チェリーチェリーボーイ

今だチェリーボーイの青年藤間祐樹は恋に奥手{へたれ}な草食系男子そんな男のモテキが来たの来てないの?てきな、コイツはなぜ未だに童貞なの?とかどんな話になるのかは書いている僕も分かりませんが汗
とりあえず呼んでください!!

一話「電車の中での狂気」

夜の帰り道、電車に揺られながらイヤホンを指してボーっと正面を眺めていると制服を着た高校生のカップルがイチャイチャと手を握ったり体を寄せ合っているのが視界に入った

僕の名前は藤間祐樹ここでは自分のことを「俺」としておこう。

そんな俺は今年で19歳を半分過ぎたが未だに「童貞」である
今は大学で実家を離れひとり暮らしをしている、一人暮らし、大学生、飲み会きっとこの二つが揃ったら確実に腰を振りまくる日々が続くと少しはいや!確実に思っていたりしたが、世の中そんなに甘くないと大学生活一年目が終わったときに思ったのだった

そのことはまた別の機会に触れよう・・・
とりあえずは視界に入ったこのカップルだ、高校生の時の俺はまだ未来に希望を持っていた、きっといつかチェリーを捨てれる大丈夫だと、しかし一年が経って一人暮らしにも慣れ、ご飯や洗濯や洗物や掃除など身の回りのことが自分で出来るようになった今となっては「あれ?これ俺一人で生きれるんじゃね?別に一人の方が楽じゃね?」と結構本気で思い始めていた

そんな時にこのカップルを見てしまった
楽しそうに体を寄せ合い、電車と言う公共の物なのにも関わらずに周囲の目を気にせずにイチャイチャイチャするこのカップルの光景を・・・

俺はケータイを見ているふりして二人の様子をじっと眺めた
まるで素人AVを見ているかのようにかなり過激になっていった
そしてついにキスまでし始めたのだ!
いや普通に彼女彼氏が出来たことのある人からしたら普通のことなのかもしれない、二人の想いが強すぎて場所とかルールとかそう言う次元を通り越してしまうのかもしれないが、未だ童貞で女の子に手を握られただけでドキドキする真っ白な純白な俺には衝撃すぎてその場でフリーズしてしまった・・・・・

ケータイを辛うじて握ったままその光景を見つめたまま俺の脳内では緊急会議が行われていた

祐樹の中の脳内祐樹たち6人が席に座り激しい論議を放っていた

「落ち着け!落ち着いて窓の景色でも眺めるんだ!」
祐樹Aが叫んだ

「いや周りを見てみろ、小さい子供もいるんだぞ!咳払いでもして何かのアクションを起こすべきだ」
祐樹Bも負けずに叫んだ

「馬鹿!そんな妙に目立つことして後から何か問題が起きたらどうする?」
CがBを睨んで訴えた

「そうだ!Cの言う通りだ!何だよ僻みかよ?とか何ジロジロ見てんだよ!とか言われて見ろ恥もいいとこだぞ!」
DはCと一緒になってBを攻撃した

「そんなすぐに周りを気にするからいつまで経っても童貞なんだよお前は!行動力がない」
EはB側のようだ

「このまま目を閉じて寝てますよってのが一番じゃね?」
Fが論戦に飽きたのか一言で済ませた


Fの発言の後に他の奴らの言葉は無かった

俺は目を閉じた



電車が駅に到着して立ち上がるとあのカップルたちの姿は無かった
あのままずっと目を閉じていたのだ
カップルの女の方が座っていた席に一回座ってから電車を降りようかと一瞬脳裏に浮かんだが、そんな妙な行動をしたらと考え・・・結局何もしないで電車を降りた

今日は一人で映画を観に行った帰りであった「ダーグナイトライジング」を観た帰りでココロの中は感動と興奮で一杯だった、帰りにラーメンでも食べて映画のシーンを思い出すそんな夕食にしようと思いながら電車に乗ったが、最悪の光景を見てしまったせいで完全に無気力になり、コンビ二の寄っておにぎりを買って家に帰った

家に着いて何も考えずにベットにダイブした

買ったときはきっとこのベットが戦場になるんだろうと希望を持っていたが一年間100パーセント俺にしか使われていないこのベットが今日は何故か冷たく感じた

「何してんだろ?俺・・・・」
一人で悲しくつぶやいた・・・・

チェリーチェリーボーイ

チェリーチェリーボーイ

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 成人向け
更新日
登録日
2013-03-15

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