詩×虹

詩×虹

天気は良好
雲一つ無い青空
君がいる階は三階
窓辺

閉ざされたままの窓を見つめ
庭で、僕はホースを握った

3階まで届くように掲げた腕
勢いよく秋の空に吹き出す水柱
ホースから垂れる冷水など気にせず
ただ、ひたすら太陽に向けた

『虹』を造ってたんだ
ちっちゃくても精一杯造ってた
君の部屋からでも見えるように高く造るよ
君に喜んで欲しいから

気づいた人達が窓を開け
罵声と歓喜の声が入り交じる中…
それでも僕は虹を造り続けた

一番見て欲しい部屋の窓が開き
顔を出した君は嬉しそうに
「虹だ…」って、笑ってくれた
僕の顔を見ると「ありがとう」って、笑ってくれた。

こんな事しか出来ないけど
君に笑って欲しかったんだ。

詩×虹

詩×虹

天気は良好、雲一つ無い青空、君がいる階は三階、窓辺…。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-20

CC BY-NC-ND
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CC BY-NC-ND