夏の記憶
この小説が、初投稿となります(゚0゚)(。_。)ペコッ
くろニャンコです。まえがきだけでも読んでくれて感謝、感謝です(人-)
今回の作品ですが、イメージとしては切ない恋物語を目指しました。
少しでも、ウルッ、としてくれるとありがたいです。
アマチュア作家なので、よくわからない文章があるかもしれませんが・・・
そこはまぁ、多めに・・・新鮮な気分で読んでみてください。
あらすじです
「―――啓介、私・・・啓介のこと忘れないから。啓介の記憶に、居させてね」
美由と啓介、小、中、高、と一緒の幼馴染。
高校二年の夏、二人は付き合い始めた。
初デートの日、幸せ気分でいっぱいだった二人。
でも・・・二人の未来を引き裂く事件がおきた
「――美由のこと、絶対に忘れないからな」
これがキミの最後の言葉。
7月24日 高校2年の夏
《私たちが、結ばれた日・・・ずっと、キミの傍にいられるとおもっていたんだ。》
「俺・・・おまえのことが・・・美由のことが、好き。付き合って、ほしい」
顔を真っ赤にしながら彼は言った。見たことのない真面目な顔なんかしちゃって。私まで恥ずかしくなってくる・・・
「う、うん・・・私も、啓介のことが好き」
私も柄にもなく赤面してコクン、と頷いた。
「マジでっ!?・・・うわぁ、すげぇ嬉しい」
照れくさそうに微笑んだ彼の顔を見たとき、なんだかこっちまで嬉しくなってきた。
私、草間美由と彼、本宮啓介は、家が隣同士の幼馴染。小学、中学、高校と一緒の腐れ縁だと思ってた。だけど、この日を境に私たちは、お互いに特別な存在になったんだ
7月31日
終業式が終わって、私と啓介は夏休みの予定をたてていた。
啓介と、恋人同士としての初めての夏、いい思い出ができるといいな。
「美由、どこ行きたい?」
啓介が雑誌に視線をやりながら私に尋ねてくる
「んー・・・いっぱいあるよ。花火大会とか、海とか、プールとか!」
今年の夏は啓介と2人でいられるんだと思ったら、夏休みが待ちきれなくなってきた。
「じゃぁ・・・今度の日曜に海行こうぜ?見ろよ、潜水艦でちょっと海の中見れるらしいぞ」
と、雑誌を指差しながら無邪気に笑う啓介。楽しみにしてくれてるのかな、そう思うと、なんだかとっても嬉しかった。
「わかった、じゃあ、今度の日曜・・・8月の4日だね。楽しみ」
微笑んで啓介を見たら丁度視線があっちゃって恥ずかしかったな・・・
8月3日
《この日が、運命の日。私たちの未来が闇に染まった日》
「この服装、変じゃないかな?メイク、濃すぎない?」
なんてお母さんに呆れられるほど質問攻めにした朝。今日は啓介と初デートの日。
いつも会っているのに、なんだか緊張しちゃう。今日の為に、友達と水着も選びに選んだ。啓介に喜んでもらおうって、頑張ったんだ。もうすぐ啓介が迎えにくる。早く来ないかな・・・って思ってたら ?ピンポーン― チャイムが鳴る。いつもは呼び鈴なんて鳴らさないくせに。畏まっちゃって。
「はーい・・・」
わざと平常心を保って玄関の戸を開ける
「よ、よぉ・・・迎えに来たぞ」
恥ずかしそうに私を見る啓介。正直、ちょっと可愛いかも。
「うん・・・行こっか」
啓介と一緒に駅に向かう。こんなこと、日常の一部なのに、今日は妙に緊張する。肩と肩の距離、いつもより気合を入れてくれたみたいな髪形、そんな小さな一つ一つに、鼓動が高まっていくんだ。
駅について、電車に乗った。夏休みだから、少し混んでて・・・啓介との距離がすごく近くなる。2人とも顔を真っ赤にしちゃって、全然会話ができなかった。
やっと海に着いた。
「それじゃぁ、着替えてくるから・・・またここでな」
そう言って啓介は男子更衣室に向かっていった。啓介の水着姿、楽しみだな、なんて思って私も更衣室へ向かった。
「お、お待たせ・・・」
もう着替え終わって待ってた啓介のところへ戻る。やっぱりちょっと恥ずかしいかな。啓介の反応は・・・無言で目を見開いてる。
え・・・どうしよう。好みじゃなかった?
「あ、あの・・・啓介?イヤだったかな、この水着」
気にいってもらえなかったから、なんだか悲しくて、俯いた。
「そ・・・そんなことねぇ!なんだ・・・その・・・可愛かったから」
焦ったように顔を赤くして必死に私に言ってくれる啓介。ウソをついてるようには見えないから、凄く安心したのと同時に、それと同じくらいに恥ずかしくなった。
「そっか・・・よかったぁ」
私が顔を赤くしながら微笑んで啓介を見ると
「お、おぅ・・・」
と照れくさそうに顔を逸らした。案外シャイなとこもあるんだな。
それからたっくさん遊んだ。泳いで、食べて、一緒にお昼ねもした。
途中で、啓介が
「なぁ・・・潜水艦だって。行ってみようぜ」
と、船を指差して言ってきた。でも・・・この地域の潜水艦って、過去に沈没事故があって、私あんまり乗りたくなかったんだ。だから
「やめとこうよ、危ないって」
って、啓介をとめたんだ。でも、どうしても乗りたいって言うから、「途中までね」って、乗り口までついていった。
「ここで待ってて、電話するから、どこまで電波届くか実験しようぜ」
なんて楽しそうに言った。私もつられて
「うんっ、じゃぁ・・・船に乗ったら電話してね」
そう言って私と啓介は別れたの。
《これが、永遠の別れなんて知りもしないで》
しばらくして、電話がかかってきた。もちろん、啓介から
「もしもし?どう?潜水艦の中は」
って、私は聞いたの
「すげぇよ!魚とか、バカでかいのいる!」
はしゃいじゃって・・・子供みたいなんだから。
「よかったね。楽しい?」
返事はわかってるんだけど、聞いてみた。
「おぅっ、すげぇ楽しい!・・・・ん?」
やっぱりね、と思いながら私は相槌をうつ
「なにかあった?」
私が聞く
「あぁ・・・なんか、船の沈没後みたいな・・・って・・・うわっ」
啓介の言葉が途中で途切れる。そのすぐ後にガシャンッ、と大きな音がした。
「啓介?どうしたの?」
私は、なんだか嫌な気がした。心配だったから聞いてみる
「わかんねぇ・・・なん・・・かエンジントラブルだって」
声が途切れる。
「エンジントラブル?大丈夫なの?」
嫌だ・・・なんかすごく怖い・・・
「・・・ウソ。・・・地上にあがれなくなったって」
啓介の声のトーンが変わる。ウソ・・・でしょ?
「じょ、冗談だよね?ふざけないでよ」
私の顔がひきつる。
「冗談じゃねぇって・・・救助隊の人が来るまで待つって・・・係員さんは大丈夫って言ってるけど、酸素も、潜水艦もギリギリだ。もう、水入って来てる」
啓介の声、少し震えてる。ウソ・・・ウソだよ!
「そんな・・・イヤ、啓介・・・戻ってくるよね?」
私の声も震える
「わか・・・ねぇ。多分・・オレ・・・も・・・れな・・・かも」
声の途切れが酷くなる。雑音ばかりで、啓介の声がよくきこえない。でも、事実をハッキリきかなくてすんだのは、この時はよかったのかも。
「イヤ・・・イヤだよ。私・・・啓介ぇ・・・」
視界が涙でぼやけて、目の前が見えなくなる
「・・・――ゆ。美由、聞いて」
啓介が優しい口調で言ってくる。
「な・・・に?」
涙声できく
「俺、死なないから・・・ちゃんと、おまえのとこに戻ってくるから。もし、死んでも・・・
美由のこと・・・絶対に忘れないからな」
啓介・・・泣いてる?
「うんっ、うんっ、待ってるからぁ・・・絶対帰ってきて・・・約束だからぁ・・・」
もう、何を言えばいいのかわからない。只、約束って言葉を言い続けるだけだった。
「あぁ・・・くそく・・・」
そこで電話は切れてしまった。きこえるのは、雑音だけ。私は、立っていられなくなって、その場に崩れ落ちた。それを救急隊員の人が受け止めてくれた。気づいたら、回りには消防車とか、救急車、パトカーなんかが集まってきてる。
〈はやく・・・はやく・・・啓介を助けてよ!早くしないと・・・啓介、死んじゃうよぉ!〉
そう私は、声にならない声で叫んだ。その後、救急隊員がどんな活動をしてどうやって私が家に帰ったのかは、覚えていない。
8月17日
あれから2週間がたった。啓介は一命はとりとめたものの、意識不明の重体。未だに意識は戻っていない。今日、私ははじめて啓介のお見舞いにきた。たった2週間だけだったけど、すごく長い間あってない気がした。
そっと触れた啓介の手はすっごく痩せていて、私の知ってる、啓介じゃなかった。あの日見せてくれた笑顔を、もう一度見たい。願う事さえ、許されない世界なのかな。啓介の頬に触れて、私は囁いた
「啓介、私・・・啓介のこと忘れないから。啓介の記憶に、居させてね。」
瞳からなにか零れたけど、私はわからなかった。
7月24日 ――あれから4年後――
「美由!」
手をふりながら駆けてくる彼。私は微笑んで手を振り返して、彼の元に駆け寄った
夏の記憶
まずは、読んでくれてありがとうございました。
感謝の気持で一杯です。
今回、初投稿ということで、短編小説、書かせていただきました。
まだまだなれないことばかりで、わかりにくい文章ばかりでしょうが、これからも頑張っていきたいです。
さて、今回の作品ですが、どうだったでしょうか。
まえがきにも書いたようにイメージとしては、切ない恋物語、みたいな感じだったのですが・・・
どうですか?ウルッ、ときたでしょうか・・・
少しでも読者の皆様に、何か感じてもらえたら、幸いです
もし、よろしかったら、次の作品も読んでもらえると嬉しいです。
これから、私が成長する事を祈ります。
では、今回はこれで