03M53S+15S　938文字

03M53S

絵を書こうと思ったんだ。それをすっかり忘れていた。
寝ていると、眉間と鼻柱の間になぜか違和感を覚え、ナイフがそこに突きたっている事を想像せざる得ない。眉間に突き刺さるナイフ。つまり僕は死んでいる。また、闇が深くなり。この世界の影である夜が、本性をあらわして、空の青を塗り込める。絵を描こうと思ったんだ。そんな昔の事じゃなくて。3.14159265......無限につづく円周率。数字ではとらえられないけれど、地面に丸を描けばとらえられると思ったんだ。無限をとらえる。できるはずだ。それは丸となり好きな色でぐりぐり塗っていると、後ろからのぞき込んでいた人に「地球ですか？その絵」と声をかけられる。好きな色は青と緑だった。「ああ、そうかもしれません」と僕は答える。
地球のうえに一本まっすぐな線を引くと、引き続けると、いつか線は始まったところにたどり着くという。宇宙にまっすぐまっすぐ線を引くと、いつかはじめのところにたどり着くという。自分にまっすぐ線を引くと、引き続けると、、、、なんになるんだ。
自分にまっすぐ線を引くと、手のひらに一本の手相になる。一本にぎり、天下取りの相。ぐっとにぎる。こぼれ落ちる。その器ではない。わかっている。ちょっと違うか。いや、正体不明のものにしよう。よくわからない何かにまっすぐまっすぐせんを引くと。よくわからない何かは二つに切れてしまう。
よくわからない何かにまっすぐ線を引き。どうなるのだ。わからない。考えが足りない。勢いで言った。それを書いている。下手でもなんでもいいから書く。人を書く。物を書く。なんでも書く。ちょっとダメだな。
ああ、こうして僕は同じところをグルグルとまわる。心に線をひいていたのだ。 心は二つにわれて、やがてこぼれ落ちてくるモノを僕は手のひらですくい取る。

聞き手、Voice-Trec VN-8100PC VCVAモード OLYMPUS + ECM-TL1 sony

15S

ひのもとは
アトムの国である
広島でアトムの時代がはじまり
福島でアトムは終わる
そうであって欲しい

書かれ手、メモ　メー４０無地 memo pad KOKUYO

写楽を見物してきて絵を描こうと思ったんですが、さっきまで忘れてたんですよね