左右
「なんであんなにいい子なの。」
右の席へ呟く。
半年前から企画していた行事が
代表者のミスで、
中止になったという
臨時集会の時のこと。
「この状況でしゃーない頑張ろうって
言えるあの子は何なん?
苛々する。」
「そうだね。」
右の席は苦笑いをした。
「いい子を見ると
偽善者やんって思ってしまう。
ほっんと自分性格悪いて思うけど、
でもそう思ってしまう。」
目が潤んでいるようにも見える。
「でもさ」
左を向いて言った。
「自分がヤな奴だって自覚がある
お前は強いと思うよ。」
左の席は溢れないよう歯を噛み締めた。
「慰めたのか貶したのか
わかんなくなったけど、
でも俺は
お前の性格好きだぞ。」
左の席から溢れたモノは
二人を温かく包んでいた。
左右
左は私、右は友人です。
少しセリフはいじりましたが、ほぼノンフィクション。
彼は私に勝るほどの厨二で、
聴いてて恥ずかしいセリフをサラッと言える人です。
そこがとても魅力的だと思います。