電話

「…もしもし。」
「もしもし?そっちはどう?」
「どうもこうも、
まだ新幹線出発してもねぇよ。」
笑いながら言う。
「そっか、そっかそっか。」

「…。」
「…。」
「…用ないなら切れよ。」
「…。」
「…聞こえてる?
用がないなら切るよ?
他の人に迷惑なるから。」
「うん…。」

「…。」
「…。」
「…なんで切らないの?」

わかってる。
聞かなくったってわかってる。
でもそれでも聴きたいんだ。

「ねぇ、なんで?」
「…切りたくないの。」
「なんで?」
「…声聴いていたいの。」
「なんで?」
「…好きだから。」

そうそれ。
それが聴きたいんだ。

「…なら切るな。ずっと聴いてろ。」

離れていても、
遠くにいても、
お互いを近くに感じられる言葉。

「俺も好き。」

電話

恥ずかしい。
書いてて恥ずかしかった。
キモチワルイ。

電話

お題「電話」 the interviews 「300字小説」より。 素敵なお題ありがとうございました。

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更新日
登録日
2013-03-20

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