月光〜輝けるもの〜

月光〜輝けるもの〜

春、満開の桜の花びらを照らし出す

夏、砂浜の波打つさざ波を照らし出す

秋、山並みの深紅の紅葉を照らし出す

冬、しんしんと降る真白な雪を照らし出す

夜の帳が落ち、暗闇が支配する中、
月光に照らされたものだけが生き生きと
その輪郭を現す

コンサート会場、スポットライトの先、
あなただけを照らし出す

輝くのは、あなただけ

そんな華やかな時だけ人は、輝けるものに
憧れと羨望の眼差しを送る

その瞬間は、儚く短い

そのためにどれだけ、暗闇の中を過ごしてきたか

誰も見ようとしないし、知ろうとしない

いや、普通の人には、暗すぎて見えないし、
知る術を知らない

月光〜輝けるもの〜

月光〜輝けるもの〜

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-09

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