月光〜輝けるもの〜
春、満開の桜の花びらを照らし出す
夏、砂浜の波打つさざ波を照らし出す
秋、山並みの深紅の紅葉を照らし出す
冬、しんしんと降る真白な雪を照らし出す
夜の帳が落ち、暗闇が支配する中、
月光に照らされたものだけが生き生きと
その輪郭を現す
コンサート会場、スポットライトの先、
あなただけを照らし出す
輝くのは、あなただけ
そんな華やかな時だけ人は、輝けるものに
憧れと羨望の眼差しを送る
その瞬間は、儚く短い
そのためにどれだけ、暗闇の中を過ごしてきたか
誰も見ようとしないし、知ろうとしない
いや、普通の人には、暗すぎて見えないし、
知る術を知らない
月光〜輝けるもの〜