夏の日の幻

十代の頃は見えていたはずのものが年を取ると見えなくなってしまう。

貴方は夏の海で私の前に突然現れて、にこやかに笑っていた

その笑顔が眩しくて、一瞬目を閉じてしまった

次の瞬間、もう私の前から貴方はいなくなっていた

目の前には、誰もいなくなった秋の海が静かに広がっていた

貴方は誰だったの?

何のために私の前に現れたの?

もう二度と会えないと
何故かわかっている

だからこそ、もう一度でいいから
その笑顔に会いたい

夏の日の幻

夏の日の幻

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-22

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