電話
「…もしもし。」
「もしもし?そっちはどう?」
「どうもこうも、
まだ新幹線出発してもねぇよ。」
笑いながら言う。
「そっか、そっかそっか。」
「…。」
「…。」
「…用ないなら切れよ。」
「…。」
「…聞こえてる?
用がないなら切るよ?
他の人に迷惑なるから。」
「うん…。」
「…。」
「…。」
「…なんで切らないの?」
わかってる。
聞かなくったってわかってる。
でもそれでも聴きたいんだ。
「ねぇ、なんで?」
「…切りたくないの。」
「なんで?」
「…声聴いていたいの。」
「なんで?」
「…好きだから。」
そうそれ。
それが聴きたいんだ。
「…なら切るな。ずっと聴いてろ。」
離れていても、
遠くにいても、
お互いを近くに感じられる言葉。
「俺も好き。」
電話
恥ずかしい。
書いてて恥ずかしかった。
キモチワルイ。