卒業の日(3)
最高の親友。
キーンコーンカーコーン・・・・・
休憩終わりのチャイムとともに、
あゆの声がした。
「どしたー?探したよー」
「ごめんごめん」
さっき考えてたことが嘘のような笑顔で答える。
と、廊下を通りすぎる可愛い女の子が手をふっている。徳永実咲(とくながみさ)だ。
みさは可愛いし、優しいし、美人だ。
それに、背が高くて細い。
だからかなりモテモテだ。
そんな女の子がこんなあたしに、
てをふっているのはビックリだろう。
それは、みさは優しいからこんなあたしが親友になれたんだ。
みさは唯一心を許せる親友だ。
「まほー」
「みさっ!!どしたー?」
「これっ!」と手を出した。
その手の中に手紙が入っていた。
みさは、6ー3。あたしは6ー2。
違うクラスだからよく手紙を書いているのだ。
「ありがとー」
中を見ると嬉しい言葉が書いてあった。
『大好き!!!』この言葉に何回励まされたか・・・・・
でもひとつ、疑問に思う。
本当に親友があたしでもいいのか?
親友と思っているのはあたしだけかも・・・・・
そんなことを思いながら手紙を見る。
そこには心を見透かしたようなことが書いてあった。
『何かあったら相談して。』
その言葉を見た瞬間、
自分には頼れる人がいると、
はじめて知った。
卒業の日(3)