聖域の雀

聖域の雀

修道士カドフェルシリーズ第7作目です。
タイトルは聖域の中の可哀想な少年をイメージしています。

今作では恋愛関係の男女がたくさん出てきます。
どれも微笑ましいものです。
それが犯人につながるとは…。
哀しい最後とともに本は終わります。

リリウィンは良いキャラクターでした!
好きですね、音楽家。
なんでも弾きこなせて、歌える踊れる、なんでもありですね。
作曲までやってます。
この時代の芸人は地位が低くて可哀想ですが、前向きな彼は良いです。

カドフェルは今作でも優しいです。
金持ちにはそれなりの冷静な目線で、貧者には優しく、皆にそれぞれ接しています。
副院長ロバートとジェロームはまた…あいつらー!(笑)
邪魔ばかりしてきます。
ロバートはまだ貴族的で直接手を下さないまでも、ジェロームときたら!
修道士のくせに嫌な奴です。

ヒュー・ベリンガーが今作も出てきてほっとしました。
(たまに出てこないことがある。)
彼がいるとカドフェルの仕事がかなりスムーズになります。
ツーカーの間柄ですね。
ヒューはカドフェルが優れた観察者であることを知っていて、カドフェルの意見を重要視しています。
ヒューも優れた執行官ですが、毎度カドフェルに助けられており、カドフェルのことを友として尊敬しています。

今作のテーマは姉弟かなぁ…。
家族の問題がいつも付いてきますね、このシリーズは。
特に今作は顕著かな。
身につまされます…(笑)
というか、現代でもこの問題は十分ありえる話ですね。
家族の問題はどの時代でも同じなのかもしれません。

この話は悲しすぎるというか、個人的に犯人に共感するところが多くて、あまり楽しめませんでした。
こういう展開もあることはわかるけど、哀しいなぁ。
生まれ変わったらもっと良い人生を送ってくれ!!と言いたい。(笑)

いまは9作目の死者の身代金を読んでます。
次の随筆はこれになりますね、たぶん。
その次は加賀シリーズかしゃばけシリーズ、かなぁ…。
あぁ、そうそう、ガリレオがまたドラマ化されるので、真夏の方程式を読む予定です。
やっと図書館で順番がやってきました。
ドラマは本を読んでから見ますけどね。
本の楽しみがなくならないように。

聖域の雀

聖域の雀

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-21

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