詩×虹
天気は良好
雲一つ無い青空
君がいる階は三階
窓辺
閉ざされたままの窓を見つめ
庭で、僕はホースを握った
3階まで届くように掲げた腕
勢いよく秋の空に吹き出す水柱
ホースから垂れる冷水など気にせず
ただ、ひたすら太陽に向けた
『虹』を造ってたんだ
ちっちゃくても精一杯造ってた
君の部屋からでも見えるように高く造るよ
君に喜んで欲しいから
気づいた人達が窓を開け
罵声と歓喜の声が入り交じる中…
それでも僕は虹を造り続けた
一番見て欲しい部屋の窓が開き
顔を出した君は嬉しそうに
「虹だ…」って、笑ってくれた
僕の顔を見ると「ありがとう」って、笑ってくれた。
こんな事しか出来ないけど
君に笑って欲しかったんだ。
詩×虹