海が…
私の心にありました
青く澄んだ 広い広い海が ありました
私は いつもその海を 見つめていました
海の水が かわいてしまうほど
熱い瞳で 海を 見つめていました
海も 私を うけいれてくれました
私は船となって 海に とけこんで ゆきました

―ところが ある日―
船は しずんで ゆきました
船腹に 小さな穴が あいてしまったのです
そこから 水が どんどん入り
船は しずんで ゆきました
海もなくなりました
私の心からなくなりました
今、私の心は からっぽ
海の水が ふたたび 戻ってくるのを
ずっと まちつづけているのです
ずっと、ずっと.......



1975.06.21

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-21

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