ゆるい話を３つ

ぴんからり

「えーと＜とんからり＞ではいけないのでしょうか？なにゆえ＜ぴんからり＞なのでしょう？」
「＜とんからり＞なら、＜とんからりん＞の方がいいね。＜とんからりん＞いいじゃないか、＜ぴんからり＞なんて忘れてしまって、＜とんからりん＞になればいい」
「ぴんもとんも大した問題じゃないね、他にもっと良いのがあるだろう？」
「いいのってなんです？」
「＜ぽんつくつん＞だよ。ぴんもとんもぽんの前ではまるで歯が立たないだろう。器が違うよ。だから＜ぽんつくつん＞さ。」
とん、ぽん、ぴん、とん。
「ぴんからり、とんからり、とんからりん、ぽんつくつ。やあ、まるでお祭りのお囃子のようだね」
「やあ、神様。どれが良いと思います？」
「どうしようかな、ほんとはどうでもいいんだけどね」
「あはは、神様正直だなぁ」
「まあ、神様だからね、一応正直にしとかないと。うーんと、そうだな、面倒だしアミダくじで決めようか」
「それなら文句も無いね」
「うん、文句ない」
「異議なし」
「おや、異議なしなんて難しい言葉しってるな。おまえ賢いなあ。じゃあやるぞ」
神様の手から４本の光が筋となって流れだし、やがて解け合うように絡み合うようにして、ゆらいだ後、ぎゅんと光が引き締まり。アミダくじになりました。４人のやんちゃものが、それぞれ４本の光の筋の端を選んで、アミダくじを懸命にたどります。
「・・・・・・・・・・・・・・・・　」

「で、結局は。＜ぴんからり＞だね」
「最初と同じじゃないか。話合う事なかったよ」
「いやいや、話合い考え合うのは、とても良い事なんだと思うよ。くじもできたし良かったじゃないか」
「まあ、神様がそういうのなら、きっとそうなんでしょうけど」
「じゃあ、決まりね」
「分かった」
「了解」
「おや、了解なんて難しい言葉しってるね、おまえやっぱり賢くないかい？」

これにて、この世界は＜ぴんからり＞になりました
人間の文字に当てはめると「ピンから理」
さあ、まもなく世界の開闢ビックバンが始まります。

□ぴんからりって言葉が浮かんだので、そこから引き延ばしてみました

皿洗いの猫

ニコルちゃんよかったね。
私は皿洗いしかできないけれど、
いつもあなたたちの事を見守ってきたのよ。
「結婚かぁ」
皿洗い猫はそういってまた皿を洗うのだった。
ニコルちゃんうれしそうだったな。
皿洗い猫の目にもうっすらと嬉し涙がにじんでいるのでした。
わたしもだれかいないかなぁ
いいえ、わたしには皿洗いがあるの
皿洗いを一生の仕事にしたんだもの
旦那様なんてもらっては罰があたるに決まってるもの
いつしか、うれし涙にはいくらか別の涙がまじっていました。
いけない、いけない、こんなんじゃダメ。丹誠込めてお皿を洗うのが私なんだから。
「諦めてはだめよ」
誰？私のこと？なに？
「私は妖精さんよ、あなたにも旦那さんを世話しにきたの」
「ええっ　だって私は皿洗いの猫なのよ、それにあなたは・・・」
「私の名前は妖精ブーケニコル、ニコルさんの幸せから生まれたの、こんどはあなたの番。皿をいくらでも洗わせてくれる優しい旦那さんを探してきてあげる」
「お皿、お皿をいくらでも洗っていいの？」
「ええ、そういう旦那さんを探してくるわ」
「ブーケさん。。。ありがとう、ありがとう、あり、、あああああうあうあうあうあうああああん」
「泣かないで、あなたにも幸せがあっていいのよ。幸せになって良いのよ」

こうして皿洗い猫は定食屋さんと結婚しました。今でも駅前の定食屋さんの厨房で楽しげに皿を洗っている猫を見る事が出来ますよ。

□テレビを見てたらニコルさんて人がプロポーズをされてたので

飛び込み女子部門

１の人
乳腺抜くってなんですか、それじゃあ、まるで本当は私は巨乳なのよって事ですか、そうですかね、ほんとですかね、でもま、天然ぺったんこの私に乳腺抜きサイボーグが勝てるとでもいうんですかね？　無理しなくて良いですよ、邪魔だから前どいてもらっていいですか？　後ろつかえてるんですけど？　高飛び込みっていうのはですね。貧乳貧尻ぺったんこ人間のスポーツなんですよ。それを私はほんとは巨乳とかなんですか？　何様ですか？　いかさまじゃないんですか？　負けません。巨乳になんか負けません。あんたになんか負けません。

２の人
やれやれ女の熱視線かよ、今年でてきた女の子が乳腺話聞いたってか。可愛い顔だねえ。いいじゃねえか、乳抜いたって、尻けずったって。女なんかとっくにやめてんだ。あーもう少し毛ずね欲しいな、あると水はね押さえるんだよな。成長期のやつらなんかこわくもなんともないね、男押し付ければおわりだかんね。くんずほぐれつで貧乳大成長ってもんよ。女もなし。子どももなし。未来もなし。かわりに金メダル総取りして、英雄になるんだ。国のみんなが見てんだ。国威発揚って奴だよ。誰が負けるか。

３の人
アジアンてみんな同じに見えるんだけど、あの二人は同じ国じゃないよね。水着違うし。ピリピリしちゃって嫌なムードだなぁ。ああ、そうか、これがきっとゼンって奴なんだ。ブシドーとかいうのも聞いた事ある。てか、どんだけ水撥ねないかより、上でどんだけ綺麗に回るかでしょに。アジアンは非力だから回転は無理かな。遊ぶのは私たちに任せて、コンピューターでも作ってればいいのに。骨格とか筋肉の質とかみんな違うのに無理してるよね。よし、今日は６回くらい回っちゃおう。着水はアジアに任せた。

□テレビみてたら高飛び込みの人がいまして。