一緒に

一緒に

 あの日私達は病院を抜け出して夜何でも願いを叶えてくれる妖精がいるという噂の森へ出かけた。
私も清(しん)も生まれながらにして心臓が弱かった。私には移植用の心臓が見つかって明日手術を受ける予定だ。
そしてこの日は清用の心臓が見つかるよう頼みに来た。
清「ね~みゆちゃんもうかえろうよ~」
みゆ「だ~めまだお願いしてないでしょ。」
リーリーリーリー
鈴虫が美しい音色を奏でる。
みゆ「ん~来てみたはいいけど妖精さんどこにいるのかな~?」
清「何にも考えずに来たの?」
みゆ「うん来れば何とかなるかな~って」


1時間ほど探したが妖精はあらわれず、あきらめて帰ろうとした、その時

どさ!!
みゆ「清?」
清「はあはあ・・・」
みゆ「清!どうしたの?くるしいの?・・・・だれか~~~」
清「み・・・みゆ・・ちゃ・・・」
みゆはパニックになり泣きわめく。
みゆ「うわ~~ん」
みゆ「ど~しよど~しよ~~~そうだ!」
みゆは近くの一番大きな木の前まで行くと大きな声で叫んだ。
みゆ「よ・・うせいヒックさんヒックわ・・私の心臓はいいから清を清を助けて~~~」
ないているから言葉はとぎれとぎれだった。でもその声が届いたかのように清が起きあがり、
清「みゆちゃん・・なか・・・ないで・・はあはあぼくは・・・大丈夫、だか・・・ら。」
みゆ「清!だめだよしゃべっちゃ死んじゃうよ」
清「大丈夫ぼくは死なない。今・・みゆちゃんを泣かせちゃったぶんこれからはずっと一緒に・・・いる・・・から」
みゆ「ほんとに?」
みゆの顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた
清「うん・・・だから泣かないで・・・大きくなったら結婚しよう。」
そう言って清はみゆの唇に自分の唇を軽く重ねた。
みゆ「うん!!」
いつの間にかみゆの顔からは涙が消えていた。
「だいじょうぶか?」
そこに病院の先生が来て清を運んでくれた。
これが私が6歳の時清から受けたプロポーズだった。
10年後
みゆ「待ってよ~清~~」
清「おっせーぞみゆ」
私の手術は無事終わり清の症状は落ち着いている。
今は私と清は同じ高校にかよっている。
清は今、週に1回病院に通っている。

キーンコーンカーンコーン
みゆ「ん~~やっとお昼だ~~」
朋香「みゆって本当に食いしん坊ね~~」
この子は朋香。高校で出来た親友。
ガラッ!!
その時窓が開いて清が顔を出した。
清「みゆ!昼飯一緒にくおーぜ!!」
みゆ「わぁ!!も~おどろかさないで!!
私と清はクラスが離れてしまった。お昼休みには毎回清が窓から顔を出す。
私たちはこうしてごく普通の毎日を送っていた。
~11月~
 みゆ「はあ~すかっりさむくなってもう冬だね~。」
清「ああ・・・。あ、あのさみゆ。」
みゆ「ん~?」
清「来月のクリスマス一緒に遊園地に行こう。」
みゆ「え~やったぁ!!久々の清とのお出かけだ~~」
このとき私はまだ知らなかった。清に忍び寄る黒い影の存在を・・・。

~12月24日~
タッタッタッタッタッタ・・・
みゆ「ごめ~ん待った?」
清「おせ~ぞみ・・・ゆ・・・」
バタンッ
みゆ「清?清!」
清はその場に倒れ込んだ。
清「大丈夫だ・・・これ・・・」
そう言って清が差し出した箱には小さな指輪が入っていた。
清「へへ・・・おそ・・ろいな・・・」
そう言って清は自分の左手を出し笑った。薬指には同じ指輪がはめられていた。
みゆ「清!!しゃべっちゃだめだよ!いや!!行かないで!!清!」

~1週間後~
「脳に腫瘍が見つかりました。」
みゆ「何とかならないんですか?」
「清さんは心臓が弱いので手術は難しいかと・・・」
みゆ「そんな・・・」
そう言って病院の先生は深く頭を下げた。
清「みゆ・・・。ごめん」
みゆ「なんであやまるの?絶対に、絶対に大丈夫だから!!」
みゆは泣きながら言った。
ダッ!!
清「みゆ!!」
みゆはどこかへ走っていった。
清「俺はもうみゆをおいかけることも出来ないんだな・・・」


そのころみゆは10年前に来た森に来ていた。
みゆ「妖精さ~んまた、また清を助けて~~~~~~~」



清「みゆ・・・どこへ行ったんだ。みゆ・・・みゆ・・・」
清は泣いた。
ガラ!!
病室のドアが開いた。
みゆ「清!!」
みゆ「清!!体、体大丈夫?おきてて平気?」
清「みゆ!今までどこへ行っていたんだ?」
みゆ「妖精さんのとこ!」
清「え?」
みゆ「はいこれお守り!!」
そこには白い小さな石がのっていた。
清「お前石って・・・もーちょいましなもんねーのかよ。」
みゆ「ない!!」
清「はは・・・!」
清は笑った。
それからは毎日清とみゆは一緒に過ごした。

~2ヶ月後~
ガラ!!
「清さん!!奇跡が起こりました!!」
病院の先生があわただしい様子で病室に入ってくる。」
清「え?」
「脳腫瘍が消えました!!」
清・みゆ「え?!」
「理由は分かりませんがこの2ヶ月できれいさっぱり・・・」
奇跡だった。もう助からないと思われていた清の体に奇跡が起きた。
みゆ「やったぁ!!」
清「でも俺まだ心臓が・・・」
みゆ「大丈夫!2人なら!!」
清「俺生きていいんだな・・・・」
みゆ「あったり前じゃん!!」
みゆ「生きていこう」
清・みゆ「一緒に!!」
そのひ私たちは一緒に生きていく約束をしてお互いに指輪をはめた

生きていこう
     一緒に・・・・

                                               おわり

一緒に

一緒に

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 児童向け
更新日
登録日
2013-03-25

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