想いのままだけどね。でも、今度こそ告白しようと思う。もう、高2なんだから、いい加減隠しているのがバカらしくなってきた。
 学校からの帰り道。カイは大学生だけど、学校が近いし、家も隣だから、いつも一緒に帰ってくれている。カイいわく、僕を一人で帰すわけにはいかないらしい。……正直、訳が分からない。高2なんだぞ。こ・う・に! ……判ってんのかなぁ…。
 「何してんだ? 早く帰るぞ!」
 「ごめん! ちょっと考え事してて。」
 いつのまにか、僕の足は止まっていたようだ。僕はカイのもとへと走る。

 カイはストレートだ。そのはず。僕はカイの彼女を何人も見てきた。今は知らない。付き合っている彼女がいるような素振りもない。最近、カイの事がますます分からなくなってきている。
 「そういえばカイ、彼女は?」
 「え? 何だよ急に…。」
 今日は日曜日。僕はカイの部屋に遊びに来ている。いつもデートで空いてないはずなのに…。そう思うと、聞かずにはいられなかった。
 「ほら、前言ってたじゃん。えっと、アケミちゃんだっけ?」
 「……別れたよ。」
 一瞬、耳を疑った。
 「い…ま、別れたって?」
 「あぁ、告白するのはいつも向こう。振るのもいつも向こう。アケミちゃんいわく、俺の好きに感情が見られないんだと。」
 「それで、今フリー…?」
 カイは黙って頷いた。
 「へぇ、びっくり。カイのことだから、彼女の1人や2人いるものだと…。」
 「1人や2人…って、お前なぁ…!」
 「アハハ…、ごめん、ごめん。」
 僕は笑いながら謝った。
 「……お前は、どうなんだよ。」
 「え?」
 「彼女! お前はいるのかって。」
 「ぼ、僕…? 僕は…。」
 どっどうしよう。聞かれると思ってなかった。ここは素直にいないと言うべきか。でも、深入りされたら…。いやいや、カイに嘘なんかつけないよ…。
 「い…いないよ。」
 「そういえばタク、彼女いたことないよなぁ。その容姿なら、告白ぐらいされてるだろ?」
 ギクッ…、それはそうだけど、その時既に好きな人(男)いたし、女の子と付き合う気なんか無かったし…。
 「そ…それは…。」
 「ま、それはそれで、俺には都合いいけどな…。」
 「え?」
 「な…なんでもねぇよ…。」
 カイはボソッと何かを言った。僕は戸惑っていて、全く聞き取れなかった。

 女の子達が外を見て何か騒いでいる。
 「ねぇ! あの門に立ってる人、誰?」
 「え、何で僕に聞くんだよ。」
 突然、僕は机を囲まれると、女の子達の期待の眼差しを向けられた。
 「私、見たんだからね。タクちゃんがあの人と一緒に帰るとこを!」
 タクちゃん――なぜか、クラスのみんなは僕のことをこう呼ぶ。誰が呼び始めたのか、いつの間にか広がっていた。
 「もう、いい加減『タクちゃん』って呼ぶのやめてよ。」
 「いいじゃない、可愛いんだから! ちゃん付けの方が合ってるよ。それより、あの人誰?」
 可愛いって何だよ……。女の子達があまりにしつこくて、帰れそうにないので、僕は仕方なく答える。
 「……幼なじみのカイ、大学生。」
 「へぇ~。ね、ね、ご一緒してもいい?」
 えっ。ど、どうだろう…。学校から駅まで一本道だし、僕らの家はそれまでにあるし、今の所、問題は無い。っていうか、断る理由が無い。あとは………カイ、次第…。
 「……カイに聞いてみる…。」
 「ありがとー。それでこそみんなのタクちゃん! じゃ、よろしく。少し後から行くから。」
 み、みんなのタクちゃん?! 冗談じゃない、いつの間にそんなことになってるんだ……まぁ、そうやってみんなに親しんでもらえてるなら、悪くはないか。
 「カイ、お待たせ。」
 カイは、振り返って微笑んだ。
 「あの、一緒に帰りたいって子が何人かいるんだけど…。カイ、大丈夫?」
 あー。カイ、考え込んじゃった。そこへ、女の子達がやって来た。
 「こんにちは~。いつもタクちゃんと仲良くさせてもらってまーす。」
 ばっ、やめてよカイの前で……。
 「タクちゃん…?」
 「はい! タクちゃんって、あんまり可愛いんで、みんなでそう呼ぶようにしてるんです。」
 「へぇ~。じゃあさ……」
 マジ?! 意気投合しちゃった.…。もう、いいや。先に帰っちゃお…。
 「あ、おい! 待てよ、タク!」
 僕は知らないふりして歩き続ける。
 「待てって…!」
 一瞬、何が起こったか分からなかった。僕はカイに、後ろから抱き締められていた。
 「ちょ…何すんだよ…!」
 「えっ。あ…ごっごめん!」
 カイはあたふたと体を離した。僕の記憶では、こんなこと、一度もなかった。
 「ホント、いきなり…。」
 「だって、タクが逃げるから…、つい.…。」
 ……ったく…。無意識なら、仕方ないか…。
 「逃げてないよ。カイが話し込んじゃったから、先に帰ろうと思ったの…! って、女の子達はどうしたんだよ。」
 「あ…、置いて来ちゃった。」
 だろうな。明日、絶対何か言われる。カイがこの調子じゃ、普通に帰れそうにないな…。今度から断ろうか。うん、その方がずっといい。普通に帰れるし、なにより気が楽だ。
 「じゃ、早く帰ろう。」
 僕はカイに微笑んだ。カイは頷いて、僕に横に並ぶ。

2、想い人

 僕の好きな人、それはクラスメイトのタカシ。僕はタカって呼んでいる。タカは小1の頃からクラスが同じだ。くされ縁っていうか、親友っていうか、とにかく長い付き合いなんだ。だから、今さら付き合ってくれって言っても、何も、変わらない。いつも一緒にいるんだから。……でも、まだ告白はできない。隠すのがバカらしくなってきたと言っても、拒絶されたらどうしようっていう不安が僕に二の足を踏ませる。まだ、言うべき時ではない…。
「……クっ…タクってば!」
「?!」
「ふえって…大丈夫か?」
突然すぎて変な声を出してしまった。恥ずかしい…。
「ごっごめん。何?」
「何ったって、難しい顔してるわ、反応ねぇわで、どうしたのかと思って。」
なんか、心配かけてしまったらしい。
「ねぇ、タカ。好きな人っている?」
不意に気になってしまった。
「何だよ、藪から棒に…。……いる…と言えばいる、かな。」
「何それ、曖昧。」
とか言いながら、実際少し傷ついてたりする。いや、予想はしてたけど、こう直に聞くと、痛い。僕はやっぱり、タカの事が好きなんだ。改めて思い知らされる。僕はどうすればいい? どれくらい経てば言える? もう…よく、分からない…。
「オレだってよく分かってないんだ。元々、していい恋じゃないし……。」
「していい恋じゃない? ふざけんな! この世にしちゃいけない恋なんてどこにもないよ…! ……ごめん、いきなり…。」
僕は何を言ってるんだろう。すごく恥ずかしい…。でも、自分が否定されてるようで、堪えられなかった。しちゃいけない恋なんてあるわけないんだ…。
「……ありがとな、タク。」
タカは一瞬驚いていたけど、少し寂しげに微笑んで言った。僕は何をしたいんだろう…。

今日も門の前にカイがいる。
「カイ、お待たせ。」
いつもの光景。実は、カイに好きな人がいるのか、気になってたりする。
「ねぇ、カイ。好きな人っている?」
タカの時と同じように聞いてみる。
「………いるよ。」
カイは、しばらく黙り込んで、静かに言った。僕は少し驚いてしまった。いつもカイは、気になる子にはすぐに手を出していた。だから、彼女がいない今、カイには好きな人はいないものだと思っていた。
「じゃあ、なんで彼女いないんだよ。手ぇ出してないなんて、珍しいじゃん。」
「手を出せるなら、とっくに手に入れてるよ……。つーか、俺はそんなタラシじゃねぇ。」
「そっか、そうだよね。」
僕は笑っていたけれど、内心、不思議でたまらなかった。カイが手を出せない相手って誰だろうと、ずっと考えていた。この時はまだ、カイが誰を好きかなんて、全然分からなかったし、別に分からなくてもよかった。
「タクは好きな人いねぇの?」
「い…いるよっ…!」
「へぇ、そう…。」
あれ? いつもならからかって来るのに…。
「……カイ?」
「…っ。で、告白は?」
カイは、ハッとしていつもの調子に戻った。
「するよ。そのうち…。」
「そのうち?」
「うん。まだ、不安なんだ。いろいろと、決心し切れてないから。」
「それは、振られたら~~、とか?」
僕は、首を横に振る。振られるとか、そんな生易しいものじゃなくて、僕が恐いのは、拒絶とか絶交。もうそれきりで、関係が持てなくなるのが恐い。
カイは、しばらくして息を吐くと、それっきり何も聞かなかった。

3、告白

今度こそ告白するとか言っといて、未だに決心し切れてない僕。本当に情けない…。もうすぐ2年も終わる3月。次も同じクラスになるだろうけど、いい加減けじめをつけないと。よし。
「ねぇ、タカ。今日の放課後、誰もいなくなるまで、残ってて欲しいんだ。今日、部活無いだろ?」
「……分かった。」
タカは笑って答えてくれた。今日はカイの遅い日。どの道、待ってなきゃならない。だから、誰もいなくなった教室で、告白しようと思った。今日、返事を聞くつもりは、ない。なるべく、よく考えてもらう。そうすれば、双方共に痛みが少なくてすむ気がするんだ。
放課後になった。みんなが帰ってゆく。そして、先生も教員室へ戻っていった。
「…で、オレに話があるんだろう? タク。」
「うんっ…。えと、その、……好きなんだ、タカの事が。あの、いつからか分からないけど、いつの間にか、タカの事すごく好きになってた…! それで、…返事は今じゃなくていいって言うか、その…できるだけ、よく考えて欲しいんだ。…きょ、今日はこれだけだから。残っててくれてありがとう! じゃな。」
「あっ…タク…!」
後ろで呼ぶ声がしたけど、僕は恥ずかしくて、足を止められなかった。
門にはいつものように、カイがいた。
「今日は遅かったな。どうしたんだ?」
「あのね、今日、告白したんだ。」
「……そっか、よく頑張ったな。」
カイは僕の頭に手を乗せてくれた。カイの体温が、すごく温かかった。
「で、返事は?」
「まだ、聞いてない。なるべく、よく考えてもらおうと思って。それは僕の自分勝手な考えかもしれない。でも、もし悪い方に転んでも、痛みは少ないと思うんだ。」
「…そっか…。」
カイは何も言わなかった。そっとしといてくれてるようで、少し嬉しかった。

翌日、いつものように登校する。
「タク、話がある…! 放課後、屋上にいて欲しいんだ。」
「うん、了解。」
多分、昨日の返事だろう。僕は、どんな返事でも、受け入れる覚悟ができている…はずだ。
僕は、一日上の空の状態で授業を終え、放課後になったので屋上へ向う。当然、誰もいない。しばらく、屋上のベンチでタカを待とう。
10分くらい経った頃、足音が近づいてきて、勢いよく扉が開けられた。タカはクラブ服を着ていた。
「お…遅くなって、ごめん…!」
走って来たのだろう。すごく、息が切れている。
「大丈夫だよ。とりあえず座って。落ち着こう?」
タカは頷いて、僕の隣に腰を下ろした。
「…オレなりに、よく考えてみたんだ。…」
落ち着いたタカは、口を開いた。僕は黙って聞く。
「オレは、タクの事、好きだよ。でも、多分タクの好きとは違うと思うんだ。そんなふうに想ってくれてるのは、正直、嬉しかった。だけど、オレには好きな人がいて、いくら叶わないって言っても、諦め切れなかった…。」
「…タカの好きな人って…?」
恐る恐る聞いてみる。
「母さん、って言っても、血は繋がってないんだけどな。…父さんは、20も若い人と再婚したんだ。すごくキレイな人で、とっても優しいんだ…。」
「……そっか…。」
最初は驚いたけど、その気持ち、何だか分かる気がした。
「なぁ、タク。オレ達、まだ親友でいられる?」
「……も、もちろん…! …よく考えてくれてありがとな。僕、人待たせてるから。じゃな。」
僕は、屋上を走り出た。タカの言葉はすごく嬉しかった。これからも、親友でいられる。なのに、この溢れてくる涙は何なんだ…! 僕はさっき、ちゃんと笑えていただろうか。嬉しさよりも、悲しさの方がずっとずっと大きい。何が痛みが少なくてすむだ…!
「タクっ…!」
僕はいきなり腕を掴まれた。門を走り出ようとしたみたいだ。泣いているのをカイに見られてしまった…。
「タク、どうしたんだ?」
「…なんでも…ない…!」
「…なんでもなくないだろう? 聞いてやるから、ほら、言ってみ?」
カイの声はとても優しかった。もっと涙が溢れた。
「……返…事、ダメ…だった…。これ…からも、親友で…いられ…る…のに、涙…が、止まら…ない。」
僕は、泣きながら説明した。カイは、口を真横に引くと、僕の手首を掴んで、無言で歩き始めた。僕は引かれるままに付いて行く。心なしか、怒っているように見えた。僕は、何が何だか分からなかった。ただ、無言で手を引くカイに抵抗できなかった。

僕は、カイの部屋に連れ込まれ、キス、された。それも深い…キス。
「ちょ、ちょっと待ってよ。カイ…!」
僕はカイの体を押し離した。頭がクラクラする。自分でも顔が赤くなっているのが分かる。…心臓が煩い。
「……タクに好きな人がいるのは、分かってた…! だから、ずっと言うつもりなんかなかった。でも、タクが振られて、泣くから、堪えられなかった。タク、好きだ…!」
カイは僕を強く抱き締めた。それだけで、本気なんだと判った。
「でも、なんで? いつから?」
僕はカイの腕の中で問う。
「アケミちゃんと別れた日、言われたんだよ。」
~回想~(台詞のみ)
「あたし、カイちゃんと付き合ってられないわ。」
「え? なんで?」
「カイちゃん、よく聞いてね。カイちゃんの好きに感情が見られないってのは聞いてるよね?」
「あぁ、まぁな。」
「あたし、その理由見つけちゃった。」
「えぇ!? 俺でさえ分かってないのに?」
「あ、あんた自覚なかったの? 呆れた。あんたはねぇ、あの幼なじみ君が好きなのよ!」
「え、タクの事? なんでぇ。」
「カイちゃんのあの子を見る目は、恋してるような、とても優しいものだったのよ。それを見た時、少し悔しかったわ。その目を自分に向けて欲しかった。…なんて、ワガママよね。ほら、つべこべ言わずに、さっさと自分の気持ちに気付きなさい。」
~回想終了~
「で、思い返してみたら、アケミちゃんの言う通りだった。考えれば考えるほど、タクの事で一杯になるし、想えば想うほど、タクの事が好きになった。直ぐにとは言わない。けど、俺の事、少しずつでも好きになってくれないか?」
この時、僕の顔が真っ赤になっていることなど、言うまでもない。

4、僕

僕はホモだ。最近彼氏もできた。毎日一緒に登下校し、土日は昼夜一緒にいる。そういえば、僕はもう高3だ。大学はカイの所にしようか。勉強はよくカイにみてもらってるし、心配はあんまりない。ただただ平凡な毎日が過ぎてゆく。生活は大して変わってない。
カイは、僕の事を好きだと言った。果たして、僕はカイの事が好きなのだろうか。
「ま~た、溜め息ついてる~。最近、何かヘンよ? どうしたの、タクちゃん。」
クラスの女の子が心配して話しかけてくれた。
「…最近、いろいろあってね。」
「いろいろって? ココじゃ話せない?」
僕は黙って頷く。……やっぱり、相談した方がいいかな…。
「…絶対、誰にも言わない?」
「もちろん!」
彼女はにこやかに答えてくれた。
「……じゃあ、昼休みに屋上で待ってて。」
「了解 ♪ 」
昼休み。僕は購買でパンを買った。向かうは屋上。屋上のベンチには、既に彼女が座っていた。
「タクちゃん。こっち、こっち。」
彼女は手招きした。僕は彼女の隣に腰を下ろす。
「…で、話ってなぁに?」
「あのね、誰にも言うなよ。…僕ね、彼氏ができたんだ。」
「やっぱりそうかぁ。タクちゃんって、そっちの人だったのね。」
「やっぱりって、知ってたの?」
「知ってた、って言うより、勘づいてた…かな? タクちゃんって、こんなに可愛いのに、彼女いたとこなんて、ただの1度も見たことなかったもの。」
やっぱり、そう取られちゃうんだね…。僕は苦笑いした。
「……僕は、ちゃんとその人の事を好きになれるか分からないんだ。嫌いなわけじゃないよ。ただ、一緒にいるのが当たり前の人だから…。」
「ワタシはね、タクちゃんの彼氏がどんな人かなんて、全然知らないけど、あんまり気にしないほうがいいと思うな。無理に好きになろうとしないでさ、しばらくは様子見と言う事にしようよ。ね? 一緒にいすぎて、好きなのかどうか分からない…。今はそれでいいじゃない。誰も責めたりしないし、バチなんか当たらないよ。」
なんか、救われた気がした。僕は、どこかで自分を追い詰めてたみたいだ。彼女の笑顔が眩しかった。
「……ありがとう。なんか、スッキリしたよ。」
「どういたしまして。」
「…本当に、誰にも言わない?」
「言わないよ。言っちゃったら、ワタシが女子達に妬まれるわ。みんなのタクちゃんなのにーって。」
僕達は笑い合った。本当に話してよかった。もう、みんなのタクちゃんとか、可愛いとか、ほとんど気にしなくなっていた。

あれから、よく考えた。そうだ、カイだって直ぐじゃなくていいって言ったんだ。だから、よく考えた。よく考えたら、僕はもう、カイの事を好きになってたんだ。そう思うと、カイへの気持ちが溢れ出す。鏡の中の僕の顔は、真っ赤だった。
チャイムが鳴った。カイが遊びに来たんだ。なんとタイムリーなご登場…。僕は深呼吸して、玄関へ向かう。今日は、僕、1人だ。
「いらっしゃい。」
僕はカイを自分の部屋へ招き入れた。
「珍しいな、タクが俺を呼ぶなんて…。」
「…今日は、1人だから、何か寂しくて……。」
そうか、と言うように、カイは僕の頭を撫でた。
「……。」
「ど、どうしたんだよ、急に…!」
僕はカイに抱きついた。僕は、カイの優しさが好きだ。笑顔が好きだ。はにかんだところも、よく気にかけてくれるとこも、みんなみんな好きだ。僕は、カイの全てが好きだ。…いや、大好きなんだ…。
「カイ。」
「ん?」
「カイ、大好きだよ。」
僕は、恥ずかしくて顔を上げられなかったけど、カイは、強く抱き締めてくれた。カイの鼓動が心地良かった。

END

僕(BL)

初めてBL風味を書きました。この頃の男子高生特有の迷いと葛藤を書きたかったのデス。なんとか仕上がりました。
書き上げて分かったこと、それは…文章力が足りないということだぁ! 次の作品を書くまでに、もっと磨かなければ…。
最後になりましたが、読んでくださり、ありがとうございました!

僕(BL)

自分の性癖に対する思春期なりの葛藤を書きました。 勇気のある人は読んでやってください(≧∇≦)

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-28

CC BY-ND
原著作者の表示・改変禁止の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-ND
  1. 1、性癖
  2. 2、想い人
  3. 3、告白
  4. 4、僕