君はいつも隣にいた。

必ず隣にいて

いつも笑顔を僕に見せてくれた。


時は流れて

中学生になった。

隣に座ってくる数はいつしか減った。


そして君は

僕とは違う男の

隣に座るようになった。


そして気付いた。

君が好きなんだと。


そして気付いた。

君が僕の隣に座ることはないのだと。


時は流れ

いつしか僕の隣には

君以外の女の子が

座るようになった。


でも何かが違う。

何かは分からない。

分からないけど


僕にはやっぱ君が必要なんだ。


そう気付いた。



さらに時は流れ

いつしか君は

僕の隣に座ってた。


それが当たり前だった。


年老いて

君は枯れそうになっていた。

消えようとしていた。


君の手を握りしめる。


”いつまでも一緒だよ?”


君は目を閉じて

永遠の眠りについた。



そして今

僕もようやく

君の元へ旅立てそうだ。

そっと目を閉じる。



そこは花々が咲き誇っていて

消えることのない虹が架かっていた。



”待ってたよ”


そこには昔の

幼き日の僕と君。



僕の隣は君。

君の隣は僕。



それが永遠の物となった。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-19

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