あの七人と見た星空を私は絶対にわすれない。

このお話には一部グロテクスな表現と
少しHな表現を含んでいます。

ご注意下さい。

8月11日 つばさとつばきのデアイ。

「かれんーっ!??
 お隣さんに挨拶してきてー」

ぬーの事を呼ぶ声が聞こえる。

叔母さんの、声だ。でも、違う。


ぬーの名前はかれんじゃない。



叔母さんが間違ってるワケじゃない。

叔母さんの名前は紀島冴子。



ぬーの名前は水瓶星かれん。



でも、ぬーのなかでは違う。


ぬーの名前はつばさ。水瓶翼。

かれんは、
冴子叔母さんがつけてくれた名前。


冴子叔母さんは身寄りの無い
ぬーを引き取ってくれた人。

翼は、ぬーの本当の名前。
それを冴子叔母さんは知らない。


理由は、聞かなくていいよね。

聞いても、何の特にもなんないよ。


ぬーは、
お隣さんに挨拶しに行った。

ここは色々な木や花に囲まれた
メルヘンチックな大庭園の
奥底に潜む洋館のような大きい
二階建てのアパート。(つーか屋敷。)

一階の東側には、
ガーデニングが趣味の
元気な70代の君沢由達さん。

西側には車好きで休日は
車の整備をしている足静宗充さん。

2階の上は屋上庭園になっていて、
薔薇やパンジー、ひまわりなど
いろんな花が咲き乱れる。

去年の春には、桜が満開になり、
秋には紅葉などが咲いたらしい。
そこにあるお花は全て君沢さんが
管理してるってこの前足静に
教えてもらった。


そんで、
ぬーは二階の東側に住んでる。


西側のお隣さんの名前は、
獅子道さんっていうらしい。

呼び鈴を押すと少したったあとに
同い年くらいのの男の子がでてきた。


「…誰?」

感情の無い声で、
そう言われた。

ぬーはすぐに笑って
自己紹介をした。

「ぬーは今日に引っ越してきた、
 水瓶星かれ…翼って言いうの。
 特技は剣道や弓道、空手道とか。
 明日からちょっと遠いけど…
 峰桜学園小学校に通うんだ。
 ぬ?ん…そいで、キミは?」

ぬーは微笑みかけて
男の子に問いかける。


「…名前は獅子道椿。
 特技はサッカーと剣道。
 明日から峰桜学園小学校に行く。」

やっぱり無感情のまま。
でも、何か、温もりを感じる。

「…じゃあな。」

ガチャッ チャリチャリ

そんな事を思っていたら、
つばきは鍵を閉めた。

それもチェーンまで( ̄□ ̄;)!!

…1つ言わせてください。
ぬーは、一般人です。
ヘン人じゃないし、
身体障害者でもないから。


「かれーん。こっちいらっしゃーい」

冴子叔母さんがぬーを呼ぶ。

ぬーは返事をすると小走りで
冴子叔母さんのもとへ行った。

「ぬわっ!!!!!
 なんじゃこりゃ?!!
 叔母さん。な、な、な、なんで
 ぬーの部屋がお隣さん家のあずさ
 の部屋と繋がってるの!!?」

そう。見ると、ぬーの部屋と、
さっきの梓の部屋が繋がっていたのだ。

「あら?
 もうそんなに仲良くなっていたのね。
 まぁ、そうね。かれんは昔から
 誰とでも仲良く出来る子だものね。」

冴子叔母さんはぬーにワケを話してくれた。

椿には両親や親族がいないという。
冴子さんはそれを知って、
お隣さんの家に入居させたといった。


「うわっんだよコレっ!!!!」

そしてお隣に耳を傾けると、
椿の驚いた声が聞こえる。
やっぱり驚くよね。コレ。

まぁ、いいや。

これがぬーの口癖と
なってしまっていた。

でも、もう何も、
深く考えないようにした。
深く考えると、嫌なことも、
あるから、ね?。

その後お風呂に入って、
まだ8時にも関わらずに、
ゆっくりと、眠った。

翅は自分の家のリビングの
ソファーで眠っていた。

確かに、
一緒の部屋で寝るのには
ちょっと勇気が必要だもんね。

9月1日 つばさとつばきの新しい学校とデアイ。

あの日から数日が経って、
ぬーは梓と仲良くなって、
梓は冴子叔母さんと馴染めて、
とうとう、二学期からの
新しい学校生活が始まる。


「ぬぁ?。ぬーは起きたぞー
 朝だぁーっ学校だぁーっ!!」

ぬーはベランダのドアを
開けてわーっと叫んだ。


部屋の古時計を見ると
まだ朝の4時過ぎで誰からの
反応も無い。みんなまだ、
起きてないのかな。ううん。
まだ朝早すぎるんだ。

と、思ったけど

「……うるさい。」

「?ぬぁっ。つばき、
 起きてたんだ。
 おはようさん´ω`)ノシ」

と、椿はぼんやり目を開けて
ボケーッとしながら起きていた。
そしてぬーはいつも通りに、
アホな顔してにっこり笑う。

そして数時間が経ち、
7時を過ぎた頃、

「つばき?
 このリボンどうやって
 結ぶの??結んで?」

身支度をしている椿に甘える。

「は!!?やり方しらねぇし。
 …ハァ、やってやるから屈め!!」

「ぬー。ありがと。
 で、でも、首がぁぁぁ。(°∇°;)
 つばき、強く結びすぎだnうぬぬ 
 ぬ?しょうがないからクールビズで」

椿は嫌々リボンを結んでくれた。
だけどぬーは首が苦し過ぎて
椿のやってくれたリボンを解いて
腰にリボン縛りでくっつけた。

けど、
椿の顔が少し赤くなってた。

「ぬ?つばき風邪?
 顔赤いぬ。熱計るぬ?」

ぬーは椿のおでこに
自分のおでこをあてる。

「うわっ何すんだよっお前!!
 別に熱なんかねーよ!!やめろ!!」

「ぬーん。
 熱計るにはこれが一番。」

ぬーはむくれた顔で言ったけど、
梓はもっと赤くなってしまった。

ぬーと梓は、そのあと、
身支度をして、食事を済ませると、
電車で学校に行くことにした。

小学生は本当はダメなんだけど、
先生からの了承があったから、
電車で行くと決めたのだ。

そして、電車に揺られて約30分。

「学校に到着ぬ?ん♪
 ぬー達は4年3組だったっけ?」

「あぁ、確かな。」

ぬーがはしゃぎながら言うと
梓は学校案内の紙を見て無感情に言う。


そこで、
1人の女子生徒が目の前を通った。

翼は元気に挨拶するが女子生徒は…

「灰白色の髪色に…
 金色と青紫の瞳…キャア!!!!
 日高小の鬼姫!!!!い、いや!!」

ドクンッ

翼の心に、ちくりと、女子生徒の、
たった一言の言葉が突き刺さった。


「…オイ、大丈夫か?」


梓は気をつかい心配するが、

翼は顔をペチンと自分の頬を叩き、

少したってから顔をあげると、

頬が少し赤くなっていたけれど、


いつもどのおりあどけない笑顔を

浮かべいつもどおりに「ぬは?☆」
と笑ってごまかしていた。


…だが一瞬、一度も見たことのない、
悲しい表情が翼のあどけない顔に
浮かび上がった気がした。
そして、体が小刻みに震えていた。
いまのは、気のせいか?そう、
考えていると、翼に話をかけられた。

「ぬ?ん。梓、ちょいと、いい?
 
 今のコさ、ホラ、ぬーの事…
 日高小の鬼姫とか言ってたじゃん?
 
 んで、ここに来る前は結構荒れてた。
 でも…さ?ぬーのこの髪の毛の色も
 瞳の色も全て全部が全部生まれつき。
 だから、勘違いされたんだと思う。
 
 んで、その翌年には母さんが死んで
 ぬーは冴子叔母さんに引き取られた。

 
 だから、ぬーのことを知らないこの
 峰桜にきたんだけど…まだ、居た。
 
 でも、もう、そんなの、ぜーんぜん
 みじんこも気にしてないぬ?(笑)
 
 だからっ!!毎日笑おう!!!!梓!!
 つかこんな長文書くの、
 作者さんも面倒だと思うし!!」

梓はアイツにもこんな昔があるんだ
としんみりしていたが唖然となった。


そのあと俺と翼は急いで
4年3組に行き、自己紹介を済ませた。

すると1人の少女が手を挙げる。
射手弓真絢だ。

「こんちは!!僕ちんは真絢。
 よろしく!!翼と梓の好きな物
 って、なにかある?
 よかったら今度ご馳走したいんだ!
 僕ちん料理にすんごい自身が
 あるからさ!!!!!」

「…真絢のメシ食ったら
 泡吹いて秒殺だがな…」

と言ったのは仲村怜司。
真絢の隣の席の男の子だ。

そして真絢は自身満々で言う
が、翼の言葉でクラス中が
呆然する事になる…

「んぉ?何でもいいんだよね!!
 だったらスフォリアテッレの
ドライフルーツ添え。
 イタリア、ナポリ地方の
 名物の焼き菓子。
 その名称はイタリア語で
 "ひだを何枚も重ねた"
 という意味を持つ。
 アマルフィ地方の修道院が
 発祥であるとの説があるぬ。
 貝殻をかたどったひだが
 何層もあるパイ状の生地の中に
 リコッタチーズカスタードや
 アーモンドクリーム等を入れ、
 オーブンで焼き上げるぬ。
 パリパリとした非常に
 硬い焼き上がりとなるが、美味。
 ナポリ以外でもイタリアを
 代表する菓子として高級レストラン
 のデザートなどに登場する。」

「…オレ、味噌ラーメン。」

と、
翼の長?い話を呆然として
聞いているクラスメイトの中に
何か考え事をしている男子生徒が
1人見えた。名前は「牡牛波四季渡」。
クラスのまとめ役というかいつも
クラスの中心にいる明るい
存在の少年である。

四季渡は翼の話を終えると同時に、
腰に手をおき、仁王立ちしながら
こう、叫んだ。

「水瓶星翼!!獅子道椿!!」
「ぬぉ!?」

「うわっ!?」

名前を呼ばれた翼と梓は驚き、
同時に驚きの声をもらす。

「お前ら2人は今日から
 星見館に入るように!!!!!!」

説明しよう。星見館とは、
四季渡が勝手に作った部活動である。
活動内容は主に、適当だが、放課後
学校に残って遊んだり、テストが
近くなるとテスト勉強会を開いたり、
休日は廃品回収の手伝いや、挨拶活動、
夏休みは町での夏祭で屋台での手伝い
秋は落ち葉拾い、冬は雪かきなど、
町のために活動する事も数多くある。
だが、部活動の最後に必ず星を見る
これが絶対の約束なのだ。


「牡牛波君少しいいですか?
 今日は2時間授業なので、
 一旦話を区切りますよ。
 なので皆さん?各自、
 寄り道無く帰宅するように。
 あ、水瓶生さんと獅子道君の席は
 2かわの一番後ろです。
 詳しくは牡牛波君達に聞いて下さい。
 では、みなさんさようなら。」

「さようならー!!!!」

担任の小熊先生は時計を見ると、
話を区切り出席簿を持って
穏やかなスマイル顔で出て行った。

生徒達も元気に挨拶をすませると、
遊ぶ予定や自慢話を話しながら
いくつかの集団になって元気良く
教室から出て行った。

教室に残ってる人は、
ぬーを入れて7人くらい。

「よーし!!!!
 んじゃ始めるか!!!!!!」

四季渡がみんなに言うと、
星見館の部員で改めて
自己紹介をする事になった。

まずは四季渡からで、次に真絢、
人志、凛子、和太、梓、
最後にぬーの順番になった。

「オレの名前は牡牛波四季渡。
 家は峰翼南駅近くで「四季」
 っていう名前の弁当屋やってる。
 血液型はA型。誕生日は5月20日。
 特技はサッカーと○ボタン連打。
 まぁ、簡単に言うとこの部の部長。
 これからもよろしくな」

四季渡が自己紹介を終えると、
次は真絢が自己紹介した。

「ウチは福田真絢。
 家は誉ン家と和太ン家の近く。
 血液型はO型。誕生日は12月1日。
 特技は陸上と空手あとウソ泣き。
 って事でよろしくー」

真絢はセクシーポーズを
しながら自己紹介を終えた。
次は真面目そうな男の子が
口を開いた。

「オレは双子川人志。
 家は西峰桜で国道挟んで
 北側にあるマンションの二階。
 血液型はB型。誕生日は6月12日。
 特技はサッカーと新体操。
 よろしくね。」

人志が自己紹介を終えると、
次は、ゆるふわショートで
カチューシャをした可愛らしい
少女が口を開いた。

「ウチは蠍迷久凛子。
 家は西峰桜で「風見堂」
 っていう旅館を営んでる。
 血液はAで誕生日は11月29日。
 趣味ははリボンとバトン。
 よろしくね。」

凛子が話を終えると、次は、
可愛い顔をした、愛らしい
少年が口を開いた。

「オレは天秤桜和真。
 家は織都の隣で総菜屋やってる。
 血液型はB型。誕生日は11月19日。
 趣味はピアノと絵を描くこと。
 これからよろしくな!!」


「次、梓と翼な。」

四季渡が言うと梓は口を開いた。

「オレは獅子道梓。
 家は東峰桜の守街。
 血液型はAB型。
 誕生日は8月14日。
 特技は剣道、弓道、
 サッカー。よろしく。」

梓が淡々とした口調で、
自己紹介を終えると、
次はぬーが口を開いた。

「ぬーん☆ぬーは水瓶星翼。
 家は東峰桜の守街だお★
 血液型と誕生日は知らない
 特技は剣道、弓道、
 空手道とか武道系だぬ★
 しきしきに…あやあやに…
 ひとひとに…りんりんに…
 かずかずに…あずさだぬ☆。
 よろしくぬーんっ☆☆」

「は!?なんで俺だけ…っ」

「ウチがあやあやぁ?」

「ん!!?オレがいざいざ?」

「りんりんて…完璧中国;;」

「かずかずってなんで…」

「ぶっははははは!!!!
 なっはははは!!!!!!
 お前サイコー!!!!ぶくく…」

翼が勝手につけたあだ名に
戸惑う梓や真絢達に対して、
四季渡は腹を押さえて爆笑している。

『笑うな!!!!!』

と梓達は言ったが、
四季渡の笑いは全く止まりそうに無い。

数分経った頃、四季渡が「あ」と
言い、思い出したかのように
こう、言った。

「よし!!!!
 明日から3日間学校休みだし、
 今日は凛の家に泊まるか!!!
 オイ、人志。計算しろ。」

と四季渡は勝手に凛子の家に
泊まる予定を人志と立てている。

「今が11時30分だから…
 泊まる準備して、6時までに
 西峰桜駅前に集合でいいな。
 だから…5時間30分で準備…
 で、持ってくるものは
 着替えとみんなで遊べる物、
 必要なら本とか携帯、枕とか。」

人志が持ってくる物の説明を
淡々と話すと、一度解散して、
ぬーは梓と一緒に家に帰った。

そのあと、
冴子叔母さんにメールを打ち、
荷物を揃えると、制服から私服に
着替えて6時まで屋上庭園でのんびり
過ごす事にした。

あの七人と見た星空を私は絶対にわすれない。

あの七人と見た星空を私は絶対にわすれない。

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-15

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Copyrighted
  1. 8月11日 つばさとつばきのデアイ。
  2. 9月1日 つばさとつばきの新しい学校とデアイ。