聖ペテロ祭の殺人
エリス・ピーターズ作、修道士カドフェルシリーズの第4弾、聖ペテロ祭の殺人 (Saint Peter's Fair)です。
この作品はシュルーズベリで聖ペテロ祭が行われるのですが、その間に起きた殺人事件を描いたものです。
聖ペテロ祭には各地から商人がやってくるほど絶好の商売の機会です。
これを機にみんな儲けようと必死です。
そこに利害関係が生じ、殺人事件が起こってしまいます。
果たして誰が犯人なのか?
見所はいろいろあります。
祭りの風景は見ものです。
カドフェルもいつにない周りのウキウキとした気分に落ち着かない様子です。
弟子の修道士が祭りに行きたがり、若い者は祭りに興味津々だなどと言っています。
商人の一人が殺されます。
美人の姪がひとり残され、途方に暮れます。
遺体は修道院に運ばれ、カドフェルとベリンガーによって検分されます。
修道院長からベリンガーを助けて事件を解決するように頼まれるカドフェルなのでした。
犯人探しを始めるカドフェルとベリンガー。
フィリップ少年が一番怪しいため、捕らえられてしまう。
だが姪は修道院で寝ることを拒むのでした。
何かを隠しているようです。
その晩、またひとりが殺されます。
今度は伯父の財産を狙った強盗でした。
そして次の日の昼には姪の寝所が空き巣にあいます。
これはなにかあるとさっするカドフェルです。
姪はとうとう修道院の監視下に置かれることになりました。
次の日、祭りで犯人を捜すカドフェルをよそに、姪は修道院から逃げ出し祭りにくりだします。
そこで姪は暴漢に襲われ、金目の物を盗られそうになりますが、ハンサムな男性に助けられます。
この男性のことをすっかり信用した姪は一緒に旅して家に帰ることにします。
この男が実は犯人だったのです。
そんなことはつゆも知らないカドフェルは祭りの中で犯人を捕らえようと捜査を続けています。
姪がいなくなったと知ったときには既に遅く、カドフェルの手の届かないところに行ってしまったのでした。
ベリンガーと共に男の荘園に向かいますが、姪は捕らえられ、男から手紙を出すようにと迫られます。
この手紙こそが、犯人が探し求めていた物だったのです。
そのために殺人を犯し、空き巣に入ったのでした。
カドフェルは荘園につき、姪を助け出します。
これで一件落着です。
犯人は比較的早く読者にわかります。
ただ、登場人物がそれとは気付いていないので、騙されてしまいます。
カドフェルも後手にまわってしまい、珍しくワラワラさせられます。
昔のお祭りの風景が物珍しい作品でした。
聖ペテロ祭の殺人