犯人を……

人待っているときに書いてたお話
多分高校生……付き合ってるんだか家族なんだか……
複雑そうなやつらのお話です。
お時間ございましたらお付き合いください。

─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ

三( ゜∀゜)

「ちょっと待てそこの変態!」
金城心咲(かなしろみさき)は高校の制服姿で前を走る、ボストンバックを抱えた男性を追いかけていた。全力疾走で。
「かな! 落ち着け! かな!」
心咲を追いかけるのは、彼女と同じ高校の男子用の制服姿の三笠木利己(みかさぎりこ)。
「なんで!? みーくん!」
心咲は器用に走りながら後ろを振り返り、声を出す。
利己は心咲が舌を噛まないか心配になった。
「それ、俺の知り合い!」
だから止まって
利己はあえて口には出さずそう願った。
「へ?」
心咲の足が止まった。というか、自分の足に自分で躓いて転んだ。
「舌噛む前にこけたか……」
ため息を一つつくと利己は膝から血を流す心咲に近寄った。
「また怪我しやがって……」
「今日のはみーくんのせいじゃん」
絆創膏を肩にかけていた心咲の鞄から利己は取り出して、心咲の膝に貼った。
「急に走り出すからだろ」
「だって!」
「だってじゃない。ああいうのは放っておけ。お前がこれ以上怪我すると俺がやだ」
心咲は立ち上がった利己を見上げてぽかんとした。
「どうして心配してくれるの?」
さっき心咲が追っていたやつがいなくなった方を見ている利己の上着の裾を引っ張りながら心咲は聞いた。
「どうしてだろうね。さ、帰るよ」
「え!あいつは?」
「放っておく。大丈夫。もう来ないよ。きっと」
利己は心咲を立たせてからもう一度「大丈夫」と呟いた。
「本当に?またみーくんの部屋に盗撮に来ない?絶対?」
「来ないよ。そもそも男の部屋に男が覗きに来てどうするんだよ。あいつは間違えただけだよ」
そもそも覗きじゃなくて、あいつの目的は下着だったわけだけど。
利己は心咲にはあえて言わないでおいた。この世界、知らなくていいこともある。そう思って。
「……ならいーですけど……」
心咲はまだ不満そうに口を尖らせている。
「明日ちゃんと言っておくから。ほら帰ろう?」
利己は心咲の冷たい右手を掴んで、今度は絶対に離さないと決めて、二人の家へと帰っていった。

犯人を……

結局なんなんだろうあの二人……
彼は彼女のこと大好きなんだろうということしか分からないです。
……ああいうリア充爆発すればいいのに?

犯人を……

仲の良い男女が変態に振り回されるはなし とは、いってもそんなに振り回されてない。 少しほんの少しだけ腐……?でもまあ、そういう性癖ってないわけじゃないから というお話です

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-15

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