ー殺戮ゲームー

エピローグ. 一人暮らしの赤間隆(あかまたかし)の所に1通の手

紙が届いた。内容は、森の奥の別荘でゲームをやってもらいたい

、との事だった。赤間は何がなんだか分からなかったが、スリル

を求めて行く事にした。赤間は森の奥の別荘で殺戮ゲームが繰り

広げられる、と言う事を知らずに。

1. 「郵便でーす」現在の時刻は7時、赤間はフラフラと歩きなが

ら郵便物を受け取った。「ったく、こんな時間になんだよ」ダン

ボールをあけると、外見とは裏腹に手紙と、小さな箱しか入って

いなかった。赤間は手紙を読んだ。「幸運の手紙、貴方(あなた)

はラッキーです。大富豪、闇島隆平(やみしまりゅうへい)の別荘

に招待されました」闇島隆平、見知らぬ名前だ。「もし別荘に行

きたいのであれば、この手紙を下記の住所に返していただければ

、参加となるので宜しくお願いします。また、日程は、明日の午

前8時に車で迎えに行きますので、小さな箱に入っているルビー

が埋め込まれている指輪とルビーが埋め込まれているブレスレッ

ト、ルビーが埋め込まれているアクセサリーをつけてください」

「ほぉ、楽しそうじゃないか」と心で呟きながら頷(うなず)いた

。「よし、行くか」赤間は住所通りに手紙を封筒に入れ、ポスト

に入れた。

2. 次の日、午前7時に起きた。朝食を急いで摂り、パジャマから

私服に着替えた。ニューヨークの風景が書かれた白いシャツにダ

メージジーンズと、いかにも現代風な服装で、指輪、ブレスレッ

ト、ネックレスをつけた。そして鏡を見た。問題なし、と呟き、

迎えが来るのを待った。現在の時刻は7時45分、また時間がある

ので、ノートパソコンを立ち上げた。そして「闇島隆平」と調べ

た。だがヒットするページは1つもなかった。赤間は首を傾(かし

)げた。まぁいい、隠れた大富豪なんだろう、と思い、迎えを待

った。そして15分後、時間ぴったりに車が迎えに来た。黒いベン

ツで高級感が溢れる。そんな車に足を入れた。座り心地、そして

流れる音楽、色んな所に気を配っている。運転席に1人、助手席

に1人、そして後ろの席に1人、と囲まれている感じだった。「あ

の・・・」「どうかしましたか?」助手席に座っている人が後ろ

を向いて聞いてきた。「闇島隆平って誰なんです?」「闇島さん

は『闇の大富豪』と言う異名を持っています。ですが、我々はそ

れくらいしか知りません。雇われているものですから」「そうで

すか。ところで何人くらい集まっているんです?」「貴方様を含

めて20人です」「一体別荘で何のゲームをするんです?」「それ

は我々は知りません。ですが、リラックスしたお気持ちでいてく

ださい」「そうですか」それからは静かに待った。森に入ってい

くのを確認すると赤間は辺りを見渡した。そして森に入ってから

30分が経った時、大きな別荘が見えてきた。「あちらにあるのが

闇島さんの別荘です」かなり多きい。何坪くらいあるだろうか。

いや、そんな事はどうでもいい。車から降りると別荘の中まで案

内された。そして食堂に連れて行かれた。食堂には既に19人が集

まっており、席が指定されているようだった。指定された席に座

り、ジッと待った。「あんたも誘われたのか」隣の人に声を掛け

られた。「どうも変だと思わねぇか?闇島って一体何者なんだよ

」赤間は無視した。すると男は言ってきた。「アンタ、名前なん

て言うんだ?」「赤間隆・・・」「赤間かぁ、俺上島透(うえしま

とおる)ってんだ。よろしくな」「はぁ」見た目からして年上だ

ろう。そしてずっと待っていると、テーブルの置くにある大きな

モニターに映像が映し出された。そこには大きな人形が座ってい

た。

3. 「ようこそ諸君、本日はお集まりいただいて誠にありがとう

ございます。貴方達には知っての通り、ゲームをしてもらいます

。しかし唯のゲームではありません。そのゲームに勝ったプレイ

ヤーはこの別荘を丸ごと差し上げます」「おぉ」歓声が上がった

。「ではゲームの説明をします。本日やっていただくゲームは・

・・」20人は固唾を呑んだ。「殺戮ゲームです」その声を聞いた

瞬間、皆の目線はモニターに移動した。「殺戮ゲームってどう言

う事だよ!!?」「あなた方には殺戮ゲームをやっていただきます

。内容は簡単、最後まで生き残ったプレイヤーの勝利となります

。また、最後の1人になるまでゲームは続きます。この別荘には

しっかりとした罠もありますので注意してください。貴方方には

それぞれ寝室があります。もちろん貴方達の装飾品に反応するの

で他のプレイヤーが入る事はないのでご安心ください。また、他

のプレイヤーを1人殺せは賞金として10億円が入ります」「じゅ

・・・10億だと!!?」「はい、所持金を持っているプレイヤーを

殺した場合、所持金は殺した人に移るので、生き残れば、賞品は

190億とこの別荘、となります。また、武器は1人1人の寝室にあ

りますのでそれをお使いください。寝室のタンスの中には戦闘服

があるのでそれもお使いください。懐にモニターがあります。そ

こには自分の所持金が表示されますので、ご確認してください。

また、そのモニターにはプレイヤー数も表示されますのでご使用

ください。現在の時刻は11時20分、12時開始としますので、それ

までは寝室にいてください」そして映像は切れた。プレイヤーは

相手の顔を確認した。皆青ざめている。赤間は驚いた様子だった

。「こんな・・・」だが赤間の中には希望もあった。生き残れば

この別荘!!赤間は席を立ち上がった。それを確認したプレイヤー

は続々と席を立った。

4. 寝室についた。扉の前に立つと装飾品のルビーが輝いた。そ

してロックが外れる音がした。「おぉ、広いな」ベットは3人用

くらいの広さ、そしてテーブルには赤い敷物。退屈にならないよ

うにトランプ、チェスなどもある。そして大きなタンス。勝てば

・・・ここを独占できる。部屋の隅には金色の箱があった。「ん

?こ・・・これ・・・全て純金で出来ている!!」思わず声を上げ

てしまった。美しい、箱の前に座り、あけようとした。すると装

飾品が輝いてロックが外れる音が聞こえた。箱の中には武器が入

っていた。サバイバルナイフが3つ、拳銃が1つ。そしてマガジン

は30個あった。銃弾の数を数えると15個だ。それが30だから合計

で450発。武器を装備すると、変な板のような物を見つけた。「

あぁ、防弾チョッキか」赤間はパンツ一丁になり、タンスの中に

あった戦闘服に着替えた。戦闘服は黒い服で、まるでSWATが着て

いるような服だった。「す・・・すごい、けどちょっと重い・・

・」防弾チョッキがこんなに重いなんて知らなかった。サバイバ

ルナイフは腰に、拳銃は手に持っていた。そして時計に目をやっ

た。時刻は12時、ゲームが開始した。赤間は寝室から出ず、部屋

で待った。

5. ところどころで銃声や雄たけびが聞こえる。「いや、寝室に

隠れているほうが安全だろう」赤間は思っていた。そして寝室を

調べた。するとこんな手紙があった。「寝室にいる時間が合計で

1時間を越えた場合、爆発するので注意」その手紙を見た瞬間、

赤間は寝室から飛び出した。「は?爆発?どういうことだ?」そう

か、プレイヤーが出て行った理由が、あの手紙を見つけていたか

らだ。だが寝室を出ていないプレイヤーもいる。そいつらには内

緒にしておこう。自分が生き残る確率を1パーセントでも上げな

いといけないからな。赤間は食堂に向かった。そして食堂の扉の

ドアノブを握り、食堂に入った。拳銃を構え、辺りを警戒する。

今は昼間だと言うのに別荘の中は暗かった。窓をカーテンで閉め

ているからだ。唯一明るいのは寝室だけか。食堂の扉に寄りかか

り、溜息を吐いた。心臓が暴れている。するとどこかからか足音

が聞こえてきた。食堂の扉の置くのほうからだ。赤間は慌てて振

り返り、銃口を向けた。赤間の呼吸数は早くなる一方だ。その時

赤間のお腹から音が響いた。ぎゅりゅぎゅりゅぎゅりゅ、周りは

無音だったからお腹の音は響いた。その時階段を下るスピードが

速くなり、扉の前に立った。「君は誰だ?」「っ!!?」赤間は後ろ

向きに歩いた。扉から1歩1歩遠ざかっていく。すると扉は開かれ

た。赤間は銃口を扉に向けた。バーン、食堂に銃声が響いた。

6. 扉は開いた。そこから後頭部を銃で撃たれた男の姿が倒れて

きた。。赤間は銃声にビクッと肩を上げ、走りさってしまった。

「よし、これで3人目」男の死体を踏み、食堂に入った。その男

は相田稔(あいだみのる)だった。「これで所持金は60億。もう十

分だ」相田はモニターを確認した。「現在のプレイヤー数は10人

か。闇島は罠がある、と言っていたが、生き残れば賞品は190億

と別荘。と言う事は死ぬ罠ではない、と言う事だな。まぁ怪我を

負わせるような罠なんだろう。足元には警戒するか。寝室が爆発

するのも嘘だろう。フフッ、面白くなってきたじゃないか。だが

、俺以外にもプレイヤーを殺している人が居る。そいつは誰だ?

」相田は暫(しばら)く自問自答していた。「まぁいい。取り敢え

ず今はプレイヤー狩りに専念するか」相田は食堂を出た。

7. 「はぁーはぁー」赤間は走っていた。そして廊下の壁に寄り

かかり、ズルズルと滑り座った。「あはぁー」赤間は呼吸を整え

、考えた。「一体アイツは誰が殺したんだ?あんな躊躇(ちゅうち

ょ)なく人を殺すか?」最初は陽気だったが、今はもうパニック状

態に陥っている。「俺も、そろそろ動かないと危ないな」そうい

い、赤間は立ち上がった。すると廊下の廊下の奥から足音が聞こ

えてきた。咄嗟(とっさ)に銃口を向ける。暗いため、まだどこか

ら歩いてきているか分からないが、時が進み、相手の影を確認で

きた。バーン、「んぐっ。だ・・・誰だ!!?」死なない、防弾チ

ョッキに当たってしまったようだ。そして人影はこちらに撃って

きた。バーン、バーン、バーン、銃声が廊下に響く、相手はこち

らに気付いていないため、探り撃ちをしているようだった。そし

て赤間はもう一回人影に向けて撃ってみた。「うぐっ。そ・・・

そこか!!」撃った瞬間に火花が飛び散るため、場所を知られてし

まった。バーン、バーン、だが赤間は咄嗟に廊下を全速力で走っ

たため、銃弾には当たらなかった。惜しい、あとちょっとで殺せ

たのに。足音は後ろから聞こえる。赤間は後ろの一発撃った。バ

ーン、すると倒れる音が聞こえ、足音はやんだ。赤間は咄嗟に懐

のモニターを確認する。所持金が、0から20億に増えている。「

た・・・倒した・・・」赤間は撃った方向に歩いた。頭から血を

流している男を発見した。「はぁ・・・やった・・・ん?」モニ

ターを再度確認した。「プ・・・プレイヤー数が・・・9人!!?」

現状に驚いた。確かに銃声は何度か確認したが、こんなに減って

いるなんて・・・。赤間は廊下を歩いた。

8. 「おらおらおら!!!」バーン、バーン、バーン。食堂に銃声が

響き渡る。そして死体が1つ、転がった。「へへっ楽勝だぜ」こ

の男は上島だった。「よし!!所持金が100億を超えた!!へへっど

んなもんだい!!」そして上島は死体からマガジンを盗み、補充し

た。「拳銃2丁、マガジン36個。俺は最強だな」上島は立ち上が

った。「そういえば赤間を見てないな。もう殺されたか?まぁい

い」上島は食堂の扉のドアノブを握った。バーン、再び食堂に銃

声が響き、死体が転がった。

9. 「ふっ、何が最強だよ。無防備じゃないか」男は上島のマガ

ジンと拳銃盗み、食堂を去った。「現在の所持金は100億か。初

めて殺した相手がまさか100億を所持していたとはな」男はクク

ッ、と笑いながら廊下を歩いた。

10. 「え?現在のプレイヤーが4人?」赤間はモニターを確認して

驚いた。「俺が20億だから、もしかしたら俺は一番貧乏か?一体

所持金を持っているのは誰なんだ?」赤間は暫く考えた。「上島

って人、大丈夫かな」赤間は心配に思えた。もう殺されてしまっ

ただろうか、赤間は心配になったが、無視した。「皆敵だ。仲間

なんていない」そういって赤間は再び廊下を歩き出した。

11. 「え?残り4人?俺の所持金は10億、そして他の3人。絶対俺が

一番貧乏じゃないか!!」海田満(うみたみちる)は嘆いた。「もう

やだよ。こんなゲーム」海田は1人殺したが、その恐怖心で嫌に

なってしまった。バーン、「ヒィ!!」海田は後ろを見た。誰かが

自分に向けて発砲してきた。「いやぁぁぁ!!!」海田は銃を乱射

した。すると向こうもそれに気付き、撃ち返してきた。

12. 「あっまた減った」赤間はモニターを念入りに確認していた

。4から3に減った。すると銃声が聞こえた。自分の後ろから。目

の前の花瓶が割れた。赤間は咄嗟に後ろを向き、銃口を向ける。

バーン、探り撃ちをしてみたが、向こうは撃ってこない。赤間は

警戒しながらゆっくりと前に歩いた。そこには死体が転がってい

た。バーン、廊下に銃声が響いた。

13. 赤間は倒れた。「うわぁぁぁ!!!!!」赤間は必死に足を押さ

える。運良く右足に当たったようだ。だが激痛だ。「くそっ」バ

ーン、バーン、すると向こうの反応があった。「あぁぁぁぁ!!!

くそっ!!」バーン、バーン、向こうはまた撃って来た。銃弾が目

の前の床に突き刺さった。それを見て怖くなり全速力で走った。

懐を確認するとプレイヤー数は2人、「俺と撃って来た奴だ。く

そっ、どうしよう。取り敢えず寝室に戻って罠を仕掛けるか」赤

間は全速力で逃げた。

14. 「チッ、逃げ足が速いな」拳銃を降ろし、溜息を吐いた。「

所持金が170億か。アイツは20億持っているわけか。まぁいい、

この稔に任せろ!!」そう、170億を持っているのは相田だったの

だ。「実際殺してる数は俺少ないんだけど殺したプレイヤーの所

持金が凄かっただけなんだよなぁ」相田は拳銃を構え、廊下を歩

いた。

15. 「よし、完璧だ」赤間は上出来すぎて思わず喋ってしまった

。辺りを見渡したが誰も居ない。フゥー、と溜息を吐き、奴が来

るのを待った。すると扉の奥の方から足音が聞こえた。「よし!!

」扉は開いた。奴は以前として警戒している。赤間は計画通り、

じっと待った。扉が開いた。「誰だ?」小声でボソッとつぶやい

た。赤間は作戦通り、右手に持っていた銃弾を自分の反対側の壁

目掛けて思いっきり投げた。カーン、敵は反対側の壁に拳銃を向

けた。これで敵が前に出てくれば、倒せる。赤間は微笑んだ。バ

ーン、バーン、部屋に銃声が響いた。そして男達が倒れた。

16. 「ゲームが終了しました。現在の時刻は14時、今回のゲーム

の勝者は・・・海田満様です!!」別荘中にアナウンスが響いた。

「あ・・・あぁ・・・や・・やったぁぁぁぁぁ!!!!!」海田はジ

ャンプしながらガッツポーズをした。「ははっ!!どんなもんだい

!!」海田の歓喜の雄たけびは部屋中に響いていた。

17. 「いやぁぁぁ!!!」海田は銃を乱射した。すると向こうもそ

れに気付き、撃ち返してきた。「あ・・・あれ?銃弾が飛んでこ

ない」海田はゆっくりと前に歩いた。するとそこにはエアガンが

あった。「なんだぁ、罠か・・・もう駄目かと思ったよ。ん?何

これ?」海田はエアガンの隣においてある薬に手を伸ばした。「

仮死薬?えぇなになに?この薬を飲むと、モニターのプレイヤー数

が1減ります」「へぇ、ちょっと使って見よ!!」海田は薬を飲ん

だ。そしてモニターを確認した。「おぉ、本当だ。確かに減って

る。ん?待てよ・・・これを利用すれば・・・!!」

エピローグ. 海田は食堂の席に座った。「おめでとうございます。海田様

」「よし!!」「貴方様には賞品として、190億とこの別荘を差し

上げます。また、この別荘の話をしますので、そこにある食べ物

を食べながら聞いてください」「あっはい」海田はフランスパン

に手を伸ばした。そしてガブガブと食べ始めた。「海田様、貴方

様に言わなくてはいけない事があります」「はい?」海田は目を

見開いた。何かがおかしい。く・・・苦しい。「ううう・・・う

ぐぅぅぅうぅ」海田は椅子から転げ落ちた。「う・・うぐっ!!」

海田は床をゴロゴロと転がり、やがて動かなくなった。「このゲ

ームは、勝者なんて居ないんです」部屋にアナウンスが響いた。

おまけ. 「闇島様、そろそろ」「あぁ、そうだな。今回の殺戮ゲ

ーム、楽しめていただけたかな?」「はい、ごもっともです」闇

島は反転した。「君の発想には驚いたよ。まさか食堂に繋がる扉

のドアノブ全てに毒を仕込む、なんてね」「闇島様に褒めていた

だけるなんて光栄です」「だが、ここからいち早く離れる事に意

味があるのかね?」「警察に嗅ぎつかれると、厄介ですので」「

そうか・・・ならば仕方ない。で、次はどこなのだ?」「次はア

メリカです。日本とは違い、拳銃を所持することが可能ですので

日本より面白いかと・・・」「そうか、ならば早く行かないとな

。ちゃんと食堂の扉に毒を塗るのだぞ」「はい」闇島と黒服はそ

の部屋を出て行った。

ー殺戮ゲームー

ー殺戮ゲームー

  • 小説
  • 短編
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-17

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted