要子の冒険(3)

 要子とパレットはミサイルを搭載していたビークルで工場へむかった。巨人はミサイルの発射台に寝そべって同行した。
要子たちには新しい道連れができた。ゴリラと狼とハゲタカだ。巨人とテレパシーで通じ合ったらしい。要子には獣たちからはなにも感じられなかった。

 施設はほぼ完全に破壊されていた。
 生き残りのミュータントたちを要子とパレットはレーザーで殲滅していった。

 キョウは爆発に巻き込まれて瀕死だった。しかし設備が残っていたので、サイボーグとして蘇ることができた。
 
 巨人を改造することもできた。光合成でカロリーを稼げるようにした。巨人は緑色になった自分の肌にとまどっているのがわかった。これでかなり活発に動けるようになるはずだった。さらに非常時には戦闘レベルで動けるように、バッテリー式のブースターパックをインプラントした。巨人はどちらかというと不愉快そうだった。言語やテレパシーなどコミュニケーション能力の強化も試したが、成果はあがらなかった。施設のデータベースのほとんどが物理的に破壊されてしまっていたためだと思う。

 キョウと巨人の改造に2週間費やした。そして施設はエネルギープラントが停止し、廃墟となった。
 
 目的を果たしたキョウとパレットは海に戻っていった。
 施設から回収できたビーグルは2人乗りの小型のものが1台だけであった。ミサイル輸送車はエネルギーがほとんど尽きかけていた。キョウはまだ調整が終わっておらず歩くことができなかったので、二人はそのビーグルに乗って去っていった。

 要子たち一行は徒歩で出発した。

要子の冒険(3)

要子の冒険(3)

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-11

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